NATO情報部
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「エロイカより愛をこめて」の記事における「NATO情報部」の解説
エーベルバッハ少佐の部下は、アルファベットのコードネーム(ドイツ語読み)で呼ばれる。常に26名。初期は固定したキャラクターが設定されておらず、コードネームをアルファベットとしたのも、名前の設定が面倒だという理由であったが現在はアルファベット名について「部下の順列が一目で分かって便利だから」という設定が為されている。そのため初期の作品ではAとBの容貌が現在とは逆になっている例もある。その後、少佐の活躍が増えるにつれ部下の登場機会も多くなり、「部下A」等が固有名詞となり個別のキャラクターが確立されていった。複数のエピソードを通して容貌が一致するのは今の所7名程度である。メインの数人以外はアシスタントが作画することも多く、ケース毎に容貌もまちまちだが、ほとんどの場面で全員が金髪。HやKやLなどのように個々のエピソードでは青池の筆による容貌を持つキャラもいるが、大抵は次のエピソードに入ると容貌が変わってしまっている。26人全員が登場したのは「アラスカ最前線」の中の1コマ、少佐が点呼を取るシーンのみ。 劇中ではドイツの情報機関として描かれているが、NATOは西欧諸国を中心とした軍事同盟であり、現実のドイツ情報機関は劇中にも別組織として登場する連邦情報局(BND)である。 少佐と情報部員達の活動は、防諜、盗まれた軍事機密の奪還や対テロ作戦も担当するなど、スパイというよりは秘密警察に近い。 部下A(アー) 少佐の部下の筆頭で女房役。常に部下を代表し叱責を受ける立場である。実直な人物であり、極めて温厚。若干背が低く童顔、物語開始当初はもじゃもじゃに近い癖っ毛で少々長めのショートだったが、次第にすっきりとしたストレートのショートヘアになった。伯爵の部下ボーナムとは互いの境遇に共感し、メールをやり取りする仲である。「笑う枢機卿」編での失態により一度アラスカに送られたが、帰還後は再び部下の筆頭として少佐より一定の信頼を受けている。キャラクター周辺に「きりっ」という効果音が書かれることが多い。美人の妻を持ち、少佐にその事を言われる度、寝取られるのではないかと内心恐れている。軍隊階級は曹長。少佐不在時には部署付最先任下士官として指揮を取る立場にあるが、何故かZ以外からは常にタメ口をきかれている。 部下B(ベー) Aとよくコンビを組むオフィサー。真面目なAに対し楽天家。丸顔、アフロヘアに近い強度の癖毛(中部ヨーロッパ人とは考えにくい設定、後に少佐には『ラテン系』と言われている)。何かというと食事に行きたがる傾向があり、体格も丸め。一時期はトイレに行っている隙に敵に逃げられるというパターンのミスを連発。すぐサボるため敵どころか味方からまで「根がグータラ」と陰口を叩かれているが、ごく稀にその明快単純な発想が少佐を助けることもある。冷戦後はAが少佐の副官的位置についている為、CやDやEと行動している。妻帯者。子供は少なくとも一人いる。 部下C(ツェー) 永らくキャラが確定していなかった影の薄い序列三位。現在Eと呼ばれている人物が冷戦終結直後にCと呼称されていたこともある。現Cは「ケルティック・スパイラル」でBのコンビとしてようやく登場。この現CはBほどズボラではないが、DやEやGと比べるとBのズボラに対して寛容な人物である。髪型は両分け。 部下D(デー) 「笑う枢機卿」編前後では現Eと思しき人物がDと呼ばれている。固定キャラクターとなったのは冷戦後から。以降は、必ず青池自身が作画している。金髪の短髪で、体格もがっしりとした軍人らしい人物。しかし、少佐が怒っている時にはやはりAの背後に隠れてしまう癖がある。主にEと共に行動を取り、伯爵一行との遭遇が特に多い。 部下E(エー) 「笑う枢機卿」編前後では金髪オールバックのキャラ。明確なキャラクター化がなされたのは冷戦後。部下の中ではいつの間にか有用な実働部隊となった律儀なメモ魔。