岡松和夫とは? わかりやすく解説

おかまつ‐かずお〔をかまつかずを〕【岡松和夫】

読み方:おかまつかずお

19312012小説家福岡生まれ学生時代政治運動参加。「志賀島(しかのしま)」で芥川賞受賞体験見聞に基づく作品が多い。他に「壁」異郷の歌」「峠の棲家(すみか)」など。


岡松和夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/15 03:52 UTC 版)

岡松 和夫(おかまつ かずお、1931年6月23日 - 2012年1月21日)は、日本小説家国文学者

略歴

福岡県福岡市出身。旧制福岡中学校旧制福岡高等学校を経て、東京大学文学部仏文学科卒。1954年に東京大学文学部国文科に学士入学。

1955年、「百合の記憶」が「文藝」全国学生小説コンクール佳作第一席として青柳和夫[1]の筆名で『文藝』に掲載される。この時の佳作同期に大江健三郎がいる。1956年に国文科卒業。大学院に入るがほどなく池田亀鑑が死去。翻訳家の平井呈一[2]の姪である瀬山梅子と1957年に結婚。横浜学園高等学校に勤務。

1959年に「壁」で第9回文學界新人賞受賞。1964年に立原正秋が編集長格の同人誌『犀』に参加。ほかに加賀乙彦佐江衆一後藤明生高井有一らも参加していた。

1966年に関東学院短期大学国文科専任講師に就任、1968年に助教授となり、1973年には教授へ昇任。

作家としては1974年、「墜ちる男」で第70回芥川龍之介賞候補、「小蟹のいる村」で第71回芥川龍之介賞候補となり、1975年、「熊野」で第72回芥川龍之介賞候補になった。翌1976年、「志賀島」で第74回芥川龍之介賞を受賞した。

1981年、研究者としてブラジルサンパウロに滞在。1985年、「面影」で第12回川端康成文学賞候補となり、1986年に『異郷の歌』で第5回新田次郎文学賞1998年には『峠の棲家』で第2回木山捷平文学賞をそれぞれ受賞した。

国文学者としては一休宗純の研究などを行っていた。

2012年1月21日、肺炎のために逝去[3]。80歳没。

著書

  • 『小蟹のいる村』1974年、文藝春秋
  • 『熊野』1974年、文藝春秋
  • 『志賀島』 1976年、文藝春秋 のち文庫 
  • 『深く目覚めよ』(1977年、講談社)
  • 『鉢をかずく女』(1977年、文藝春秋)
  • 『詩の季節』(1980年、新潮社)
  • 『魂ふる日』(1980年、文藝春秋)
  • 『人間の火』(1981年、文藝春秋)
  • 『風の狂へる』(1981年、小沢書店)
  • 『薄氷を踏む』(1982年、新潮社)
  • 『純粋な生活』(1983年、河出書房新社)
  • 『楠の森』(1984年、ベネッセコーポレーション)
  • 『異郷の歌』(1985年、文藝春秋)
  • 『口紅』(1987年、講談社)
  • 『海の砦』(1988年、新潮社)
  • 『手弱女』(1989年、文藝春秋)
  • 『一休伝説』(1991年、講談社)
  • 『北京の日』(1992年、講談社)
  • 『断弦』(1993年、文藝春秋)
  • 『峠の棲家』(1997年、新潮社)
  • 実朝私記抄』(2000年、講談社)
  • 『無私の感触』(2002年、講談社)
  • 『少年飛行兵の絵』(2005年、講談社)

脚註

  1. ^ 岡松和夫―第74回芥川賞受賞作家
  2. ^ 1960年代に小泉八雲の作品全訳を刊行。作品「断弦」は平井のモデル小説
  3. ^ 作家の岡松和夫氏が死去「志賀島」で芥川賞 産経新聞 2012年2月1日閲覧



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「岡松和夫」の関連用語

岡松和夫のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



岡松和夫のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの岡松和夫 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS