金原ひとみとは? わかりやすく解説

かねはら‐ひとみ【金原ひとみ】

読み方:かねはらひとみ

1983〜 ]小説家東京生まれ。父は翻訳家金原瑞人(みずひと)。小学中学高校不登校続けるが、早くから小説書き始める。「蛇にピアス」でデビュー芥川賞受賞


金原ひとみ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/06 15:46 UTC 版)

金原 ひとみ
(かねはら ひとみ)
誕生 (1983-08-08) 1983年8月8日(41歳)
東京都
職業 小説家
言語 日本語
国籍 日本
最終学歴 文化学院高等課程中退
活動期間 2003年 -
ジャンル 小説
代表作 蛇にピアス』(2003年)
『アタラクシア』(2019年)
『アンソーシャル ディスタンス』(2021年)
『ミーツ・ザ・ワールド』(2022年)
主な受賞歴 すばる文学賞(2003年)
芥川龍之介賞(2004年)
織田作之助賞(2010年)
ドゥマゴ文学賞(2012年)
渡辺淳一文学賞(2020年)
谷崎潤一郎賞(2021年)
柴田錬三郎賞 (2022年)
デビュー作 蛇にピアス』(2003年)
配偶者 なし(2005年 - 2024年離婚)
子供 娘2人
親族 金原瑞人(父)
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金原 ひとみ(かねはら ひとみ、1983年8月8日 - )は、日本小説家[1]

経歴

東京都出身。文化学院高等課程中退。小学校4年生のとき不登校になり、中学、高校にはほとんど通っていない。小学6年のとき、父親の留学に伴い、1年間サンフランシスコに暮らす。

小説を書き始めたのは12歳の時。15歳のころリストカットを繰り返す[2]。中学3年生の時、父が法政大学で開いていたゼミに、「めいっ子の高校生」として参加。19歳の時、周囲の勧めを受けてすばる文学賞に応募した。2003年、「蛇にピアス」で第27回すばる文学賞を受賞[3]

2004年、同作で第130回芥川賞綿矢りさと共に受賞[4]

2005年集英社の担当編集者と結婚。

2007年、アニメ映画『カフカ 田舎医者』で映画初出演。第1子(長女)を出産[5][6]

2010年、「夏旅」で川端康成文学賞最終候補[7]。『トリップ・トラップ』で第27回織田作之助賞を受賞[8]

2011年、東日本大震災に伴って発生した原発事故による放射能汚染を心配して、東京から父親の実家がある岡山に移住し次女を出産[9]。その後フランスへ移り住む[10]

2012年4月11日、NHKのトーク番組『スタジオパークからこんにちは』にゲスト出演。生放送への出演は自身初。

2012年、『マザーズ』で第22回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞(選考委員:髙樹のぶ子[10]

2018年、帰国。

2020年、『アタラクシア』で第5回渡辺淳一文学賞を受賞[11]

2021年、『アンソーシャル ディスタンス』で第57回谷崎潤一郎賞を受賞[12][13]

2022年、『ミーツ・ザ・ワールド』で第35回柴田錬三郎賞を受賞[14]

2024年、離婚したことを公表した[15]

家族・親族

父は児童文学研究家・翻訳家法政大学社会学部教授の金原瑞人[16]

母方の祖父母はともに千葉県大多喜町歌人であり、祖父の短歌国語教科書に掲載されたことがある[17]

作品一覧

単行本

小説

  • 蛇にピアス』(2004年1月、集英社 / 2006年6月、集英社文庫
  • アッシュベイビー』(2004年4月、集英社 / 2007年5月、集英社文庫)
    • 初出:『すばる』2004年3月号
  • 『AMEBIC アミービック』(2005年7月、集英社 / 2008年1月、集英社文庫)
    • 初出:『すばる』2005年7月号
  • 『オートフィクション』(2006年7月、集英社 / 2009年7月、集英社文庫)
  • 『ハイドラ』(2007年4月、新潮社 / 2010年2月、新潮文庫
    • 初出:『新潮』2007年1月号
  • 『星へ落ちる』(2007年12月、集英社 / 2011年9月、集英社文庫)
    • 星へ落ちる(『すばる』2007年2月号)
    • 僕のスープ(「RENZABURO」2007年10月配信)
    • サンドストーム(『マリ・クレール』2007年2月号掲載「手首」を改題)
    • 左の夢(『すばる』2007年11月号)
    • 虫(書き下ろし)
  • 『憂鬱たち』(2009年9月、文藝春秋 / 2012年6月、文春文庫
    • デリラ(『群像』2006年10月号)
    • ミンク(『文學界』2007年1月号)
    • デンマ(『文學界』2008年1月号)
    • マンボ(「SWEET BLACK STORY」2009年1月配信)
    • ピアス(『文學界』2009年1月号)
    • ゼイリ(『野性時代』2009年5月号)
    • ジビカ(『文學界』2009年7月号)
  • 『TRIP TRAP トリップ・トラップ』(2009年12月、角川書店 / 2013年1月、角川文庫
  • 『マザーズ』(2011年7月、新潮社 / 2013年12月、新潮文庫)
  • 『マリアージュ・マリアージュ』(2012年11月、新潮社 / 2015年10月、新潮文庫)
  • 『持たざる者』(2015年4月、集英社 / 2018年5月、集英社文庫)
    • 初出:『すばる』2015年1月号
  • 『軽薄』(2016年2月、新潮社 / 2018年8月、新潮文庫)
    • 初出:『新潮』2015年7月号
  • 『クラウドガール』(2017年1月、朝日新聞出版 / 2020年2月、朝日文庫
  • 『アタラクシア』(2019年5月、集英社 / 2022年5月、集英社文庫)
    • 初出:『すばる』2018年10月号 - 2019年1月号
  • 『fishy』(2020年9月、朝日新聞出版 / 2023年1月、朝日文庫)
  • 『アンソーシャル ディスタンス』(2021年5月、新潮社 / 2024年1月、新潮文庫)
  • 『ミーツ・ザ・ワールド』(2022年1月、集英社 / 2025年1月、集英社文庫)
  • 『デクリネゾン』(2022年8月、ホーム社)
    • 初出:「HB」2020年2月 - 2021年11月
  • 『腹を空かせた勇者ども』(2023年6月、河出書房新社
  • 『ハジケテマザレ』(2023年10月、講談社
  • 『ナチュラルボーンチキン』(2024年10月、河出書房新社)
  • 『YABUNONAKA―ヤブノナカ―』(2025年4月、文藝春秋)
    • 初出:『文學界』2022年9月号 - 2023年9月号、2023年12月号 - 2024年7月号
  • 『マザーアウトロウ』(2025年7月、U-NEXT

