対戦車用とは? わかりやすく解説

対戦車用

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 09:31 UTC 版)

小銃擲弾」の記事における「対戦車用」の解説

成形炸薬弾用いた装甲トーチカ用のもの。ただし小銃装着する必要から大型化制約があり、戦車装甲性能の向上に追随できなくなっており、下記のように、主目標軽装甲車両対人用にしたもの主流となりつつある。

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対戦車用

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 01:29 UTC 版)

タ弾」の記事における「対戦車用」の解説

タ弾とは、ナチス・ドイツ成形炸薬弾に関する技術供与によって陸軍開発した銃器および火砲用の対戦車用成形炸薬弾陸軍では穿甲榴弾(穿甲弾)、海軍で円錐弾と呼称)の秘匿名称である。 本弾モンロー/ノイマン効果利用する化学エネルギー弾である。弾丸炸薬充填されており、炸薬先頭部分が円錐形開孔され、その表面漏斗ライナー漏斗状の薄い金属製内張り)が貼り付けてある。目標命中する弾頭信管発火し漏斗内の空間伝って漏斗足底部にある起爆薬起爆させ、炸薬爆轟させる(弾底信管をもつタ弾場合は、弾底信管から直接炸薬爆轟させる)。炸薬爆轟波によりユゴニオ弾性限界超える高圧晒され漏斗は、その中心部から流動性をもった金属(メタルジェット)となり、前方収束する。メタルジェットが装甲接触すると、超高圧により装甲材流体のような振る舞いをするため、これを吹き飛ばしながら穿孔していく。メタルジェットが装甲貫徹すると、燃焼ガスと共に内部吹き込まれ被害与える。なお成形炸薬弾には、弾丸高速で旋動(スピン)しているとメタルジェットの収束阻害され貫徹力低下する特徴があるため、旋動安定タ弾威力がやや低下している可能性があった。またタ弾は弱速で命中させるほど効力があり、大初速では効力小さい(大初速命中する砲弾そのもの壊れてしまい想定され威力発揮できないともいわれる)。したがって存速が大き近距離では威力低下するその他の短所としてはタ弾装甲板貫通した後の、戦車内部与え損害徹甲弾比較して劣る。弱速で効果発揮しやすいという特性により、徹甲弾比べて命中率が低いなどがあげられるドイツでは成形炸薬研究進んでおり、1942年昭和17年5月日独軍事技術交流第一歩として、ドイツ陸軍兵器局弾薬班長パウル・ニーメラー(Paul Niemoeller)大佐封鎖突破船により横浜到着し成形炸薬弾図面模型陸軍省陸軍次官木村兵太郎中将手渡された。その後ニーメラー大佐と、万一場合備え大佐とは別の船で来日したヴァルター・メルケル(Walter Merkel)少佐の2名に陸海軍は共に指導を受け、陸軍タ弾委員会設置し地上航空兵器への応用研究着手した同年6月には研究計画策定し小銃用の30mmおよび40mmタ弾静止破裂試験を、翌月には発射試験行なったまた、並行して四一式山砲用のタ弾についても設計始めた同年11月、これらの功績により、ニーメラー大佐メルケル少佐対し叙勲検討された。 タ弾名称の由来は、対戦車用弾頭であったためその頭文字から略称としてタ弾」と呼ばれたという説と、当時もたらされ図面に「エリプシェ・ターゲル」と記されていたことからこれを「楕円弾」と訳したが、「ダエン弾」では秘匿名称としては長すぎるので「ダ弾」と略し、さらに「ダ」を「タ」に変えてタ弾となったという説がある。