中原中也賞とは? わかりやすく解説

中原中也賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/04 23:59 UTC 版)

中原中也賞(なかはらちゅうやしょう)には、

  1. 1939年から中垣竹之助の出資で3回行われたもの。受賞者には立原道造高森文夫杉山平一、平岡潤がいる。(中原中也#中原中也賞参照)
  2. 1996年から行われているもの

の2つがある。ここでは2について説明する。

現行の中原中也賞は、山口市中原中也賞運営委員会が主催し、青土社KADOKAWA(社内ブランド・角川書店)が後援する現代詩を対象とした文学賞である。受賞者には、正賞として高田博厚が制作した中原中也の首のブロンズ像(第11回より。第10回までは受賞作の英訳本出版)及び副賞として100万円が授与される。候補作は、著者本人の公募作品及び出版社報道機関等の推薦作品から選ばれる。私家版の作品が受賞することもある。

受賞作

第1回から第10回

  • 第1回(1996年豊原清明 『夜の人工の木』
    • 候補作
      • 倉田良成 『ゼノン、あなたは正しい』
      • 山崎佳代子 『鳥のために』
      • 萩原健次郎 『求愛』
      • 梅田智江 『SO ALONE』
      • 寺山冨三 『ぼくと時計の時差について』
      • 江代充 『白V字 セルの小径』
  • 第2回(1997年長谷部奈美江 『もしくは、リンドバーグの畑』
    • 候補作
      • 鳥越ゆり子 『音素砂丘〜サラスエル黙示録より』
      • 貞久秀紀 『リアル日和』
      • 清岳こう 『浮気町・車輛進入禁止』
      • 榎本恭子 『静止球体』
      • 中村和恵 『トカゲのラザロ』
  • 第3回(1998年宋敏鎬 『ブルックリン』
    • 候補作
      • 佐々木浩 『象が死んだら』
      • 貞久秀紀 『空気集め』
      • 藤倉英世 『消滅のための火』
      • 大嶋賢利 『維新』
      • 竹内敏喜 『翰』
  • 第4回(1999年和合亮一 『AFTER』
    • 候補作
      • 野中美峰 『がらすの月』
      • 青山みゆき 『西風』
      • 松元泰介 『空の壜』
      • 宮城隆尋 『盲目』
      • 鍋島幹夫 『七月の鏡』
      • 萩原健次郎 『絵桜』
  • 第5回(2000年蜂飼耳 『いまにもうるおっていく陣地』
    • 候補作
      • 竹内敏喜 『風を終える』
      • 奥野雅子 『日日は橙色の太陽に沿って』
      • 本間淳子 『アーバン・アンモナイト』
      • 荒川純子 『デパガの位置』
      • 田中庸介 『山が見える日に、』
      • 雨矢ふみえ 『ジーナ・ロロブリジーダ夢みる巻き毛』
  • 第6回(2001年アーサー・ビナード 『釣り上げては』
    • 候補作
      • 三浦優子 『Lyrics(りりっくす)』
      • 松本圭二 『詩篇アマータイム』
      • 渡辺玄英 『海の上のコンビニ』
      • 本庄ひろし 『颱風一家』
      • 田口犬男 『モー将軍』
      • 柴田千晶 『空室1991-2000』
  • 第7回(2002年日和聡子 『びるま』
    • 候補作
      • 松岡政則 『ぼくから離れていく言葉』
      • 関口涼子 『二つの市場、ふたたび』
      • 高屋優子 『妹人形』
      • 細見和之 『言葉の岸』
      • 牛島敦子 『磁気圏擾乱』
      • 元山舞 『青い空の下で』
  • 第8回(2003年中村恵美 『火よ!』
    • 候補作
      • 西元直子 『けもの王』
      • 四元康祐 『世界中年会議』
      • 利岡正人 『運動の間口』
      • 宮城隆尋 『idol』
      • 今井義行 『私鉄』
      • 齋藤恵美子 『緑豆』
  • 第9回(2004年久谷雉 『昼も夜も』
    • 候補作
      • 後藤美和子 『極地』
      • 橋場仁奈 『姉さんの美しい、死体』
      • 井狩初子 『理髪店の憂鬱』
      • 杉本真維子 『点火期』
      • 有松裕子 『擬陽性』
      • 松岡政則 『金田君の宝物』
  • 第10回(2005年三角みづ紀 『オウバアキル』
    • 候補作
      • 田原 『そうして岸が誕生した』
      • 斎藤恵子 『樹間』
      • 池田瑞輝 『もっともっと高い木』
      • 森川雅美 『くるぶしのふかい湖』
      • 小笠原鳥類 『素晴らしい海岸生物の観察』
      • 小島数子 『標的の未知に狙われて』