Dとのコンビが多いが、BやGと組むこともある。妻子もち。なお、冷戦前から同じ容貌のキャラは登場しておりC或いはDと呼ばれている。 部下G(ゲー) 序列7位の美青年。『イブの息子たち』の外伝「グッド・カンパニー」に登場した際、少佐から任務の為に女装を強制されたことをきっかけに女装趣味に傾倒。その後男色家になってしまい、少佐と伯爵に色目を使うようになる。「少佐のための化粧」が度を過ぎ、回を重ねるごとに厚化粧に。当初はスーツ姿で活動していたが、程なく常時女装して任務に当たるようになった。冷戦後は主にZと行動。ゲイという設定は「G(ゲー)」の発音から発想された。 部下J(ヨット) 「アラスカ最前線」でNATO情報部一行を出迎えた、アラスカに左遷されていた部下。このエピソードでの部長の台詞によると、他にも何人かアラスカ送りの部下がいたとのこと。 部下Z(ツェット) アルファベット最後の文字を割り当てられた、永遠の新人。金髪長身(身長も肩幅も少佐よりやや小さい程度。このため黒髪のカツラで少佐の影武者を演じた事もある)の美形キャラクターであり、伯爵や情報部長から好意を寄せられている。「アラスカ最前線」ではFBIの捜査官の一人をKGBのスパイと見抜くなど、新人ながら非常に真面目で有能な部員であり、少佐からも特に期待されている。「笑う枢機卿」編終了後に部下がまとめてアラスカに送られた際、“運転手と電話番が必要だ”と唯一少佐の元に残され、恐怖に打ちひしがれた。少佐への尊敬の念は大きく、少佐が一時情報部を離れた際には自身のブースに少佐の写真を飾っていた。ハノーファー生まれで、姉が一人いる。キャラクターとしても非常に人気が高く、Zを主人公としたスピンオフ作品『Z -ツェット-』も発表されている。冷戦前は序列下位の面々と共に活動していたが、冷戦後はほぼ常にGに同行している。部下A曰く"まるで姉に振り回される弟のようだ"とのことである。 情報部長 少佐の上司。A-Z達にも増して少佐を恐れている半面、挑発も欠かさず、事あるごとに少佐と嫌味の応酬をしている中年。妻帯者であるが男色家でもあり、いわゆるバイセクシャルであり、伯爵に対して非常に好意を持っている。部下G、Zを寵愛しているが、両者からは疎まれている。コーヒーに角砂糖を10個入れるなど極度の甘党で肥満体だが、色気を忘れない艶福家である。基本的には人当たりの良い好人物で、部下を犠牲にする非情な作戦は嫌う傾向にある。SISのミスターLは数十年来の親友。ギリシアの諜報部要人にも友人がおり、ギリシア政府にも明かせない極秘情報を譲られたこともある。 部長秘書 情報部長の秘書。気品ある初老の女性。初期から容貌が確定している。部長の購読雑誌を、アダルト向けまで含めて逐一ファイリングし保管するなどの几帳面さが見られる。少佐に対して部長のフォローを行う場面もある。部長曰く「彼女は鬼のようにわしを仕切る」。 経理部長、人事部長 情報部長と並ぶ、オヤジ三羽烏。少佐の経費遣いの荒さや部下酷使に悩まされている。少佐が無断でアラスカに送った部下25人の補充を迫られて逃げ回る反面、少佐の結婚を画策するなど寝業師な一面も見せる。彼ら2名と情報部長は、その役職から大佐もしくは将官と考えられる。 ゴットフリート・ローデ 番外編「エーベルバッハ中佐」で登場。少佐がイギリスに転属していた時期に、後任としてNATO情報部に配属されたベテラン。前所属はBND。部下に対し、かつて自身が体験した裏切りや背徳といった陰鬱な泣き言を話し続けた為、情報部の士気が著しく低下。最大で部下26名中10名が事実上の職務放棄に至った。この際に部下、さらに前任者の少佐をも批判したために、温厚な部下Aをも激怒させる。旧KGB側からも「シベリアの凍土」と評されるほど暗い性格を持つ。 ムンク少佐 ノルウェー在住、オスロ支部所属。至ってまともな人間である。地味で出番は少ないながらも息長く顔を見せている脇役で、『Z』にも登場している。
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