(後者場合ドイツ語としては「エリプティッシェ・クーゲル」elliptische Kugel という表記正しい) タ弾山砲歩兵砲など低初速火砲にも装甲貫徹能力与えることが出来た。そのため大戦後半には各種火砲タ弾開発整備された。九四式山砲四一式山砲用に開発され二式穿甲榴弾タ弾)は、終戦時完成品及び半途品を含めて合計99,000発以上存在していた。 以下は実際に整備生産されタ弾である。 使用銃器火砲弾種口径信管弾量 / 弾薬筒貫通鋼板厚生実績二式擲弾器タテ器) 四十タ弾 40mm(弾丸径) (弾底式) 370g(炸薬104g) 50mm(全数貫通60mm半数貫通) 約19,440発(昭和18年以降のある4箇月間生産推定九七式五糎七戦車砲 三式穿甲榴弾 57mm 一〇〇式瞬発信管「穿」 1.80kg / - 55mm 64,000発(昭和19年度)、8,000発(昭和20年度)、合計72,000発。約8,000発(鈴木織機生産分) 九二式歩兵砲 三式穿甲榴弾 70mm 八八瞬発信管「榴臼」 3.38kg / 4.08kg 90mm 約39,000発(昭和20年名古屋・大造兵廠生産分)約5,700発(終戦時大阪造兵廠枚方製造所および同大工場在庫分。半途品含む) 四一式山砲 二式穿甲榴弾 75mm 八八瞬発信管野山加」 3.95kg / 4.77kg 100mm 60,895発(昭和20年1 - 5生産分)約55,000発(終戦時大阪造兵廠枚方製造所在庫分。半途品含む) 九四式山砲 二式穿甲榴弾 75mm 八八瞬発信管野山加」 3.95kg / 5.00kg 100mm44,000発(昭和20年名古屋・大造兵廠生産分) 九一式十糎榴弾砲 三式穿甲榴弾 105mm 八八瞬発信管「榴臼」 10.91kg(炸薬1.59kg) 120mm 13,042発(昭和20年1 - 5生産分)約9,000発(大阪造兵廠枚方製造所生産分) 試製四式七糎噴進砲ロタ砲試製四式七糎噴進穿甲榴弾(七糎ロタ弾) 74mm 試製四式瞬発信管「穿」 4.08kg(炸薬0.71kg、推進薬0.26kg) 80mm 約47,600発(相模造兵廠生産分)約3,100発(終戦時大阪造兵廠枚方製造所在庫分。半途品含む) 以下は試製研究終わったタ弾もしくは整備生産状況不明なタ弾である。 使用銃器火砲弾種口径信管弾量 / 弾薬筒貫通鋼板備考九九式小銃 試製外装穿甲弾 - - 約800g(炸薬310g) 75mm 漏斗九二式歩兵砲弾薬三式穿甲榴弾のものの転用発射薬筒として九九式普通実包を抜弾し装薬三番管状)を3.2gに増装したものを使用二式擲弾器タテ器) 三十タ弾 30mm(弾丸径) (弾底式) 約230g(炸薬約50g) - 威力不足により整備には至らず四十五粍タ弾 45mm(弾丸径) - - - 昭和19年整備計画では当初20発を整備する予定であったが、全て中止となった七十五粍タ弾 75mm(弾丸径) - - - 長と短の2種があった。 自動砲用タ弾投擲器 (タ弾40 - 50mm(弾丸径) - - - 昭和18年3月研究開始するも、同年研究計画一時中止となった九四式三十七粍砲 外装タ弾II型 80mm(弾丸径) (弾底式) - 100mm 全長456mm。 外装タ弾III型 80mm(弾丸径) (弾底式) - 100mm 全長465mm。 試製機動五十七粍砲タ弾) 57mm - - / - - - 九九式七糎半戦車砲タ弾) 75mm - - / - - 弾薬筒四一式山砲弾薬二式穿甲榴弾弾薬筒に同じと思われる三八式野砲 穿甲榴弾 75mm 八八瞬発信管野山加」 3.95kg / - 100mm 弾丸各種山砲弾薬二式穿甲榴弾に同じ。 