第11回から第20回

  • 第11回(2006年水無田気流 『音速平和 sonic peace』
    • 候補作
      • 藤原安紀子 『音づれる聲』
      • 手塚敦史 『詩日記』
      • 廿楽順治 『すみだがわ』
      • 利岡正人 『早起きの人々』
      • 齋藤恵美子 『最後の椅子』
      • 辻和人 『息の真似事』
  • 第12回(2007年須藤洋平 『みちのく鉄砲店』
  • 第13回(2008年最果タヒ 『グッドモーニング』
    • 候補作
      • 清水あすか『頭を残して放られる。』
      • 新井高子 『タマシイ・ダンス』
      • 細見和之 『ホッチキス』
      • 利岡正人 『彼方』
      • 中塚鞠子 『約束の地』
      • 関口涼子 『グラナダ詩編』
  • 第14回(2009年川上未映子 『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』
    • 候補作
      • 中筋智恵『夏虫の巣』
      • 小川三郎 『流砂による終身刑』
      • 松本秀文 『白紙の街の歌』
      • 高岡力 『新型』
      • 浅野言朗 『2の6乗=64/窓の分割』
      • 鳥居万由実 『遠さについて』
  • 第15回(2010年文月悠光 『適切な世界の適切ならざる私』
    • 候補作
      • 山田亮太『ジャイアントフィールド』
      • 大江麻衣『道の絵』
      • なかにしけふこ『The Illuminatated Park 閃光の庭』
      • 八柳李花『Beady-fingers.』
      • 尾中俊介『カルデサック』
      • 浦歌無子『耳のなかの湖』
  • 第16回(2011年辺見庸 『生首』
    • 候補作
      • 高橋正英『クレピト』
      • 塚越祐佳『越境あたまゲキジョウ』
      • 清中愛子『宮の前キャンプからの報告』
      • 管啓次郎『Agend’Ars』
      • 高谷和幸『ヴェジタブル・パーティ』
      • 陶原葵『明石、時、』
  • 第17回(2012年暁方ミセイ 『ウイルスちゃん』
    • 候補作
      • 八柳李花『サンクチュアリ』
      • 手塚敦史『トンボ消息』
      • 一方井亜稀『疾風光』
      • 江夏名枝『海は近い』
      • 河邉由紀恵『桃の湯』
      • 大崎清夏『地面』
  • 第18回(2013年細田傳造 『谷間の百合』
    • 候補作
      • 白鳥央堂『晴れる空よりもうつくしいもの』
      • 高塚謙太郎『カメリアジャポニカ』
      • 疋田龍乃介『歯車VS丙午』
      • ブリングル『、そうして迷子になりました』
      • 望月遊馬『焼け跡』
      • 後藤ユニ『サマーバケーション・イン・マイ・ヘッド』
  • 第19回(2014年大崎清夏 『指差すことができない』
    • 候補作
      • 浦歌無子『イバラ交』
      • カニエ・ナハ『オーケストラ・リハーサル』
      • 小林坩堝『でらしね』
      • そらしといろ『フラット』
      • 峯澤典子『ひかりの途上で』
      • 米山浩平『ピノキオ』
  • 第20回(2015年岡本啓 [注釈 1][1]『グラフィティ』[注釈 2][2]
    • 候補作
      • 浅井眞人『仁王と月』
      • 伊藤浩子『wonderers』
      • 榎本櫻湖『空腹時にアスピリンを飲んではいけない』
      • カニエ・ナハ『MU』
      • 紺野とも『かわいくて』
      • 高塚謙太郎『ハポン絹莢』

