狩野家の人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 07:35 UTC 版)
宮古島でリゾートホテル「サザンアイランド」を営んでいたが、善行に代替わりした後から負債を抱え、やがてホテル売却を機に一家離散状態となるが、善行の死に際してまとまりを取り戻す。晴海以外の家族(純・善行・正・剛)は全員クモが苦手。 狩野 善行(かのう ぜんこう) 演 - 武田鉄矢 第2部までの登場。純の父親。サザンアイランドの2代目社長。昭和30年(1955年)6月20日生まれ。3兄弟(正・純・剛)の祖父母に当たる父・和彦、母・智子の長男である。 太宰治の『走れメロス』が大好きだったことから、晴海と交際していた頃、彼女から「メロちゃん」と呼ばれていた(この事で晴海が行方不明になった時に純から「メロちゃんは誰か」を聞かれた際に「自分が若い頃から呼ばれた渾名だ」と純に教えた)。 大阪育ちで、家族との会話は関西弁で話す。カナヅチでお化けが苦手。だし巻き卵が好物。商社マンであったが仕事に失敗し、宮古島にある晴海の実家に一家で転居。不本意ながら義父・真栄田弘治が経営するサザンアイランドで働くが、宮古や近隣住民と馴染めず毛嫌いする。弘治亡き後、社長に就任するが、経営は右肩下がりとなり借金を抱える。台風の被害で大打撃を受け、猛反対する家族を欺き、借金返済を理由にホテルと自宅を売却する。 客と取引先に対しては腰が低いが、頑固でプライドが高く、卑劣・非情な性格。常に後ろ向きな発言をし、何かにつけて四字熟語やことわざを用いて説教するため、家族から煙たがられている。ホテルの経営を巡る見解の違いや、人生観の相違、自らが立てた計画を阻止されたことなどから、純とは犬猿の仲であったが、内心は純の生き様を羨ましく思っていた。心中を読み明かす愛についても苦手に感じており、彼の母・多恵子とも相性が悪い。正論ではっきりと意見するマリヤに対しては、いつも言い返せずにいる。 大阪へ転居後は、後輩・梨田から提示されていた重役待遇の約束を反故にされ、閑職である隣の関連会社ビルの警備職に就職させられ、仕事に馴染めず家族に黙って退職。家族に発覚し妻の病状を目の当たりにしてショックを受け、家に寄り付かず行方をくらます日々を送る。昔の気持ちを思い出し、宮古へ戻って妻の介護に専念しようと改心した矢先、晴海が再び行方不明になってしまったことを純から知らされる。純と共に行方不明になった晴海を捜索し、海に落ちた晴海を助けようとしたが、自分が溺れて海に沈んでしまい、多臓器不全で意識不明の重体となった直後に死亡した。享年58。 狩野 晴海(かのう はるみ) 演 - 森下愛子 純の母親。旧姓は真栄田。昭和36年(1961年)7月20日生まれ。 宮古島で生まれ育つ。「ミス宮古」になったほど若いころから美人であったことで、地元では有名人。結婚記念日は5月8日。マイペースで穏やかな性格だが、家族に問題が起こるたびにうろたえては純に甘えすがるなど頼りない。末子・剛にはかなり甘い。 沖縄料理が得意であり、里やの板前・藍田に沖縄料理を指南する。 夫の善行が実家の家業を継いでくれたことを感謝しているため、なるべく逆らわないよう心がけているが、内心では善行に振り回されてきた結婚生活に疑問といら立ちを感じていた。しかし善行の病状が極度に進行するにつれ、夫を幸せにしてあげられなかった、もっと夫を愛してあげれば良かったと自らを悔やむ。 過去のサザンアイランドを取り戻したく、経営上の難点を指摘する純に陰で同意しているが、純の決断が失敗するとどんな経緯であっても純をキツく責める。 自らの本心を読み家族に明かした愛を嫌悪し、純との結婚にも反対し続けていたが、徐々に打ち解け合えるようになる。 サザンアイランドのビーチの所有権を持っていることを盾に、離婚覚悟でホテル売却を反対するが、善行がホテルの取り壊しを強行したため、諦めて善行と共に大阪に転居する。大阪での生活を始めてすぐ若年性アルツハイマーを発症し、医師の勧めもあり宮古へ帰りたいと善行に言うが反対されたショックで症状は悪化。夫の善行と恋人時代の「メロちゃん」が同一人物であることも認知できなくなるほど症状が進行する。善行の死後、剛と共に純と愛のアパートの隣室(かつて山田芽衣が住んでいた部屋)に移り住み、第3部では、ホテル開業に動き出した純と愛夫婦、長男の正一家とともに宮古に戻る。開業資金に困っていた純と愛のために島民に模合の交渉をし開業に力を貸すが、病状は徐々に進行し、新生サザンアイランドが天災に遭った頃には、家族全員の認知ができなくなり、純については、父・真栄田弘治が経営するサザンアイランドの従業員と思い込む。 狩野 正(かのう ただし) 演 - 速水もこみち(幼少期:泉翔太) 狩野家の長男で、純と剛の兄。