Z -ツェット-とは? わかりやすく解説

Z -ツェット-

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 05:08 UTC 版)

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Z -ツェット-』は青池保子による漫画。長編『エロイカより愛をこめて』の外伝的作品[1]

『エロイカより愛をこめて』に登場するNATO情報部のエーベルバッハ少佐の部下で新人、コードネーム「Z(ツェット、Zのドイツ語読み)」を主人公に据えた作品。

2011年には『エロイカより愛をこめて』の連載スタートから35年となることを記念し『Z -ツェット- 完全版』が出版され、丸善丸の内本店(丸の内オアゾ内)でサイン会が開催された[1]

主な登場人物

Z(ツェット)
主人公。
訓練所で15週の研修を受けて少佐の下に配属された新人。「鉄は熱いうちに打て」が信条の少佐に厳しく育てられる。
クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ少佐
「鉄のクラウス」と異名をとるNATO情報部の少佐。Zの上官。

各話

I

LaLa』(白泉社)1979年8月号掲載。

あらすじ
15週に渡る訓練所の研修を受けてきたばかりの新人Zは、オイルダラーの息子の1人を密かに警護する任を単独で任される。オイルダラーが東ドイツとの取り引きを中止したため、MfS(東ドイツの秘密警察・諜報機関)が息子を誘拐する虞が出てきたのだ。ただし、息子は数十人おり、Zが任された相手は本命ではなかった。

II Die Frau aus der DDR

“DDRから来た女”。『LaLa』1980年6月号掲載。

あらすじ
エーベルバッハ少佐の下にデュッセルドルフの軍需産業「ハイデマン鉄鋼」の中堅技術者から1本のボルトが速達で郵送されてくる。その技術者は少佐がボルトを手にする直前に事故死し、ポケットには「エーベルバッハ少佐」と書かれた紙が入っていた。
死んだ技術者は夫婦で東ドイツからの亡命者であった。

III Panzer March

“戦車行進曲”。『LaLa』1981年7月号掲載。

あらすじ
BNDのハルトマンからエーベルバッハ少佐に個人的に依頼が持ち込まれる。依頼の内容はBND内部に潜む二重スパイの調査であった。

IV Das Fräulein, die Z liebte

“Zが愛した女”。『LaLa』1982年10月号掲載。

あらすじ
ノルウェーで諜報任務中だったマイヤーが死体となって発見された。Zはマイヤーと同じ、低地ドイツ語を話すハノーファー出身ということで、マイヤーの弟を騙って、死体の受け取りとマイヤーが調査中だった情報を確認するためにノルウェーへと派遣される。
Zはノルウェーでマイヤーが恋人として、その実は情報を引き出すための道具として付き合っていたアネリーゼと出会う。

V BLACK-OUT

“ブラックアウト”。『LaLa』1983年9月号掲載。

あらすじ
ジャギュアの改造機ジャギュアCCV-IIに関する軍事機密がMfSの手に渡った虞が出て来た。
在ドイツイギリス空軍基地駐在のDISにZは単独で派遣され、非協力的なDISや東側の諜報部員を相手に調査を行う。

VI Das Rapsfeld

“セイヨウアブラナ”。『月刊MELODY』(白泉社)1999年8月号、9月号掲載

あらすじ

Zの幸運

『LaLa』1984年10月号掲載。

あらすじ
Z以外の部下Aから部下Yがそろってアラスカ送りになっていた時期の話。しかも少佐までがデスクワークになっていた。
遅刻するわ、財布を落として昼食が抜きになるわ、その財布を少佐に拾われるわ、その度に少佐に怒鳴りつけられるわで散々な一日を過ごしたZだったが、ようやく新任務が決まり、少佐の奢りで夕食にありつけた事で全てが報われる。

暗号名は「ほんのジョーダン」

『別冊ララ』1984年冬の号掲載

エッセイ漫画。

書誌情報

  • 『Z -ツェット-』 - 1981年、花とゆめコミックス白泉社
    「I」「II」「III」を収録。
  • 『Z -ツェット- 2』 - 1985年、花とゆめコミックス(白泉社)、ISBN 4-592-11733-6
    「IV」「V」「Zの幸運」「暗号名は「ほんのジョーダン」」を収録。
  • 『Z -ツェット-』 - 1987年、プリンセスコミックス エクセレント秋田書店)、ISBN 4-253-14001-7
    「I」「II」「III」「IV」「V」「Zの幸運」を収録。解説は和田慎二
    「IV」に大幅な加筆がされている。
  • 『Z -ツェット-』 - 1995年、白泉社文庫(白泉社)、ISBN 4-592-88322-5
    「I」「II」「III」「IV」「V」「Zの幸運」を収録。藤本由香里が解説「Z -おぼつかなさの魅力」を寄稿している。
  • 『Z -ツェット-』 - 1999年、プリンセスコミックス デラックス(秋田書店)、ISBN 4-253-15371-2
    「I」「II」「III」を収録。
  • 『Z -ツェット- 2』 - 1999年、プリンセスコミックス デラックス(秋田書店)、ISBN 4-253-15372-0
    「IV」「V」「Zの幸運」を収録。
  • 『Z -ツェット- 完全版』 - 2011年、秋田書店、ISBN 978-4-253-10263-6
    「I」「II」「III」「IV」「V」「VI」「Zの幸運」「暗号名は「ほんのジョーダン」」を収録。
    この他、各話の巻頭カラーページを再現収録。雑誌掲載前の予告マンガ、巻末のインタビュー、ライナーノート、青池保子ロングインタビューを収録している。

出典


Z -ツェット-

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 07:08 UTC 版)

青池保子」の記事における「Z -ツェット-」の解説

『エロイカより愛をこめて』外伝作品エーベルバッハ少佐新米部下・Zツェット)の目を通して情報部員過酷さや哀しさを描く、中篇短編集同盟国諜報機関同士縄張り争い策謀など『エロイカ』ではあまり描かれない諜報活動暗黒面主な題材とする。冷戦下スパイ戦を描いたシリーズI~Vと、作者シリーズ総決算だという冷戦後情報部員たちを描いた最終編VIがある。これ以外に『Zの幸運』という作品がありコミックスでは『Z - ツェット - 』方に入っているが内容的には『エロイカ』の番外編で、『エロイカ本編の「No.12 笑う枢機卿」と「No.13 第七の封印」の間のエピソードである。

※この「Z -ツェット-」の解説は、「青池保子」の解説の一部です。
「Z -ツェット-」を含む「青池保子」の記事については、「青池保子」の概要を参照ください。

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