第21回から第30回

  • 第21回(2016年カニエ・ナハ 『用意された食卓』
    • 候補作
      • 佐峰存 『対岸へと』
      • 宿久理花子 『からだにやさしい』
      • 平田詩織 『歌う人』
      • 宮岡絵美 『境界の向こう』
      • 望月遊馬 『水辺に透きとおっていく』
      • 森本孝徳 『零余子回報』
  • 第22回(2017年野崎有以 『長崎まで』
    • 候補作
      • 尾久守侑 『国境とJK』
      • ジェフリー・アングルス 『わたしの日付変更線』
      • 冨岡悦子 『ベルリン詩篇』
      • 萩野なつみ 『遠葬』
      • 山﨑修平 『ロックンロールは死んだらしいよ』
      • 山下晴代 『今はもう誰も杉村春子など思い出さない』
      • 山田亮太 『オバマ・グーグル』
  • 第23回(2018年マーサ・ナカムラ 『狸の匣』
    • 候補作
      • 海老名絢『きょりかん』
      • 田中さとみ『ひとりごとの翁』
      • 十田撓子『銘度利加』
      • 橋本シオン『これがわたしのふつうです』
      • 藤本哲明『ディオニソスの居場所』
      • 松本秀文『「猫」と云うトンネル』
  • 第24回(2019年井戸川射子 『する、されるユートピア』
  • 第25回(2020年水沢なお 『美しいからだよ』
    • 候補作
      • 海老名絢『声を差し出す』
      • 神山紗良『透明な砦』
      • 白鳥央堂『想像星座群』
      • タケイ・リエ『The inland sea』
      • 長谷部裕嗣『箱の中の森』
      • 彦坂美喜子『子実体日記』
  • 第26回(2021年小島日和 『水際』
  • 第27回(2022年) 国松絵梨 『たましいの移動』
    • 候補作
      • 小林坩堝『小松川叙景』
      • 紫衣『旋律になる前の』
      • 蜆シモーヌ『なんかでてるとてもでてる』
      • 照井知二『夏の砦』
      • 長谷部裕嗣『灰には灰を』
      • 村岡由梨『眠れる花』
  • 第28回(2023年) 青柳菜摘 『そだつのをやめる』
  • 第29回(2024年佐藤文香『渡す手』
    • 候補作
      • 伊口さや『大人になったらこわくないよ』
      • 大島静流『蔦の城』
      • 貝塚津音『魚里山-イノシシのうた』
      • 姜湖宙『湖へ』
      • 佐峰存『雲の名前』
      • 高橋実里『とおくの火』
  • 第30回(2025年)高村而葉『生きているものはいつも赤い』
    • 候補作
      • 高嶋樹壱『一千暦の帰り道』
      • 高塚しい『六月の幻想』
      • のもとしゅうへい『通知センター』
      • 南椌椌『ソノヒトカヘラズ』
      • 湯村りす『ZOO』

選考委員

脚注

注釈

  1. ^ 1983年仙台生まれ、東大卒、倫理学専攻。妻は宇宙鉱物の研究者、京都在住。
  2. ^ 2012年からの在米経験が土台。H氏賞と同時受賞。2014年現代詩手帖賞受賞。

出典

  1. ^ 「岡本啓さん」夕刊文化 日本経済新聞2015年5月22日夕刊
  2. ^ 第20回中原中也賞中原中也記念館

関連項目

外部リンク


中原中也賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/15 08:08 UTC 版)

中原中也」の記事における「中原中也賞」の解説

中也の死の翌年から『四季誌上行われた詩人への賞。発案者長谷川泰子で、夫の中垣竹之助が援助したが、3回終了した。現在山口市主催する「中原中也賞」とは別ののである第1回 立原道造 第2回 高森文夫 杉山平一 第3回 平岡

※この「中原中也賞」の解説は、「中原中也」の解説の一部です。
「中原中也賞」を含む「中原中也」の記事については、「中原中也」の概要を参照ください。

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