八丁味噌蔵元「山長」の人々
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「純情きらり」の記事における「八丁味噌蔵元「山長」の人々」の解説
松井達彦(まつい たつひこ) 演 - 福士誠治(少年時代:柳井宏輝、幼少時代:萩原駿行) 拓司とかねの一人息子。「山長」の跡取り。桜子とは学生時代は顔を合わせると言い合いになっていたが、ひたむきに夢を目指す姿に影響され、ピアニストを目指し始める。 東京音楽学校へは桜子よりも先に入学し、入学後は西園寺教授から才能を認められる。上京後、一時期マロニエ荘で生活をしていた(この頃に桜子に対する恋愛感情を意識し始めていたようである)。 父親の死去により岡崎に帰り、そのまま「山長」の跡取りになることを決意したため、学校を辞める。 後に桜子と恋仲になり婚約を果たすが、時勢もあって出征することになり、激戦の最中には死を覚悟して桜子宛に遺書を残してキヨシに託す(声のみでの出演回もあった)。 昭和21年、かねの一周忌に無事に生還。戦争の悲惨さを目の当たりにしたために心に大きなトラウマを背負っており、なうかなか当主に復帰できず、桜子にも自分のことは忘れるように告げる(ジャズを聴くことすら拒む状態であった)。が、桜子らの献身的な交流を通して徐々に克服する。 改めて桜子に想いを告げ、昭和21年4月、正式に結婚。共に歩んでいくことになる。 桜子が結核を患うと桜子と子どもの命の選択を迫られる。 松井かね(まつい かね) 演 - 戸田恵子 女将。達彦の母。磯とは学生時代からの腐れ縁で、会うたびに口喧嘩を繰り広げるが、本当は心の中で互いに認め合っている親友である。 気が強く、夫を尻に敷いている。桜子のことは「達彦をたぶらかす」と言って毛嫌いし、何かと家柄を引き合いに出してイヤミを言っていたが、達彦の出征をきっかけに身内のことのように千人針を行う桜子の姿を見て、達彦の本当の気持ちに気が付いたことで結婚してくれるようにと頭を下げにやって来る。 出征した達彦の帰りを待ちながら、心を鬼にして桜子に厳しく接して若女将として育てる。 18年前、吉村タミが達彦を連れ出したとされる出来事から、仕事ぶりは評価しているが信用してはいなかった。が、誤解が判明すると達彦との面会を許可した。 戦時中は味噌の価格が統制される憂き目に遭い、議員を説得に向かうも相手にされずに気落ちしていたが桜子の機転に救われる。 桜子が笛子らを追って東京へ向かうとなかなか帰らないために心配して上京して来た。桜子が東京にいる間にタネ一家が居候し始めると、タネの自分本意の行動には気付いているが、争いを避けるために見てみぬフリを決める。その頃から、しきりに「疲れた」「頭が痛い」と口にするようになり、達彦の生死が分からないとの話が伝わると気持ちが折れてしまったようで、店はタネらに任せて寝込んでしまっていた。 気力を取り戻して再度店に立ち始めた矢先、桜子が見せずにいた達彦の遺書を偶然にも見てしまい、気持ちが切れてしまったのか、店先で倒れ、医師の勧めで受診した病院では腹部の腫瘍が発見される。迷惑をかけないようにわざと桜子を遠ざけようとする行動ばかり取って距離ができるが、磯の介入もあり、心を通わせて実の娘のように思い始める。 昭和19年頃からは寝つくようになっており、昭和20年には病状が悪化して自らの死期を悟る。末期には店を桜子に託すための遺言を残して息を引き取る。最期まで達彦のことは亡くなったと認識し、桜子に内密に後添えのための花嫁衣装を準備していた。 松井拓司(まつい たくじ) 演 - 村田雄浩 「山長」の主人(婿養子)。達彦の父。気弱な性格と婿養子という立場から、かねには頭が上がらない恐妻家。八丁味噌のことを心から愛しており、死後、作り方などを細かくメモに残していたことが分かった。 達彦の良き理解者でもあり、達彦の上京にも寛容な態度を示していたが、一年も経たぬうちに病気のために急逝する。 松井輝一(まつい きいち) 演 - 竹内龍之介 達彦と桜子の息子。