川上未映子とは? わかりやすく解説

かわかみ‐みえこ〔かはかみ‐〕【川上未映子】

読み方:かわかみみえこ

[1976~ ]歌手・小説家。大阪の生まれ。はじめ歌手としてデビュー、のち文筆にも活動を広げる。「乳と卵(らん)」で芥川賞受賞。他に「わたくし率 イン 歯ー、または世界」「ヘブン」「すべて真夜中の恋人たち」など。


川上未映子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/30 10:41 UTC 版)

川上 未映子
(かわかみ みえこ)
生誕 (1976-08-29) 1976年8月29日(50歳)
日本の旗 日本・大阪府大阪市城東区
職業 小説家・詩人
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 日本大学通信教育部文理学部哲学専攻
活動期間 2007年 -
ジャンル 小説・詩・随筆
代表作 『乳と卵』(2008年)
『ヘヴン』(2009年)
『夏物語』(2019年)
『黄色い家』(2023年)
主な受賞歴 早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞(2007年)
芥川龍之介賞(2007年)
中原中也賞(2009年)
芸術選奨新人賞(2010年)
紫式部文学賞(2010年)
高見順賞(2013年)
谷崎潤一郎賞(2013年)
渡辺淳一文学賞(2016年)
毎日出版文化賞(2019年)
読売文学賞(2023年)
デビュー作 『わたくし率イン歯ー、または世界』(2007年)
配偶者 阿部和重(2011年 - )
子供 男児(1人)
親族 川上利明(弟)
公式サイト 川上未映子の純粋悲性批判
ウィキポータル 文学
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川上 未映子(かわかみ みえこ、女性、1976年〈昭和51年〉8月29日 - )は、日本の小説家・詩人・元歌手。大阪府大阪市城東区生まれ。血液型はB型[2]。夫は同じく小説家の阿部和重。

来歴

大阪府大阪市城東区に生まれる。大阪市立すみれ小学校、大阪市立菫中学校を経て大阪市立工芸高等学校デザイン学科に進学。高校卒業後は弟を大学に入れるため昼間は本屋でアルバイト、夜は北新地の高級クラブでホステスとして働いた[3]。

2002年、ビクターエンタテインメントより川上三枝子名義で歌手デビュー、アルバム『うちにかえろう~Free Flowers~』を発表。「未映子」と改名し音楽活動を行う。2004年にアルバム『夢みる機械』を発表。当時、プロデューサーに財津和夫がいたが、歌手として認められることはなかった[4]。

2005年に佐藤研二、坂本弘道、三木黄太からなるチェロユニット「COTUCOTU」を迎えて、「頭の中と世界の結婚」をビクターエンタテインメントより発表。

2006年11月、エッセイ『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』をヒヨコ舎より出版。自身のブログ「純粋悲性批判」(2003年8月29日夜明け前から2006年8月29日誕生日の夜まで)をまとめたもの。若島正が2006年のベストに挙げて高く評価。

2007年7月、処女作である『わたくし率 イン 歯ー、または世界』が講談社より刊行される。

2008年、『乳と卵』で第138回芥川龍之介賞受賞[5][6]。『文藝春秋』2008年3月号のインタビューでは春から聴講生として日本大学に通うと語った。

法政大学教授で文芸評論家の田中和生は2010年11月の自身のブログにおいて、『わたくし率 イン 歯ー、または世界』が津原泰水の『黄昏抜歯』のアイデアを盗用しているという津原からの指摘に対して川上が十分に対応していないという理由で、以後の自らの文芸時評の対象から川上を外すと宣言している。

2011年11月26日、第1回日本大学プレミアムカレッジとして、大垣日大高コミュニティーホールにて「あのとき言葉はどう光ったか」と題した講演を行う。

2015年11月28日と29日、福島県郡山市で開催された文学講座「ただようまなびや 文学の学校」の講師を務めた[7]。28日に川上が行った短歌のワークショップには村上春樹がゲスト参加した[8]。

