中原佑介とは? わかりやすく解説

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なかはら‐ゆうすけ〔‐イウすけ〕【中原佑介】

読み方:なかはらゆうすけ

19312011美術評論家兵庫生まれ本名江戸頌昌(えどのぶよし)。理論物理学から美術評論転じ戦後美術評論リードした京都精華大学長、水戸芸術館総監督などを歴任著作に「人間物質のあいだ」「見ることの神話」など。


中原佑介

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/24 14:38 UTC 版)

中原 佑介
1961年の中原
生誕 江戸頌昌
(1931-08-22) 1931年8月22日
兵庫県神戸市
死没 2011年3月3日(2011-03-03)(79歳没)
国籍 日本
教育 京都大学
著名な実績 美術評論家
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中原 佑介(なかはら ゆうすけ、1931年8月22日 - 2011年3月3日[1])は、日本の美術評論家京都精華大学学長、同大学名誉教授。

経歴

兵庫県神戸市生まれ。本名は江戸頌昌(えどのぶよし)。神戸一中旧制三高京都大学理学部卒、京都大学大学院中退。湯川秀樹研究室で理論物理学を専攻していたが、在学中の1955年美術評論が雑誌に掲載されたのを機に、美術批評家となる。

1965年、赤瀬川原平の「千円札裁判」で特別弁護人となる。

1970年に第10回日本国際美術展「東京ビエンナーレ」(通称「人間と物質」展)のコミッショナー、1976年と1978年にベネチア・ビエンナーレのコミッショナーを務めた。1990年3月から9月まで水戸芸術館美術部門芸術総監督を務めた。その後京都精華大学教授となり、2002年に退任して京都精華大学名誉教授となった。2006年4月から2010年3月まで兵庫県立美術館長を務め、2008年1月には国際美術評論家連盟会長に就任した。東野芳明針生一郎と並んで「美術評論の御三家」と呼ばれた[2][3]。2011年3月3日、79歳で死去[1]

著書

  • 『ナンセンスの美学』 現代思潮社, 1962
  • 『現代彫刻』 角川書店〈角川新書〉, 1965
  • 『見ることの神話』 フィルムアート社, 1972
  • 『人間と物質のあいだ 現代美術の状況』 田畑書店, 1972
  • 『ナンセンス芸術論』 フィルムアート社, 1972
  • 『大発明物語』 美術出版社, 1975
  • 『現代芸術入門』 美術出版社, 1979
  • 『ブランクーシ Endless beginning』 美術出版社, 1986
  • 『80年代美術100のかたち INAXギャラリー+中原佑介』 INAX, 1991
  • 『兵士の物語』 山本容子絵, 評論社, 1992
  • 『一九三〇年代のメキシコ』 メタローグ, 1994
  • 『関係と無関係 河口龍夫論』 現代企画室, 2003
  • 『中原佑介美術批評選集』現代企画室(全12巻予定)
2011から刊行中(2022までに10冊刊)
第1巻:創造のための批評 戦後美術批評の地平
第2巻:日本近代美術史 西洋美術の受容とそのゆくえ
第3巻:前衛のゆくえ アンデパンダン展の時代とナンセンスの美学
第4巻:「見ることの神話」から アイディアの自立と芸術の変容
第5巻:「人間と物質」展の射程 日本初の本格的な国際展
第6巻:現代彫刻論 物質文明との対峙
第7巻:メディアとしての芸術 漫画・デザイン・写真・映像
第8巻:現代芸術とは何か 二〇世紀美術をめぐる「対話」
第9巻:大発明物語 芸術と科学的思考
第10巻:社会のなかの美術 拡張する展示空間
第11巻:作家論(未刊)
第12巻:資料編(書誌や年譜ほか、未刊)

共編著

  • 『現代の美術 art now』-「1 先駆者たち」ほか、講談社(全12巻・別巻) 1971-73
    高階秀爾と企画共編、別巻は『現代美術の思想』、巻末に全巻・図版索引
  • 『世界の名画 24 モンドリアンと抽象絵画』中央公論社 1974。中村真一郎、高階秀爾と分担解説
  • 『グランド世界美術 23 ピカソとマチス 立体派と野獣派』講談社 1974
  • 『ピカソ全集 8 彫刻5』講談社 1982
  • 『クリスト Christo works 1958-1983』草月出版 1984
  • 『現代世界の美術 19 デルヴォー』集英社 1986
  • 『ヒトはなぜ絵を描くのか』フィルムアート社 2001
  • 『美術と展示の現場』新宿書房 2008
    秋元雄史、笠原美智子、増田玲(共著)、神戸芸術工科大学デザイン教育研究センター(編)

翻訳

  • カルヴィン・トムキンズ『花嫁と独身者たち 現代芸術五人の巨匠』 高取利尚共訳 美術出版社 1972
  • エンリコ・クリスポルティ『現代の絵画 20 現代のイギリス絵画』 川名公平共訳 平凡社 1973
  • ローズリー・ゴールドバーグ『パフォーマンス 未来派から現在まで』 リブロポート・アール・ヴィヴァン選書 1982.11
  • エリック・シェインズ『コンスタンチン・ブランクーシ』 水沢勉共訳 美術出版社 (モダン・マスターズ・シリーズ) 1991.2
  • ウォーホル日記』 パット・ハケット編、野中邦子共訳 文藝春秋 1995.12 / 文春文庫(上下) 1997.1

脚注

  1. ^ a b おくやみ 中原佑介氏 YOMIURI ONLINE、2011年3月12日
  2. ^ わが愛憎の画家たち ― 針生一郎と戦後美術 - 宮城県公式ウェブサイト”. www.pref.miyagi.jp. 2021年5月7日閲覧。
  3. ^ 沢山, 遼. “国際美術評論家連盟日本支部”. artscape. 2021年5月8日閲覧。

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