エッセイ集

  • 『パリの砂漠、東京の蜃気楼』(2020年4月、ホーム社 / 2023年4月、集英社文庫)

アンソロジー収録

  • 「#コロナウ」(小説トリッパー編集部編『25の短編種小説』2020年9月、朝日文庫)

漫画化作品

映画化作品

出典

  1. ^ 金原ひとみ、桜庭一樹 作家が書き留めるコロナ禍”. 日本経済新聞 (2021年5月21日). 2021年5月31日閲覧。
  2. ^ 金原ひとみの不登校からの立ち上がり 文教大学人間科学部太田ゼミ
  3. ^ 2003年度 受賞作発表”. 集英社 出版四賞. 2025年5月19日閲覧。
  4. ^ 金原ひとみ/綿矢りさ 第130回芥川賞受賞者 | 時事用語事典”. 情報・知識&オピニオン imidas. 2025年5月18日閲覧。
  5. ^ 金原ひとみさん 来豪インタビュー”. 25today (2009年10月9日). 2009年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月2日閲覧。
  6. ^ 日本経済新聞、2010年11月23日
  7. ^ 第36回 川端康成文学賞 候補作品”. 新潮社コーポレートサイト. 新潮社. 2025年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月19日閲覧。
  8. ^ “織田作之助賞に金原ひとみさん”. MSN産経ニュース. (2010年12月13日). オリジナルの2011年2月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110216000048/http://sankei.jp.msn.com/life/news/110113/art11011306210020-n1.htm 2020年4月2日閲覧。 
  9. ^ 坂根真理「金原ひとみさん:放射線心配、子どものため東京から岡山へ」『毎日jp』毎日新聞、2011年10月16日。オリジナルの2011年10月17日時点におけるアーカイブ。2025年5月19日閲覧。
  10. ^ a b 受賞作品”. Bunkamuraドゥマゴ文学賞. Bunkamura. 2020年4月2日閲覧。
  11. ^ 金原ひとみ『アタラクシア』、渡辺淳一文学賞を受賞”. Real Sound (2020年4月4日). 2025年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月19日閲覧。
  12. ^ 金原ひとみ『アンソーシャル ディスタンス』が第57回谷崎潤一郎賞を受賞!”. 時事ドットコム (2021年8月23日). 2021年8月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月6日閲覧。
  13. ^ 谷崎潤一郎賞に金原ひとみさん「アンソーシャル ディスタンス」…「コロナ禍に真正面から向き合っている」”. 読売新聞 (2021年8月23日). 2025年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月19日閲覧。
  14. ^ 第35回柴田錬三郎賞が青山文平さん『底惚れ』、金原ひとみさんの『ミーツ・ザ・ワールド』に決定!”. 集英社 文芸ステーション (2022年10月4日). 2025年5月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月19日閲覧。
  15. ^ 「蛇にピアス」作者・金原ひとみさん 離婚を公表「目の前がパーっと開けたみたいな…視界が凄いクリア」”. SponichiAnnex. スポーツニッポン新聞社 (2024年12月9日). 2025年1月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月19日閲覧。
  16. ^ 金原瑞人|「翻訳家」は面白い本を見つけて、その魅力を伝えるプロでもある|仕事|Aktio Note-アクティオノート〜創造する人のためのノート〜”. Aktio Note-アクティオノート〜創造する人のためのノート〜. 2024年12月9日閲覧。
  17. ^ 大多喜町議会 2020-03-01令和2年第1回議会定例会3月会議”. 2021年4月10日閲覧。

関連項目

  • 島本理生
  • 山田詠美
  • 綿矢りさ - 芥川賞の同時受賞者。同学年だが半年ほど後に生まれている(1984年2月1日生まれ)ため、綿矢が芥川賞受賞者として最年少となる。このため、金原は芥川賞の最年少受賞者になったことはない。



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