【ユゴニオ弾性限界】(ゆごにおだんせいげんかい)
Hugoniot Elastic Limit
金属には、高熱による溶融とは別に、極端な高圧の下で液状化する性質がある。
このときの、液状化し始める圧力の一点をユゴニオ弾性限界という。
軍事においては、主に対戦車兵器が威力を発揮する原理である。
成形炸薬弾では、「ジェット流の高熱で装甲を貫徹する」ものと誤解されがちだが、ジェット流の高圧で金属ライナーが液状化した結果がメタルジェットの形成であり、この高圧のメタルジェットが衝突して、装甲板も同様に液状化する。
APFSDSの場合も同じく、あまりに高速で弾体が衝突するために高い圧力が加わり、装甲と弾体の両方が溶解する。
ユゴニオ弾性限界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/08 07:05 UTC 版)
ユゴニオ弾性限界(ユゴニオだんせいげんかい、Hugoniot Elastic Limit、HEL)とは、衝撃圧縮下で固体が塑性変形を開始し流体のように振舞う領域に入る境界線となる圧力である。
この限界を超えた固体は塑性変形を開始し流体のように振舞うようになることを利用して、超音速でハンマーを振り下ろすことで冷間のまま金属を加工するコールドハンマーや、爆薬の爆轟による衝撃波で金属のユゴニオ弾性限界を超えさせることで金属を加工する爆着などがある。 また、成形炸薬弾は着弾時に炸薬によってモンロー/ノイマン効果を生じさせ、ユゴニオ限界を超える条件を作り出す。
材質 | 単位:ギガパスカル |
---|---|
銅 | 0.5 |
鋼鉄 | 1.2 |
タングステン | 3.8 |
セラミック | 12 - 20 |
関連項目
外部リンク
- 真下茂, 「衝撃圧縮を用いた固体の高圧相転移の研究」『高圧力の科学と技術』 17巻 4号 2007年 p.321-327, doi:10.4131/jshpreview.17.321
ユゴニオ弾性限界と同じ種類の言葉
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