2021年6月10日、東京地裁は川上に対しネット上で中傷や脅迫を行ったとして、投稿者の女性に対し慰謝料など約320万円の賠償を命じた[9]。

2022年、『ヘヴン』が英国ブッカー賞の翻訳書部門であるブッカー国際賞の候補になるが、受賞を逃す[10]。

2024年7月から芥川賞の選考委員を務める[5][6]。

人物

2006年に所属レコード会社ビクターエンターテイメントの元担当者と結婚したが[11]、2010年に離婚。

2008年10月に東京都内で行われた文芸誌〈早稲田文学〉のシンポジウムで阿部和重と知り合い、2011年10月に再婚した。阿部は2008年8月に別の配偶者と離婚しているためともに再婚である。2012年5月末に男児を出産した[12]。

弟はラグビー選手の川上利明(常翔学園高等学校・明治大学・神戸製鋼・NTTコミュニケーションズ)[13]。

日本国旗を傷つける行為を処罰化する国旗損壊罪法案に対しては、反対の意向を明らかにしている[14]。

受賞歴

作品リスト

小説

単行本

  • 『わたくし率 イン 歯ー、または世界』(2007年:講談社 / 2010年:講談社文庫)
    • わたくし率 イン 歯ー、または世界(『早稲田文学0』2007年5月30日)
    • 感じる専門家採用試験(『WB』WASEDA bungaku FreePaper vol.07_2006_11)
  • 『乳と卵』(2008年:文藝春秋 / 2010年:文春文庫)
    • 乳と卵(『文學界』2007年12月号)
    • あなたたちの恋愛は瀕死(『文學界』2008年3月号)
  • 『ヘヴン』(2009年:講談社 / 2014年:講談社文庫)
    • ヘヴン(『群像』2009年8月)
  • 『すべて真夜中の恋人たち 』(2011年:講談社 / 2014年:講談社文庫)
    • すべて真夜中の恋人たち(『群像』2011年9月号)
  • 『愛の夢とか』(2013年:講談社 / 2016年:講談社文庫)
    • アイスクリーム熱(『真夜中』2011 Early Spring)
    • 愛の夢とか(『モンキービジネス』2011 Summer)
    • いちご畑が永遠につづいてゆくのだから(『アスペクト』2007年5月号)
    • 日曜日はどこへ(『yom yom』2011年第23号)
    • 三月の毛糸(『早稲田文学』2012年4月)
    • お花畑自身(『群像』2012年4月号)
    • 十三月怪談(『新潮』2012年6月号)
  • 『あこがれ』(2015年:新潮社 / 2018年:新潮文庫)
  • 『ウィステリアと三人の女たち』(2018年:新潮社)
    • 彼女と彼女の記憶について(『MONKEY Vol.2』2014年)
    • シャンデリア(Kindle Singleとして2017年に電子配信)
    • マリーの愛の証明(『GRANTA JAPAN with 早稲田文学03』2016年)
    • ウィステリアと三人の女たち(『新潮』2017年8月号)
  • 『夏物語(英語版)』(2019年:文芸春秋 / 2021年:文春文庫)
    • 夏物語(前編『文学界』2019年3月号、後編『文学界』2019年4月号)
  • 『春のこわいもの』(2022年2月、新潮社)
    • 青かける青
    • あなたの鼻がもう少し高ければ
    • 花瓶
    • 淋しくなったら電話をかけて
    • ブルー・インク
    • 娘について
  • 『黄色い家(英語版)』(2023年:中央公論新社 / 2025年:中公文庫)
    • 黄色い家(『読売新聞』2021年~2022年連載)

単行本未収録作品

  • お母さーんと叫ばなならんの、難しい(『アスペクト』連載)
  • 素晴らしい骨格の持ち主は (『新潮』2009年7月号、太宰治生誕百周年企画「わたしの人間失格」)
  • 僕たちは、抱きあったことさえ(2014年1月1日、朝日新聞広告特集「もう一人の嵐たち」)短編小説

