先頭部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 14:21 UTC 版)
運転室を2階に上げた先頭部 前照灯と尾灯を兼用した標識灯 先頭部の形状は運転室を2階に上げ、最前部まで客室とした。萩原は「ボンネットが突き出していると乗客に事故を連想させて不安を与える」として、前面ガラスを車両先端まで延長し、後述するダンパーを車体の中に収納する構造とした。 前面窓は、当時の日本の技術では曲面の複層ガラスの製造ができなかったことと、製造数の少ない鉄道車両においてはコストが高くなるため、すべて平面ガラスで構成した。前面に使用されたガラスは外側8 mm・内側5 mm とし、2枚のガラスの間には6 mm の空間を設定しており、当時の価格で1枚10万円という高価なものである。 衝突事故対策として、先頭部には最大吸収エネルギー77,000 kg/m・容量250 tのダンパーが2基設置された。このダンパーの中心高さは、当時の大型ダンプカーの荷台底面に合わせてレール面から1,300 mm とし、突き出し部分のバッファーは前部標識灯(前照灯)と一体のケースに収めた。 前照灯は、正面窓の上下に2灯ずつ、合計4灯設けた。このうち、窓下の2灯については、前述のダンパーと一体化されたケースに収めたほか、光源そのものがサーチライト(米国形機関車でのマーズライト)のように円錐を描くように回転することによって、地上から光が明滅しているように見える「旋回式前照灯」を採用した。これは運転台にある旋回スイッチを入れることによって作動するもので、対向列車とのすれ違い時に減光していてもスイッチを投入すると旋回を開始する。この前照灯は前後切り替えにより赤いフィルターがかかり、尾灯としても機能する。非常時には尾灯(赤色光)の状態で旋回を行うことも可能である。なお、窓上の2灯については固定式として、運転士の目が疲れないようにしている。 正面窓下中央部には "Phoenix" と記したエンブレムが取り付けられた。これは「ダンプカーに衝突しても無事であるように」という願いを込めたものであるという。行先表示器は設置されていないが、これは岐阜と豊橋を結ぶ特急列車のみに運用することになっていたため、車両そのもので行先と種別を表すという考えによる。車両番号の表記は、それまでは側面窓下中央であったが、7000系では客用扉横の下部に変更された。書体はそれまでと同様のローマン体である。
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先頭部
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「小田急3000形電車 (初代)」の記事における「先頭部」の解説
先頭部 日本の鉄道車両で初めて採用されたシールドビーム前照灯(復元されたものなので登場当時とは異なる) 先頭部の形状は流線形で、模型を作成した上で風洞実験を繰り返し、さらにその結果を基にしてモックアップ(実物大模型)を作成した 上で細部に検討を加えて決定された。これにより、形状抵抗係数は国鉄80系電車の0.64に対して、SE車では0.25にまで減少した。本来はもう少し上部を絞り込めば空気抵抗が減少するところだった が、当時の日本のガラス製造技術では円錐曲面のガラスが製造できず、円筒曲面ガラスを使用することを前提とした形状になった。 前照灯は日本の鉄道車両では初めてシールドビームが採用された が、当時はまだ鉄道車両用のシールドビームが開発されていなかった ため、自動車用の24V仕様のものを使用した。前照灯の配置は空気抵抗から流線形の頂点に配置するようにしたこと と、左右に分けた場合には「1灯が故障した時に列車の位置が分からなくなる」という理由によって、2灯を前面中央部に並べた。また、対向する列車の運転士にとっては眩し過ぎることから、運転席には足踏み式減光スイッチを設けている。先頭部には異常時に使用する格納式簡易連結器が収納された。 また、先頭下部には車両が空力的に浮き上がらないように、排障器も兼ねたスカートが設置された。3031×8では正面のスカートの開口部が楕円形から真円形に変更されたのが外観上の識別点である。
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