NATO標準化に関する問題とは? わかりやすく解説

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NATO標準化に関する問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 02:28 UTC 版)

EM-2」の記事における「NATO標準化に関する問題」の解説

1949年北大西洋条約に基づく北大西洋条約機構NATO)が結成された。NATOでは各加盟国軍隊における銃火器弾薬共通化1つ優先事項として掲げられ各国要求全て満たしNATO全軍採用しうる銃火器設計求められた。最初にこれに応じたのはアメリカで、彼らは7.62x51mm弾を使用する試作小銃T25およびT44を提案した1951年アバディーン性能試験場EM-2を含む各種新形小銃トライアルが行われた。この際アメリカ側イギリス銃弾威力乏しいと批判しイギリス側アメリカ製銃弾は強力過ぎてフルオート射撃制御難しいと批判したトライアルにはベルギーファブリックナショナルFN)が設計した.280弾型FN FAL登場した長らく続いた標準化に関する議論は、カナダが「アメリカ共同歩調を取る場合のみイギリスの.280弾を採用する」と宣言した事で決着したそのような事態が起こる可能性は非常に低く、この宣言によりイギリスは7.62x51mm弾を受け入れざるを得ない状況追い込まれた。ウィンストン・チャーチルNATO標準化銃の性能よりも重要と考え、既にマニー・シンウェル前国防相の元で宣言されていた.280弾とEM-2採用撤回したこの間EM-2使用弾変更した何種類かの派生型試作されている。シャンボンスでは7x49mm弾を使用するものと7.62x51mm弾を使用するもの2種類試作した。7.62x51mm弾試作型1つは後に.30-06弾仕様改造された。RSAFエンフィールドでは10丁の、BSAでは15丁の7.62x51mm弾仕様EM-2製造した。カナディアン・アーセナルでは7x51mm弾仕様のものが10製造された。 結局EM-2を7.62x51mm弾に適応させることは不可能と判断され最後に残った現実的な選択肢ライセンス生産型FAL、すなわちL1A1自動小銃採用であったFALまた、.280弾仕様から再設計された小銃であったものの、銃のサイズ自体大きく重量があったため、より長く強力な7.62x51mm弾にも比較簡単に適応していた。チャーチルイギリス連邦各国始めとするNATO諸国、そして、アメリカ陸軍FN FAL採用する事を期待していた。しかし、アメリカでは試作小銃T44の採用決定し、これにM14という制式名称与えたのであるその後実戦の中でイギリス中間威力弾に対す立場正しさ立証された。あまりに強力な7.62x51mm弾はフルオート射撃不向きで、結局はより小口径の弾薬求められるようになったのである1960年代半ばアメリカ軍アーマライト社のAR-15をM16として採用した。これは、5.56x45mm弾を使用する小型自動小銃で、十数年前採用されたM14を更新していった。その数年後にはNATO各国NATO標準弾をフルオート射撃やより小型火器適した小口銃弾更新する事で合意し最終的に5.56x45mm弾が新たなNATO標準弾に採用された。なお、この決定直前イギリス軍では別の中間威力弾の開発着手していた。1970年頃、採用見送り後も保管されていたEM-2のうち2丁が試作型中間威力弾である6.25x43mm弾仕様改造された。しかし、より小口径の4.85mm弾が試作されるとL64/65(英語版小銃新たに設計されたため、EM-2復活はごく短期間終わった。なお、L64/64小銃は、現在イギリス採用されているSA80シリーズ直接的な原型である。ブルパップレイアウトによる外見上の類似にも関わらずSA80シリーズ構造EM-2大きく異なり、むしろ実質的にSA80AR-18あるいはSAR-87(英語版)のブルパップ改良型見なされる。ただし、EM-2開発時の歩兵個人装備Infantry Personal Weaponに関するアイデアSA80にも反映されている。

※この「NATO標準化に関する問題」の解説は、「EM-2」の解説の一部です。
「NATO標準化に関する問題」を含む「EM-2」の記事については、「EM-2」の概要を参照ください。

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