随筆・対談集

単行本

  • 『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』(2006年、ヒヨコ舎)のち講談社文庫 
  • 『世界クッキー』(2009年、文藝春秋)のち文庫 
  • 『六つの星星 対談集』(2010年、文藝春秋)のち文庫
  • 『夏の入り口、模様の出口』(2010年、新潮社)のち「オモロマンティック、ボム!」と改題して文庫
  • 『発光地帯』(2011年、中央公論新社)のち文庫
  • 『ぜんぶの後に残るもの』(2011年、新潮社)のち「人生が用意するもの」と合本し『すべてはあの謎にむかって』と改題し文庫化
  • 『魔法飛行』(2012年、中央公論新社)のち文庫
  • 『人生が用意するもの』(2012年、新潮社)のち「ぜんぶの後に残るもの」と合本し『すべてはあの謎にむかって』と改題し文庫化
  • 『安心毛布』(2013年、中央公論新社)のち文庫
  • 『りぼんにお願い』(2013年、マガジンハウス)
  • 『きみは赤ちゃん』(2014年、文藝春秋)のち文庫
  • 『たましいのふたりごと』(2015年、筑摩書房、穂村弘共著)
  • 『おめかしの引力』(2016年、朝日新聞出版)のち文庫
  • 『みみずくは黄昏に飛びたつ』(2017年、新潮社、村上春樹との対談)のちに新たな対談を追加して文庫化
  • 『すべてはあの謎にむかって』(2017年、新潮社)「人生が用意するもの」と「ぜんぶの後に残るもの」を合本化し改題した文庫
  • 『深く、しっかり息をして』 川上未映子エッセイ集 2023年、マガジンハウス

単行本未収録随筆

アンソロジー

「」内が川上の作品

  • ベスト・エッセイ 2015(日本文藝家協会 編 2015年6月 光村図書出版)「独りきりと、しあわせの真ん中で」
  • モノガタリは終わらない(2022年10月 集英社 / 2026年2月 集英社文庫)「初恋の」
  • 放課後によむ短篇集(頭木弘樹 編 理論社 2026年5月)「青かける青」
  • ベスト・エッセイ 2026(日本文藝家協会 編 2026年7月 光村図書出版)「べつのしかたで」

作家読本

  • 『川上未映子 ことばのたましいを追い求めて』(2019年11月、河出書房新社 文藝別冊)

詩集

  • 『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』 (2008年、青土社/2021年、ちくま文庫)
    • 先端で、さすわさされるわそらええわ
    • 少女はおしっこの不安を爆破、心はあせるわ
    • ちょっきん、なー
    • 彼女は四時の性交にうっとり、うっとりよ
    • 象の目を焼いても焼いても
    • 告白室の保存
    • 夜の目硝子
  • 『水瓶』(2012年、青土社/2021年、ちくま文庫)
    • 戦争花嫁(『早稲田文学1』2008年4月)
    • 治療、家の名はコスモス(『ROCKS』5月)
    • いざ最低の方へ(『ユリイカ』青土社、2008年12月号)
    • バナナフィッシュにうってつけだった日 (『モンキービジネス』2008 Fall)
    • 旅行熱 (『現代詩手帖』2009年1月号)
    • 冬の扉(『ユリイカ』青土社、2009年12月号)
    • 星星峡(読売新聞 2009年4月)
    • 誰もがすべてを解決できると思っていた日(『早稲田文学増刊π』、2010年12月)
    • わたしの赤ちゃん(『早稲田文学5』2012年9月)
    • 水瓶(書き下ろし)

メディア・ミックス

映画

ディスコグラフィ

アルバム

  • うちにかえろう〜Free Flowers〜(2002年) - 川上三枝子名義。VICL-60909
  • 夢みる機械(2004年) - 未映子名義。VICL-61415
  • 頭の中と世界の結婚(2005年) - 未映子名義。VICL-61738

シングル

  • 瞳ヴァイブレイション(2003年) - 未映子名義。VICL-35598
  • はつ恋(2004年) - 未映子名義。VICL-35649。映画「すくらんぶる・ハーツ」主題歌
  • 悲しみを撃つ手(2005年) - 未映子名義。VICL-35830

メディア出演

ラジオ

テレビ

舞台

  • 『女中たち』COLLOL(2006年)原作:ジャン・ジュネ、構成・演出:田口アヤコ、音響演出:江村桂吾 [21]

