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かしまだ‐まき【鹿島田真希】

読み方:かしまだまき

[1976〜 ]小説家東京生まれ大学在学中に「二匹」で文芸賞受賞してデビュー。「冥土めぐり」で芥川賞受賞。他に「六〇〇〇度の愛」「女の庭」など。


鹿島田真希

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/25 03:15 UTC 版)

鹿島田 真希
(かしまだ まき)
誕生 (1976-10-26) 1976年10月26日(47歳)
職業 小説家
言語 日本語
国籍 日本
教育 学士文学
最終学歴 白百合女子大学仏文科
活動期間 1998年 -
ジャンル 小説
代表作 『六〇〇〇度の愛』(2005年)
『冥土めぐり』(2012年)
主な受賞歴 文藝賞(1998年)
三島由紀夫賞(2005年)
野間文芸新人賞(2007年)
芥川龍之介賞(2012年)
デビュー作 「二匹」(1998年)
配偶者 あり
ウィキポータル 文学
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鹿島田 真希(かしまだ まき、1976年10月26日 - )は日本小説家東京都出身。特にフランス文学の影響を受けた前衛的な作品を執筆している。

経歴

高校時代にドストエフスキーなどのロシア文学に傾倒。作品世界への興味から教会に通うようになり、17歳のときに日本ハリストス正教会で受洗し正教会信徒となる[1]白百合女子大学文学部ではフランス文学科に進みプルーストなどを読む。卒論はジュリア・クリステヴァ。大学在学中の1998年、友人の勧めで応募した「二匹」で第35回文藝賞を受賞しデビュー。2003年に日本正教会の聖職者(結婚当時伝教師、結婚後に輔祭)の男性と結婚。その後、再婚している。

2004年、『白バラ四姉妹殺人事件』で第17回三島由紀夫賞候補、2005年『六〇〇〇度の愛』で三島由紀夫賞受賞。受賞作はマルグリット・デュラス『ヒロシマ、私の恋人』を下敷きに、長崎の原爆を主題としたものであった。2006年「ナンバーワン・コンストラクション」で第135回芥川賞候補。2007年『ピカルディーの三度』で野間文芸新人賞受賞。2009年「女の庭」で第140回芥川賞候補、「ゼロの王国」で第5回絲山賞を受賞。2010年『その暁のぬるさ』で第143回芥川賞候補。2012年『冥土めぐり』で第147回芥川賞受賞。笙野頼子以来の純文学新人賞三冠作家となった。

