吉沢家
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「柳寿司」と同じ銀座にある江戸前寿司店【嘉志(よし)寿司】を経営している。以前は、「嘉志寿司」は銀座一の名店と評されていたが、作法にうるさく、特定の客にしか利益を還元しておらず、銀行からも「新しい客がつかず、頭打ちだろう」と見られていた。また、銀座一という看板に胡坐をかき、社長の龍男をはじめ従業員は皆慢心し、気が付けば寿司の質も落ちていた。そのことが仇になり、李の「覇王寿司」との抗争ではマスコミや一般客からの風評被害にも悩まされる。この時期に店を辞めた者も多い。しかし、大吾と「すし懐石 榊」の元従業員だけは屈辱に耐え抜き、新生「嘉志寿司」として頑張っている。 吉沢大吾(よしざわ だいご) 「嘉志寿司」の四代目。自分より格下(旬は3歳年下でキャリアも大吾より浅い)と思い込んでいる旬にたびたび寿司勝負に引き分けることに苛立ちを持っていた。しかしそれは自分の驕りから来たものと気付き、自ら実家を出て7年間京料理の世界で修行に励む。帰京後は「嘉志寿司」を継がずに母方の榊姓を名乗り【すし懐石 榊】を開き独立。自分の理想とする「一生一品の寿司」を目指すが、未だ澱のように残る旬の存在を消し去るために阿部が仕掛けた寿司五番勝負で旬と対決するが、その勝負の過程で旬との間に友情が芽生える。登場当時は傲慢で肥満体形なキャラクターだったが京都での修行時にはかなり絞り込まれ、榊姓を名乗るようになった独立以降は別人のような精悍な姿になっている。「覇王寿司」と「嘉志寿司」との抗争で、窮地に陥った「嘉志寿司」を救うために「すし懐石 榊」を閉店して「嘉志寿司」に復帰、意識改革を施しわずか二ヶ月で「嘉志寿司」を立て直す。抗争終結後は正式に「三代目」を父、龍男から譲られる。「嘉志寿司」で出していた寿司と、大吾が「すし懐石 榊」で出していた寿司とは全く違うものだったが、父に「すし懐石 榊」での寿司を「嘉志寿司」の寿司として出すことを許された。 「嘉志寿司」の跡を継いで以降は、子供向けの寿司イベントにも協力したり、VIP向けの値段を大幅に下げるなど、格式は落とさないもののより親しみやすい側面も見せてきている。一方で弟子への指導は厳しく音を上げる弟子も多いが、大吾なりに弟子のためを考え旬に相談を持ち込むこともある。また息子の大河とみどりが結婚したらいいというなど旬とは最大のライバルにして最高の親友となっている。 寿司職人としては変わらずストイックであり「一生一品の寿司」を追い求めていたが、完全に行き詰っていた。しかし、詩織が見つけてきた栃木米「なすひかり」のおかげで一歩前進でき、詩織に感謝するとともに、結婚を申し込み、快諾された。しかし、未だ詩織の家族との溝は埋まっていなかったが、「寿司飯七分にタネ三分」で詩織の両親と兄姉を説得し、無事結婚した。「嘉志寿司」を経営する傍ら、河豚専門店で親方の下、河豚調理師資格取得のため修業し、試験に臨み、無事合格した。 吉沢詩織(よしざわ しおり=旧姓・三枝) 旬の寿司に魅せられた資産家の娘。初登場時では、柳寿司で働くことを希望していた。旬のことも憎からず思っていたが、いつの間にか厳しい修行に裏打ちされた自信を持つ大吾といい関係になった。阿部邸で行われた旬と大吾の寿司勝負にも立ち会った。大吾の店を手伝ううちに、大吾の厳しい指導に音を上げる弟子たちを自然と気遣う女将として振舞うようになった。大吾が「一生一品の寿司」を追い求める過程で行き詰っていた時に、力になりたいと思い栃木米「なすひかり」を見つけ、大吾に渡す。そのおかげで、大吾は「一生一品の寿司」に大きく前進できた。そのことに感謝した大吾から結婚を申し込まれ快諾した。しかし、未だに自分の家族の了承を得られていなかったが、大吾の「寿司飯七分にタネ三分」を通しての真摯な態度と祖父の助言で、無事に大吾と結婚した。大吾の河豚調理師試験後、妊娠三ヶ月であることが判明した。その後、無事に大河を出産した。 詩織の祖父は中学卒のたたき上げだが多数のホテルを経営する実業家(偶然だが「すし懐石 榊」も祖父経営のホテルのテナントであった)であり、旬と大吾についてもいち早く高く評価した。詩織の両親と兄・姉の香織も系列のホテルで仕事をしているが、特に兄と香織は鼻持ちならない所があり大吾に対して否定的だった。 吉沢大河(よしざわ たいが) 大吾と詩織の第一子。