映画

キネマ旬報新人女優賞、おおさかシネマフェスティバル新人女優賞を受賞。
  • 『緑子/MIDORI-KO』(2010年)黒坂圭太監督、音楽提供

CM

脚注

  1. ↑ Kawakami, Mieko (25 May 2022). “Discover the shortlist: Mieko Kawakami, ‘I grew up in a house with no books’”. TheBookerPrizes.com (Interview). 2026年9月30日閲覧.
  2. ↑ “川上未映子のプロフィール”. WEBザテレビジョン. 2025年10月21日閲覧。
  3. ↑ “asahi.com(朝日新聞社):作家・川上未映子のおかあちゃん 利江さん:4 生まれ変わっても、この家族がええ - 天才の育て方 - 教育”. www.asahi.com. 2024年7月29日閲覧。
  4. ↑ 「劇的クリエイティブ講座」川上の発言
  5. 1 2 “芥川賞の選考委員に川上未映子さん…「乳と卵」で2008年に受賞”. 読売新聞オンライン (2024年3月1日). 2025年5月31日閲覧。
  6. 1 2 “芥川賞新選考委員に川上未映子さん 7月の第171回の選考会から参加”. 産経ニュース. 産経新聞社. 2024年3月1日. 2024年3月1日閲覧.
  7. ↑ アーカイブ|ただようまなびや 文学の学校|The Drifting Classroom
  8. ↑ “村上春樹氏、創作は「1人カキフライ」 福島で語る”. 朝日新聞. 2015年11月29日. 2015年12月16日閲覧.
  9. ↑ “川上未映子さんへの脅迫、投稿女性に320万円賠償命令:朝日新聞デジタル”. 2021年6月10日. 2021年6月10日時点のオリジナルよりアーカイブ.
  10. ↑ 産経新聞 (2022年5月27日). “川上未映子さん、英ブッカー国際賞受賞逃す 長編小説「ヘヴン」”. 産経新聞:産経ニュース. 2025年5月31日閲覧。
  11. ↑ スポーツニッポン 2008年1月17日付記事参照
  12. ↑ “未映子の純粋悲性批判: 2012年06月 アーカイブ”. 2013年5月9日閲覧。
  13. ↑ “asahi.com(朝日新聞社):作家・川上未映子のおかあちゃん 利江さん:1 文学と無縁「芥川賞って何?」 - 天才の育て方 - 教育”. www.asahi.com. 2024年7月29日閲覧。
  14. ↑ “人気作家・川上未映子、国旗とは「つねに批判や風刺の対象であるべき」 損壊罪法案を批判(内外タイムス)|dメニューニュース”. topics.smt.docomo.ne.jp. 2026年6月30日閲覧。
  15. ↑ “大泉洋、町田啓太、Sexy Zone、Awich、チョコプラらがGQ MEN OF THE YEAR受賞”. 映画ナタリー. ナターシャ. 2022年11月28日. 2022年11月28日閲覧.
  16. ↑ “第75回読売文学賞 受賞6氏と作品”. 読売新聞オンライン (2024年2月1日). 2024年12月3日閲覧。
  17. ↑ “本橋麻里選手:カーリングでも髪は重要 ヘアケアは美容関係の夫がアドバイス”. 毎日キレイ. MANTAN (2025年10月21日). 2025年10月21日閲覧。
  18. ↑ 『作家・川上未映子 すれ違いざまに「母乳?」と聞かれ…。私たちが産む・働く・生きることとは』 2019年10月1日 たまひよONLINE
  19. ↑ “岸井ゆきの×浅野忠信で川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』映画化 監督は岨手由貴子”. Real Sound. blueprint (2025年10月9日). 2025年10月9日閲覧。
  20. ↑ 「僕らの音楽 - フジテレビ」『フジテレビ』。2018年6月25日閲覧。
  21. ↑ https://lesbonnes.jugem.jp/?pid=1
  22. ↑ “「本当の優しさ」とは 芥川賞作家・川上未映子が語る「大人」の価値観、サッポロ黒ラベルCM” (2025年9月12日). 2025年12月2日閲覧。

関連項目

外部リンク




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