内部統制
【読み方】:ナイブトウセイ
基本的に、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守並びに資産の保全の4つの目的が達成されているとの合理的な保証を得るために、業務に組み込まれ、組織内のすべての者によって遂行されるプロセスをいい、統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング(監視活動)及びIT(情報技術)への対応の6つの基本的要素から構成される。(金融庁企業会計審議会内部統制部会 定義)
上場企業等においては、金融商品取引法24条の4の4に基づき、財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要なものとして、事業年度ごとに公認会計士または監査法人の監査証明を受けた内部統制報告書を内閣総理大臣に提出することが義務付けられている。
内部統制
【英】Internal Control
内部統制とは、企業が業務を行う上で、その有効性や効率性を確保した上で、投資家の信頼を得られるように財務報告を実施し、法令に準拠していくための体制や仕組み、プロセスのことである。
内部統制は、米国では1980年代に粉飾決算や不正経理により企業の経営破たんが相次いだため、その必要性が注目されるようになった。2002年には、監査人の独立性、会社の責任、財務ディスクロージャーの強化、ホワイトカラー犯罪に対する罰則強化などを規定したサーペンス・オクスリー法(SOX法)が制定され、企業は内部統制を整備することで、健全な経営を行うことが義務化された。
日本においても、2007年9月に、内部統制の整備や内部統制報告書の提出を義務付けた金融商品取引法が、2007年9月に施行されたことで、対象となる上場会社をはじめとして多くの企業が内部統制に取り組むようになった。この法律が、いわゆる日本版SOX法と呼ばれている。
内部統制は、あらゆる分野のビジネスにおいて、企業経営の健全化のために適用されているものであるが、今日のビジネスにはITや情報システムが必要不可欠となっていることから、どの企業でもIT部門の内部統制は取り組むべき重要なテーマのひとつとなっている。
米国のトレッドウェイ委員会組織委員会(COSO)が1992年に公表した「COSOフレームワーク」は内部統制の基本的な枠組みであるが、それには「業務の有効性および効率性」「財務報告の信頼性」「法令順守」という3つの目的と、「統制環境」「リスクの評価」「統制活動」「情報と伝達」「監視活動」の5つ構成要素を定めている。しかし、金融庁企業会計審議会がCOSOフレームワークを基に2007年にまとめた「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」では、その後の社会やビジネスへのITが浸透が著しいことから、さらに「ITへの対応」を加え、6つの構成要素としている。
内部統制においては、IT戦略や開発、変更、運用・保守、アクセス管理、およびそれらを支える組織・制度・ITインフラなどの統制を行うとともに、ITシステムによる業務処理において「入力情報の完全性・正確性・正当性などの確保」「例外処理(エラー)の修正と再処理の機能の確保」「マスターデータの正確性の確保」「システム利用に際しての適切なアクセス管理」などが求められている。
内部統制【Internal Control】
内部統制がにわかに注目されるようになったのは、先に挙げた「日本版SOX法」の制定による。企業会計審議会の内部統制部会によれば、内部統制とは、以下の4つの目的達成のために、企業内のすべての者によって遂行されるプロセスである、と定義されている。4つの目的とは、(1)業務の有効性・効率性、(2)財務報告の信頼性、(3)法令遵守、(4)資産の保全、である。そして、内部統制は以下の6つの基本的要素から構成される。(1)統制環境、(2)リスクの評価と対応、(3)統制活動、(4)情報と伝達、(5)モニタリング、(6)ITへの対応。
日本版SOX法では、上場企業の「内部統制報告書」と経営陣の「確認書」の開示が求められている。このため、日本の多くの企業で、内部統制が確実に実施されている旨の情報開示に対応する準備活動が急務になっている。
内部統制
(Internal Control から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/01 05:33 UTC 版)
内部統制(ないぶとうせい、英: internal control)とは、組織の業務の適正を確保するための体制を構築していくシステム(制度)を指す。すなわち、組織がその目的を有効・効率的かつ適正に達成するために、その組織の内部において適用されるルールや業務プロセスを整備し運用すること、ないしその結果確立されたシステムをいう。コーポレート・ガバナンスの要とも言え、近年その構築と運用が重要視されている。内部監査と密接な関わりがあるので、内部監督と訳されることもあるが、内部統制が一般的な呼び名となっている。
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