改造三八式野砲 九五式野砲 四一式騎砲 四一式山砲 外装タ弾I型 - (弾底式) 19.78kg 300mm 全長802mm。 九九式十糎山砲 三式穿甲榴弾 105mm 八八瞬発信管「榴臼」 10.91kg(炸薬1.59kg) 120mm 弾丸九一式十糎榴弾砲弾薬三式穿甲榴弾に同じ。 三八式十二糎榴弾砲 穿甲榴弾 120mm 八八瞬発信管「榴臼」 13.03kg 140mm - 試製四式十二糎自走砲ホト車) (タ弾120mm - - - 弾丸三八式十二糎榴弾砲弾薬穿甲榴弾に同じと思われる四年式十五糎榴弾砲 三式穿甲榴弾 149.1mm 八八瞬発信管「榴臼」 21.04kg 150mm - 九六式十五糎榴弾砲 八九式重擲弾筒 五式穿甲榴弾甲 50mm - 835g 50mm 全長143mm。 五式穿甲榴弾乙 - - - - 試製擲弾筒 五式穿甲榴弾甲 81.4mm - 3.16kg(炸薬0.45kg) 90mm 全長254mm。 五式穿甲榴弾乙 - - - - 二十二迫撃砲 穿甲榴弾 120mm 一〇〇式二働信管「迫」 12.18kg 150mm 全長584mm。 試製九糎噴進砲有翼噴進タ弾) 93.5mm 五式ろ弾用瞬発信管 9.03kg(炸薬1.59kg、推進薬0.62kg) 130mm 整備には至らず試製九糎空挺隊用噴進砲 (15cm噴進砲) (旋動噴進タ弾) 約15cm - 30kg(炸薬5kg、推進薬4.5kg) - 整備には至らず試製八十一粍無反動砲有翼タ弾) 81.4mm - 3.1kg(炸薬0.45kg) 100mm - 試製七糎半無反動砲 (旋動タ弾) 75mm - 3.95kg(炸薬0.71kg) / - 100mm 弾丸各種山砲弾薬二式穿甲榴弾に同じと思われる試製十糎半無反動砲 (旋動タ弾) 105mm 八八瞬発信管「榴臼」 10.91kg(炸薬1.59kg) / - 130mm 弾丸九一式十糎榴弾砲弾薬三式穿甲榴弾に同じ。 試製五式四十五粍簡易無反動砲 試製五式穿甲榴弾 80mm(弾丸径) (弾底式) 2.15kg(炸薬0.64kg) 120mm 点火具は九九式小銃薬莢応用筒には装薬100gを填実。 1944年昭和19年4月ニューギニアにてオーストラリア陸軍による鹵獲された四一式山砲射撃試験が行われており、射距離150ヤード(137.16m)からマチルダII歩兵戦車車体正面装甲厚75mm)を射撃している。四一式山砲一式徹甲弾鋼板貫通限界厚は射距離100mで50mm)と思われる徹甲弾ではマチルダII戦車車体正面貫通できなかったが、二式穿甲榴弾タ弾)と思われる成形炸薬弾では車内まで貫通した貫通写真確認できる豪州陸軍による鹵獲された四一式山砲射撃試験射距離150ヤード(137.16m)からマチルダII歩兵戦車車体正面射撃マチルダII歩兵戦車車体正面には成形炸薬弾及び徹甲弾命中孔が確認できるマチルダII歩兵戦車操縦席付近車内まで貫通した成形炸薬弾貫通孔が確認できるマチルダII歩兵戦車操縦席付近車内まで貫通した成形炸薬弾貫通孔が確認できるマチルダII歩兵戦車操縦席付近車内側。車内まで貫通した成形炸薬弾貫通孔が確認できる。 不貫通だった成形炸薬弾命中孔。 不貫通だった徹甲弾命中孔。射距離100mで約50装甲貫通力ではマチルダII歩兵戦車75装甲貫通出来なかった。

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