家業のサザンアイランドを手伝っている。昭和61年(1986年)3月3日生まれ。 純の学生時代の同級生に片っ端からナンパして泣かせるなど、プレイボーイでことなかれ主義。つき合った彼女とのトラブル処理は純任せにしてきた。長男であることを理由に決断を迫られることを嫌うが、純が決断し失敗すると強く純を責めたてる。善行の死後、家長の座を純に託す。 善行が決めた相手との式中に、妊娠中の恋人・マリヤと逃げ出し、駆け落ちする。その後、両親と和解し、マリヤと共に実家に戻る。 実家の売却後は、那覇に転居し、ビジネスホテルに就職する。長女・勇気の誕生後、かつての婚約者である比嘉愛子との不倫が原因でマリヤに離婚届けを出されるが、不倫が終局し妻と子の愛おしさに改めて気づき、マリヤとよりを戻し再び婚姻届を出す。この件を機に大阪に転居した両親と再び同居を始め、「待田純」の源氏名でホストクラブに転職後、善行の死後にサトが紹介したビジネスホテルに就職。就職早々、ホテルの社長から社長夫人と不倫していると疑われ解雇されるが、テコ入れを始めた里やで特技のマッサージを生かし働く。 里やの焼失後は、自宅でマッサージ店を開業するが、純のホテル開業に協力すべく店を畳み、一家で宮古へ戻る。 新生サザンアイランドでは、里や時代と同じく来客へのマッサージを担当する予定であったが、ホテルのオープンが一度見送られたために宮古のマッサージ店に就職しホテルへの出張マッサージを担当していたが、純の心の変化により正式オープンを目指して動き出したことにより、再び新生サザンアイランドへ戻る。 狩野 剛(かのう つよし) 演 - 渡部秀(幼少期:小野田翔空) 狩野家の次男で、純と正の弟。2浪を経験している。平成4年(1992年)4月1日生まれ。もずくの天ぷらが好物。 家出を繰り返し、音楽や書道など色々なことに挑戦して動画サイトへの投稿をしているが、どれも長続きしない。お調子者で自分の都合が悪くなると、母か純に甘えている。特に晴海への依存が強く、晴海を振り回す父・善行とは折り合いが悪く、純の決断で晴海が困る状況になると、強く純を責めたてる。 家出し、純の家に転がり込んだ際に、同じく家出をして居候中の誠に一目惚れするが、誠からは素気ない態度を取られつづけている。誠からは「つよきち」などと呼ばれている。 善行の死後は晴海と共に純と愛が住むアパートの隣室に引っ越し、リサイクルショップに就職する。里やの焼失後は、アートに生き甲斐を見出すようになる。純が夢を諦めて宮古に帰ろうとした際、モネの話題を用いて励ましたことが純を立ち直らせるきっかけとなった。 その後、アートの勉強のために一人大阪に残り仲間と共に絵画活動に励む。後に純が開業する予定のホテルの殺風景な壁の一部にアートを依頼され、晴海と正の落書きをヒントに実家のホテルとビーチの壁画を描き上げた。 狩野 マリヤ(かのう まりや) 演 - 高橋メアリージュン 正の妻。昭和63年(1988年)9月8日生まれで、旧姓は丸山。日本人の父(達也)とフィリピン人の母(マリーベル)を持つハーフ(長女)。家族想いの心優しい性格。反面、激情的な面を持つ。部屋の整理整頓が得意だが、首にかけているネックレスはいつも曲がっている。 キャバクラで働いていたとき、正の子供を妊娠し、産みたいと主張するが、正・善行・晴海に反対される。狩野家に対して中絶する旨を言い残し立ち去ったが、子供を1人で育てる決心をし、転居し別の店で働いていた。 純の必死の呼びかけで考えを改め、正と復縁し駆け落ちした後、狩野家と和解し同居を始める。その後、正と那覇へ転居し、自宅で長女・勇気を出産する。 正との離婚・復縁騒動を機に正・勇気と共に大阪に転居。再び義理の両親と同居し、スーパーのパートを始める。その後、純から「おねえちゃん」と慕われ、互いに理解できる関係となる。 新生サザンアイランドでは、病気で臥せた愛から料理担当を任される。 狩野 勇気(かのう ゆうき) 第2部からの登場。正とマリヤの第一子で長女(純と剛の姪)。サザンアイランドを売却した年の12月25日に誕生する。マリヤが、純が頑張る姿を見たことをきっかけに命名した。 真栄田 弘治(まえだ こうじ) 演 - 平良進 狩野3兄弟(正・純・剛)の母方の祖父で、晴海の父親。サザンアイランドの創業者で初代社長。純が高校生の時には既に故人。純ら孫から「おじい」と呼ばれている。 元は自動車整備工場を営んでおり、旅行に連れて行くことができなかった余命わずかな妻(純の祖母)のためにホテルを始める決意をするが完成前に妻は死去した。生前から純に最も慕われ、亡き後も、純の心のよりどころとなっている。
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