関西ノワール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 07:28 UTC 版)
「CUFFS 〜傷だらけの地図〜」の記事における「関西ノワール」の解説
堀田速人が主に西日本の不良を集めて組織した戦闘集団。個々がそれぞれ違う目的で集まったため、仲間意識は基本的に薄く組織内では各々が自由に活動している。堀田曰く「ノワールにリーダーはいない。俺はこの組織には民主制を敷いている」。「マフィア(BCM)を共に潰そう」と憂作に話を持ちかけるが、実は憂作を利用してBCMからパープルヘイズの購入者リストを奪い、コカインを売りさばくことや、BCMを倒して名を挙げること、そして全国から集まった2,000人の不良たちに達川町を襲撃させる男死利祭(だんじりまつり)の主催が目的だった。 西日本の実力者揃い、ということだが、主力の財前が憂作に何度も倒されたり(この時点で憂作は轟に手も足も出ない状態で、特にマッハ力丸との戦いの直後の2度目の対決では半殺しにされかけている)、デパートでの戦いでも秀人に手玉に取られて危うく全員逮捕されかけたりと、噛ませ犬扱いを拭えないところがある。男死利祭では、メンバーの大半が憂作のかつてのライバルたちにあっさりと蹴散らされた。 堀田が関西ノワールを結成した本当の目的は、不良のせいで薬物中毒になり死んでしまった妹の仇を打つべく、「男死利祭を主催し不良のイメージを悪化させ、少年法の改法によって全国の不良を根絶させる」であったことが和泉治孝、嘉門寮との会話で明らかになる。また、その会話では堀田は「男死利祭の終了後、警察に自首するつもりだ」とも打ち明けている。「クラックおばさんのバタークッキー」(通称クラッキー)というコカイン入りクッキーを売りさばいたり、イナーキとの盟友関係を自称し憂作に近づき騙したり、BCMとデパートで警察が出動する派手な乱闘を繰り広げたり(もっとも警察に通報したのは秀人であるが)、男死利祭に参加する為の旅客船を乗っ取ったりと、少年法改法の為に不良のイメージを徹底的に悪くしようとしていた。しかし憂作からは「お前がこんな真似をしたって少年法なんて変わりはしない、こんな騒ぎ一週間も経てば世間はすぐに忘れる」と一蹴され、事実マスコミが男死利祭を「不良達の48時間」と特集報道したのは最初だけで、2、3日で誰もが話題にもしなくなった。 財前克己 関西ノワールの主力でスキンヘッドで筋骨隆々の大男。あだ名は「岸和田のライオン」。ノワールきってのパワー・ファイターであると同時に、轟同様プロレス技を得意とし、轟との初対決ではラリアットで轟をダウンさせダメージを負わせている。デパートでの2度目の対決でも轟の脇固めをペンデュラム・バックブリーカーで切り返し、ツームストーン・パイルドライバーをヘッドシザース・ホイップで返したりと、テクニックの面でもかなりの実力を見せる(もっともこのときのBCMの目的はノワールを警察に逮捕させることであり、轟は手加減していた)。右膝の古傷が弱点で、デパートでの乱闘では憂作に冷凍カツオで膝に一撃を食らい、その後走るのも困難になったほど。 喧嘩に酔う性格で、一度酔うとダメージを受けても痛みを全く感じなくなる。そのため、奇抜な戦い方やテクニックで自分を敗った憂作に惚れ込み(不良としての強さにとも、ホモセクシャル的な意味合いとも取れる)、自分と同じパワー・ファイターである轟を「見せ掛けだけ、ファイターの筋肉ちゃうやろ」と侮っていたが、男死利祭では大怪我が完治していない轟に完敗を喫した。 和泉治孝 関西ノワールのNo.2で、堀田の参謀的存在。細目のオールバックの男で、あだ名は「砂漠の狐」。鳥取出身。堀田曰く「ヌンチャク、トンファーなど両手で扱う武器での戦いに長け、中でもサイは相当な腕前」だそうで、実際作中では十手のような小型の特殊警棒を両手に持ち、サイのように使って戦っていた。堀田からノワールの結成と男死利祭の本当の目的を聞かされていた唯一の人物でもある。その上で堀田と共に新しい世の中を期待して戦おうとするが、櫛渕高の洞口の前に敗れた。 嘉門寮 蛇拳の使い手で、あだ名は「レッドスネーク・カモン」。長崎出身。男死利祭の開始後に堀田と和泉から男死利祭の本当の目的を聞かされ、その意思を汲んで立江商のO次郎と戦うが、激闘のすえ腕を折られ、相討ちに持ち込むものの、そのままリタイアした。 トーラス・C・桜井 アフロで長身のキックボクサー。黒人と日本人のハーフらしい。あだ名は「黒猫トーラス」。広島出身。ウォールアートが得意でその壁画は地元では「ラス公の壁画」と呼ばれ、愛好家も多いという。男死利祭で塩沢力丸に「モジャモジャ」となじられ激昂するがあえなく敗れる。 真菜加奈 ノワールの紅一点で、あだ名は「女サソリ」。京都出身。ロープの端にナイフをつけた縄鏢(ジョウヒョウ)という武器を手足のように操り、その腕は20人の警官を一瞬で倒すほど。