渡辺玄英とは? わかりやすく解説

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渡辺玄英

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/03 09:33 UTC 版)

渡辺 玄英(わたなべ げんえい、1960年 - )は、日本詩人。元梅光学院大学文学部准教授。筑紫女学園大学大分大学ほか非常勤講師。

詩誌「鯨々」編集同人。「ざんぼあ」同人。冷泉詩話会主宰。 玄英はペンネームで僧名。

略歴

福岡県福岡市博多区出身。

現代のサブカルチャーの「弱い、呟きのコトバ」を用いた詩集『海の上のコンビニ』(2000年)で注目される。

詩集『火曜日になったら戦争に行く』(2005年)は〈セカイ系詩〉として現代詩の外部でも話題になり[1]、吉本隆明に「『無』の状態から意味論的に脱出しようという意図が感じられる[2]」と評価される。

佐々木敦は、詩集『けるけるとケータイが鳴く』(2008年)を「「ゼロ年代」の絶望から這い出ようとする希望と、その希望を食い破る絶望の両方を」感じると評している[3]

2020年、コロナ禍を主題にした一連の詩が朝日新聞(9月25日)「天声人語」に取り上げられる。

高橋睦郎から「新しい言葉の自覚した使い手の最も尖鋭なひとり[4]」と評される。

この他の詩集に『現代詩文庫 渡辺玄英詩集』(2016年)や『星の(半減期 』(2019)等がある。

「現代詩手帖」誌や「読売新聞」等の詩時評を担当。

北川透、山本哲也、花田俊典らとの同人誌『九』(1996- 2000)に参加。

柴田千晶、岩佐なを、北大路翼と同人誌『erection』(2002- )に参加。

北川透、松本秀文、石松佳らと同人誌『鯨々』(2019- )に参加し、編集を担当。

詩と短歌の同人誌『ざんぼあ』(2025- )に参加。

2011年から福岡県高等学校文化連盟文芸部門(詩)の選と講評、講師。

2013年から山口県高等学校文化連盟文芸部門(詩)の選と講評、講師。

2015年から日本現代詩歌文学館振興会 評議員

著作他

詩集

  • 『水道管のうえに犬は眠らない』(書肆山田) 1991
  • 『液晶の人』(梓書院) 1997
  • 『海の上のコンビニ』(思潮社) 2000
  • 『火曜日になったら戦争に行く』(思潮社) 2005
  • 『けるけるとケータイが鳴く』(思潮社) 2008
  • 『破れた世界と啼くカナリア』(思潮社) 2011
  • 『渡辺玄英詩集』(思潮社、現代詩文庫) 2016
  • 『星の(半減期』(思潮社) 2019
  • 『しろいうさぎを狩る者たち』(思潮社)2024

共著詩集

『空気の日記』(書肆侃々房)2022

共同翻訳詩集

『夏の旅』(思潮社) 2000 『黎明の縁』(思潮社)2003

共著論集

『女流文学の潮流』(笠間書院)2013 『文学の力 時代と向き合う作家たち』(笠間書院)2014

その他

『ポエムの虎 2003秋吉台現代詩セミナー』(海鳥社)2004

主な連載

  • 「詩学」誌 詩誌月評 2003年4月~2004年3月
  • 「毎日新聞(西部)」紙 機会詩の隔月連載「ゆらぎの現在形」2006年3月~2008年5月
  • 「現代詩手帖」誌 詩誌月評 2009年1月~12月
  • 「現代詩手帖」誌 詩書月評 2010年1月~12月
  • 「現代詩手帖」誌 投稿選 2011年6月~2012年5月
  • 「読売新聞(西部)」紙 詩時評 2013年2月~2020年11月

出演その他

  • RKB毎日放送 「開店ウメ子食堂」(2012年~2016年)、「こだわりハーフタイム」(2016年~2019年)ゲスト出演。
  • 日韓詩人交流会(2015年11月3日~5日 会場 : 韓國外國語大學校、啓明大学校他)
  • ふじのくにせかい演劇祭2022『星座へ』[回遊型演劇]コンセプト:ブレット・ベイリー/日本版キュレーション:大岡淳 日程:2022年5月6-8日 会場:日本平の森
  • 日中詩人会議『詩と遠方』2022年12月16-18日(於 北九州市)

脚注

出典

  1. ^ 「クイック・ジャパン」vol.64(太田出版 2006年2月)22p 「ゲーム・アニメ・現代詩 ─ 渡辺玄英の消えてゆく世界」(文/山田和正)。影響関係の指摘にゲーム『Cross CHANNEL』(フライングシャイン/2003年)、アニメ『機動戦士ガンダム』(富野由悠季)、アニメ『攻殻機動隊』『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』(押井守)、ライトノベル作家うえお久光、上遠野浩平など
  2. ^ 吉本隆明『日本語のゆくえ』(光文社 2008年)214-216p
  3. ^ 佐々木敦『文学拡張マニュアル』(青土社 2009年)267-271p 278-281p
  4. ^ 高橋睦郎「解体する世界・解体する言葉」(『海の上のコンビニ』解説)[要ページ番号]



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