著書

単行本

  • 『二匹』(1999年1月、河出書房新社 / 2005年12月、河出文庫
    • 初出:『文藝』1998年冬季号
  • 『レギオンの花嫁』(2000年3月、河出書房新社)
    • 初出:『文藝』1999年冬季号
  • 『一人の哀しみは世界の終わりに匹敵する』(2003年5月、河出書房新社 / 2012年10月、河出文庫)
    • 天・地・チョコレート(『文藝』2001年秋季号)
    • 聖メリーゴーラウンド(『文藝』2001年冬季号)
    • この世の果てでのキャンプ(『文藝』2002年春季号「ほら吹きの逆立ち」を改題)
    • エデンの娼婦(『文藝』2002年夏季号「混血姫」を改題)
    • 一人の哀しみは世界の終わりに匹敵する(『文藝』2003年夏季号)
    • レギオンの花嫁(『文藝』1999年冬季号)文庫版のみ収録
  • 『白バラ四姉妹殺人事件』(2004年8月、新潮社
    • 初出:『新潮』2004年3月号
  • 『六〇〇〇度の愛』(2005年6月、新潮社 / 2009年9月、新潮社
    • 初出:『新潮』2005年2月号
  • 『ナンバーワン・コンストラクション』(2006年7月、新潮社)
    • 初出:『新潮』2006年1月号
  • 『ピカルディーの三度』(2007年8月、講談社
    • 美しい人(『早稲田文学』0、2007年5月)
    • ピカルディーの三度(『群像』2007年3月号)
    • 俗悪なホテル(『早稲田文学』2005年5月号)
    • 万華鏡スケッチ(『en-taxi』2004年春季号)
    • 女小説家(『群像』2005年5月号)
  • 『女の庭』(2009年1月、河出書房新社)
    • 女の庭(『文藝』2008年秋季号)
    • 嫁入り前(『文藝』2006年夏季号)
  • 『ゼロの王国』(2009年4月、講談社 / 2012年6月、講談社文庫【上・下】)
    • 初出:『群像』2008年1月号 - 2009年1月号
  • 『黄金の猿』(2009年7月、文藝春秋 / 2012年、文春文庫
    • もう出ていこう[2](『WB』Vol.13、2008年夏)文庫版、電子版未収録
    • ブルーノート(『早稲田文学』2、2008年12月)
    • 「黄金の猿」三部作
      • ハネムーン(『新潮』2006年3月号)
      • 緑色のホテル(『新潮』2008年11月号)
      • 二人の庭園(『文學界』2008年11月号)
  • 『来たれ、野球部』(2011年9月、講談社 / 2014年3月、講談社文庫)
    • 初出:『群像』2008年8月号・9月号
  • 『その暁のぬるさ』(2012年8月、集英社)
    • その暁のぬるさ(『すばる』2010年4月号)
    • 酔いどれ四季(『すばる』2008年12月号)
  • 『冥土めぐり』(2012年7月、河出書房新社 / 2015年1月、河出文庫)
    • 冥土めぐり(『文藝』2012年春季号)
    • 99の接吻(『文藝』2009年夏季号)
  • 『ハルモニア』(2013年9月、新潮社)
    • ハルモニア(『新潮』2012年10月号)
    • 砂糖菓子哀歌(『新潮』2013年5月号)
  • 『少女のための秘密の聖書』(2014年12月、新潮社)
    • 初出:『』2012年10月号 - 2014年3月号
  • 『選ばれし壊れ屋たち』(2016年6月、文藝春秋)
    • 不死身の偽教祖(『オール讀物』2014年7月号)
    • ぶれないツバサ(『オール讀物』2014年10月号)
    • クマちゃんの審美眼(『オール讀物』2015年1月号)
    • ダイヤモンドダストの原石(『オール讀物』2015年4月号)
    • 選ばれし壊れ屋たち(『オール讀物』2015年7月号)
    • 正論と混乱(『オール讀物』2015年10月号)
  • 『少年聖女』(2016年8月、河出書房新社)
    • 初出:『文藝』2016年夏季号

アンソロジー収録

  • 女小説家 - 『文学2006』(2006年4月、講談社)
    • 初出:『群像』2005年5月号
  • 波打ち際まで - 『文学2013』(2013年4月、講談社) / 『現代小説クロニクル 2010–2014』(2015年12月、講談社文芸文庫
    • 初出:『文藝』2012年冬季号
  • ガーデン・ノート - 『文学2015』(2015年4月、講談社)
    • 初出:『文學界』2014年3月号
  • キョンちゃん - 『どうぶつたちの贈り物』(2016年2月、PHP研究所 / 【改題】『世にもふしぎな動物園』2018年11月、PHP文芸文庫

単行本未収録作品

  • 強くなりたい(『小説新潮』2006年5月号)
  • 月が見ている(『小説新潮』2007年3月号)
  • 女小説家の一日(『新潮』2007年8月号)
  • ふれないで(『小説新潮』2007年11月号)
  • 川でうたう子ども(『文學界』2008年1月号)
  • 冷たい月だった(『小説新潮』2008年10月号)
  • パーティーでシシカバブ(『文學界』2009年2月号)
  • エスパーニャの神(『思想地図 vol.4』2009年11月) - 「戦国BASARA」にキリスト教を混ぜたボーイズラブ同人的なパロディ作品。
  • 湖面の女たち(『新潮』2009年8月号)
  • 第三の愛(『群像』2009年9月号)
  • まあめいど(『文學界』2009年12月号)
  • 金の櫛(『新潮』2012年4月号)
  • 百円の啓示(『すばる』2013年4月号)
  • 返事(『すばる』2014年1月号)
  • 死体と乙女(『群像』2016年3月号)

脚注

  1. ^ ドストエフスキーと正教会の関係は極めて濃密である。なお鹿島田を「ロシア正教徒」としている文章もあるが、「ロシア正教会」は組織名であり「正教会」「正教」が信仰するものの名であるため「正教徒」とするのが正しい。
  2. ^ WASEDA bungaku FreePaper vol.013_2008_summer” (PDF). 早稲田文学編集室. 2024年8月11日閲覧。

関連項目

外部リンク



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