2011年4月2日午前0時3分誕生。3300グラムの男の子。名付け親は大吾。大吾曰く、「大河は最初は小さな湧き水だが海までの長い道のりで何本もの小さな川が集まり大河となる。人との和を大事にして人に愛されるような人間になって欲しい」という願いを込めたとのこと。人見知りな所がある。最初は寿司があまり好きではなく大吾を不安にさせていたが、みどりが作った寿司を通じて寿司を好きになり、今では将来の夢を「お寿司屋さん」というほどに成り、包丁さばきもみどりに勝るとも劣らない腕前に成っている。 みどりと同じ幼稚園、小学校に通う。「おさかなクラブ」の一員。 吉沢龍男(よしざわ たつお) 「嘉志寿司」の三代目。最初は傲慢な点もあるものの厳格な寿司職人として描かれていたが、「嘉志寿司」に対する世間の評価からいつしか慢心し、自身を「社長」と呼ばせ、常連とのゴルフなどに精を出すようになってしまう。肝心の寿司についても、VIPに出す寿司ダネは自分で調べるが、それ以外は板長の坂本に任せていたため、その陰で坂本が私腹を肥やしていたことや、他の職人が出している寿司が劣化していることにも気付けなかった。「覇王寿司」との抗争の際も大吾から再三考えを改めるよう忠告されていたが、全く聞く耳を持たず、「嘉志寿司」の食品偽装が発覚した際も騒動の全てを大吾のせいにし、彼を執拗に殴りつけてしまう。止めに入った詩織も負傷させてしまうが、その最中に発作を起こし、入院。その後、息子の大吾が築地市場の仲卸業者に愛されていることを知ると、大吾たちに謝罪し、けじめをつけるために、大吾に代を譲り引退した。その後、大吾の結婚式では「息子同士が仲良くなるとは、人生とは皮肉なものだ」と言い、鱒之介とがっちりとした握手を交わした。鱒之介同様の孫煩悩であり、孫たちのために鱒之介と共にツケ場に立ったこともある。 『寿司魂』にも登場しているが、そこでは二代目と表記されており、『寿司魂』の続編にあたるのが『江戸前の旬』本編だとすると、齟齬が見られる。また、このころは登場初期の大吾に似ていた。 坂本(さかもと) 龍男が現役時代の板長。表向きは龍男に従順な態度を取っていたが、彼がVIPルームで使う寿司ダネ以外を調べないことを良いことに裏では築地の仲卸業者の社長と結託し二級品のネタを一級品と偽って納入し、その差額を受け取り私腹を肥やしていた。李建王の「覇王寿司」との抗争の際に結託していた仲卸業者の社員が李に買収されたことによりマスコミに事実を告発され、さらに大吾が彼の付けていた帳簿を調べたことにより悪事を暴かれる。自身はマスコミに事実を公表された直後に行方をくらましており、大吾が「嘉志寿司」の跡を継いだ後の動向は不明。 立川 大吾の一番弟子。「すし懐石 榊」時代から大吾の下で働いている。「すし懐石 榊」時代に大吾のあまりに厳しい指導に音を上げ辞めそうになったことがあるが、詩織に引き留められている。この出来事が、結果として大吾に「一生一品の寿司」のヒントを与え、大吾が詩織にプロポーズするきっかけになった。「嘉志寿司」に移籍後、「覇王寿司」との抗争を大吾とともに乗り切った。江戸前寿司職人を欲する「桐乃家」の「採用試験」を受けたが、太一の才能を目の当たりにし、素直に負けを認め、太一に「桐乃家」行きを譲った。 前田 大吾の二番弟子。旬もその握りの力量を認める腕前。話し上手でもあり、前田個人の常連客もついている。独立に際し、常連客との話に気を取られて肝心の寿司がおろそかになるという失態を犯すが、大吾からは「その心構えがあれば大丈夫」と快く送り出された。
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吉沢家
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吉沢 亜子(よしざわ あこ) 修二の年子の妹。3月生まれ。玄石高校の1年6組で空と溝口と同じクラス。 溝口からは「うちのクラスにいい感じのコいる」と表現がされたり「亜子は俺の」という発言が本人や周囲の人間の前で発せられており、多少なりに好意を持たれている。 修二の母 夫に先立たれた未亡人。看護師。 空の母 熱心な教育ママ。 祖母 修二の父と空の父(双子)の母親。空の両親が外国にいるため、空と一緒に住んでいる。孫思いな優しい性格。
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