対戦車砲として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 13:51 UTC 版)
「QF 3.7インチ高射砲」の記事における「対戦車砲として」の解説
3.7インチ(94mm)砲は緊急時の限られた例を除いては対戦車砲として用いられることはほとんど無かった。これはドイツが1940年以降、本砲と類似した砲である"88"こと88mm高射砲を対戦車防御兵器と一体視していたのとは対照的である。またアメリカでも1942年以降にM2/M3 90mm高射砲を、その能力を評価して対戦車任務に就けていた。 主な理由としては3.7インチ砲の機動砲架は"88"の倍の重量があったことが挙げられる。本砲の再配置には時間がかかり、また重量のあるAEC マタドール牽引車も通常は表面が堅い地形でのみ牽引に用いられていた。更に3.7インチ砲を装備した重高射砲連隊は軍団もしくは軍司令部の指揮下にあり、対戦車任務を迫られる師団レベルの指揮官にこれらの部隊を指揮は委ねられなかった。また当初の仕様要求には無かった牽引状態での水平射撃は駐退及び復座用のギアを傷付けた。 本砲はトータス重突撃戦車の主砲であるオードナンス QF 32ポンド砲の原型となった。しかしこの戦車(最適な説明は自走砲である)が配備されることは無かった。
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