また、三つ編みにした髪の先にもにナイフを仕込んでおり、「女サソリ」の異名はここから来ている。会話の中に当時のCMのフレーズを多用することも特徴。おだてにのりやすく、デパート内での戦いではその性格を利用したヒデの策に乗せられて敗北した。 男死利祭では琴子との女同士の対決の末、あだ名の通り蠍のごとく踏み潰されて敗北。 岡山翼 顔に蜘蛛をモチーフにしたメイクを施した謎の男。苗字は岡山だが、出身は福岡。天井や高所から吊るした強力なゴム紐で常に自らを吊っており、それを用いた神出鬼没でトリッキーな攻撃を得意とする。 鉄塔やビルなども命綱なしで登れるほどの筋力と度胸を持ち、顔のメイクや衣服についている模様は蜘蛛をあしらっているが、あだ名は何故か「バットマン」。 このあだ名の由来は、よく歩道橋や街路樹にぶら下がっているところから付けられたとのことだが、「流行に流されて安易にあだ名を付けるのはかっこ悪い」という彼自身のポリシーによるものでもあるらしい。男死利祭では、憂作を援護するために船内に入ろうとしたミンを船上から急襲するも、結局相打ちとなる。 宇崎 自分をウサギと思い込みウサギの着ぐるみを着用する。サングラスをかけているがよく見るとマユ毛がない。着ぐるみ姿で常に無口、無表情で不気味な印象を与えるが、ノワール内や一般人には可愛く見えるらしく、本気か冗談か堀田は「かわいいから仲間にした」とのこと。自分をウサギだと思い込んでいるだけに、敏捷性や跳躍力に優れており、着ぐるみの手に付けた鋭い爪を武器にしている。 男死利祭ではレニーとの長い拮抗状態(といってもお互い構えもせずに凝視し合ったまま)の末に、お互いの最初の一撃で相打ちになるが、後に男死利祭の参加者を逮捕しにきた達川警察の警察署長を2人がかりの飛び蹴りでKOした。 鈴木禅功 柔道、拳法、空手、合気道などを組み合わせた合道空手の使い手であり、7つの支部と200名近い門下生を持つ。また『今一番抱かれたい男』として地方誌の表紙を飾ることもあり、自らもそのイケメンぶりに自信を持っている。正義を旨とする佐藤と行動をともにし、荊棘木が子供を助けるために暴走トラックにタックルした話に「いい奴だよな」と佐藤と一緒に感心するなど一概に悪とも言えない性質である。あだ名はパパ・イヤ鈴木。無類の女好きであり、彼の寝技を知った主婦が夫婦生活を破綻させてしまうことからつけられた。ただしその人気は地元徳島に限定され、ノワール参加の動機も売名行為である。 達川町で佐藤とともに憂作と戦うが終始、憂作に圧倒される(本人曰く捕らえるために手加減していた)。男死利祭では、宇田川と対戦。実力的には鈴木が上回っていたが、長瀬の言葉で発奮した宇田川のトリッキーな蹴り技に虚を突かれ敗北。 佐藤準情 礼節を重んじる剣道の達人で、あだ名は“はぐれ剣士準情派”。中に真剣を仕込んだ竹刀が武器。剣術家の家に生まれるが、鈴木同様型にはまった武術を嫌って実家を飛び出し、現在は橋の下に建てた掘っ立て小屋に住みながら鍛錬の日々を送っている。 登場当初は鈴木と行動を共にし、憂作やBCMの残党を襲撃している。その際、BCMの残党からは「(金も名声も)どっちもなさそう」と侮辱を受けるが、地元高知では鍛錬の一環として、時々街に現れては悪人を成敗しているところから、住民には警察よりも信頼されているらしい。 男死利祭ではマリリンと対戦するが、力及ばずに敗北を認める。その際に介錯を頼むも、サディストであるマリリンに「もっと泣き叫ばなきゃ面白くない」と散々にいたぶられた。 田中K太郎 チビで短足ながらも蹴り技を得意とする愛媛出身の男。「キッカー・T」のあだ名を持つテコンドーの使い手で、地元ではサッカー選手としても有名だったが、試合中に相手のキーパーをボールと間違えて蹴ってしまい、重傷を負わせて退部となる。渡辺と行動を共にすることが多い。 男死利祭ではあゆむ、かすみの2人を相手に戦い、あゆむから髪型(当時、デビッド・ベッカムですら既に止めていたソフトモヒカン)を「ニワトリ」とバカにされて激昂。2人を窮地に追い込むも、途中で加勢した力丸に一撃で倒される。 渡辺一茶 香川出身で、「讃岐の一本うどん」の異名を持つ柔道の使い手。その実力は全国大会で優勝するほどだが、素行の悪さから退学となる。あだ名の由来は、相手を一度掴んだら全身の骨がバラバラに砕けるまで、手打ちうどんの如く打ち続けるところから来ている。田中とは悪態をつきつつも行動を共にする事が多い。 男死利祭では共通した特徴(メガネ、デブ)を持つ麟太郎と対戦。お互いを「肉襦袢」「肉饅頭」と罵り合いつつ、麟太郎の連戦の疲労もあってか、ある程度善戦するが最後は圧倒的な実力差で派手に吹っ飛ばされて敗れた。
※この「関西ノワール」の解説は、「CUFFS 〜傷だらけの地図〜」の解説の一部です。
「関西ノワール」を含む「CUFFS 〜傷だらけの地図〜」の記事については、「CUFFS 〜傷だらけの地図〜」の概要を参照ください。
- 関西ノワールのページへのリンク