結核に冒された桜子とは会えずに育てられる。 浦辺仙吉(うらべ せんきち) 演 - 塩見三省 職人頭。徳治郎の弟子にあたる。愛称は「仙さん」。 八丁味噌に懸ける想いは人一倍である。戦況が厳しくなって味噌を統制価格で売らなければならなくなると、味噌を水で薄める与一の提案に猛反対し、師である徳治郎が実際に味噌を薄めてしまうと「こんなものは味噌じゃない!」と必死に制止した。また、かねが八丁味噌の製造中止を告げると職人を辞めることを告げた。が、桜子やキヨシらから影響を受けて職人として留まることを決める。 かねの病が悪化すると桜子を支えるようにと遺言され、桜子宛ての手紙も預かる。 達彦の生還は心から喜んでいたが、当主に復帰しないことよりも桜子と向き合わない態度に納得できないと言っていた。 年齢を重ねたある日、仕込んでいた味噌を腐らせる失態をしでかし、責任を取って職人を辞めると言い出す。が、桜子らが八丁味噌の予約を始めたことに心を打たれて続ける。 野木山与一(のぎやま よいち) 演 - 徳井優 番頭。ユニークな髪形が特徴。仙吉とは名コンビである。 桜子には帳簿の付け方を指導するも、帳簿付け間違いの事件があったために一時期は冷たく接していた。 戦時中の味噌の統制には同量のままで薄めることを提案するも仙吉から大反対される。 タネが「山長」で好き勝手を始めると桜子に電報で急を知らせる。タネのやり方に否定的で、夫妻の悪事を知りながらも、つい口車に乗ってしまって海軍に納める予定の味噌の横流しに手を貸してしまっていたが、かねに許されたことで番頭として留まる。 仙吉同様、かねの病が悪化すると桜子を支えるようにとの遺言を託された。 高島キヨシ(たかしま きよし) 演 - 井坂俊哉(少年時代:村瀬継太) 職人。仙吉を目標としている。幼い頃はガキ大将的存在であり、桜子をいじめていたが、成長するにつれて桜子へ片思いする。何度か桜子に想いを告げるも断られ、次第に達彦との仲を応援するようになる。 桜子が若女将修業に来てからも何かと桜子の味方をする。おふみから惚れられていたが、桜子の陰口を言っていたため、キッパリ意見した。 味噌の価格が統制された頃に召集礼状が届き、桜子にだけ先に打ち明け、10日ほどのちに出征する。一時帰還した際には達彦の遺書を桜子に渡した。 戦後は闇市で大儲けし、再度桜子に結婚を申し出るも断られる。 昭和21年4月の桜子の結婚式に出席していた。 吉村タミ(よしむら たみ) 演 - 阿知波悟美 達彦の元乳母。かねからは「おタミ」と呼ばれる。 かつて「山長」の賄いを一手に引き受けていた。味噌料理の名手で職人らの好物は味噌汁である。桜子の味噌屋修行のために18年ぶりに蒲郡から呼び寄せられた。寝起きを共にし、桜子の姿を見るうちに徐々に認め始め、料理を教え込むために特訓をする。 達彦は、幼少時代、タミの作った「鹿の子寄せ」が大好物だった。店が忙しかったため、達彦にとっては親代わりであった。 18年前、暇を出された腹いせに達彦を連れ出したとされていたが、実は誤解であり、かねのことを思って嘘をつき通していた。かねと和解すると、桜子に「鹿の子寄せ」を教え込み、達彦との18年振りの再会を果たして蒲郡へと帰って行った。 おふみ 演 - 藻田るりこ 店員。 キヨシに思いを寄せているが相手にされていない。桜子を想い続けるキヨシの姿を見ては嫉妬し、当初は桜子に八つ当たりしたり嘘をついたりすることもあったが、ひたむきな姿や店を守ろうとする姿を見て次第に認め、協力的になっていく。 お清 演 - 福田らん 店員。 おふみのキヨシへの想いを知っているため、何かと桜子の噂話をしては反発していたが、だんだんと協力的になっていった。 平助(へいすけ) 演 - 佐藤祐一 職人。 本編での直接の描写はなかったが、戦地へ招集されていたようで、いつまでも仕事に復帰せずにいる達彦を理解できずにいた。 松浦タネ(まつうら たね) 演 - 秋山菜津子 かねの妹。次女に生まれたばかりに「山長」の跡を継げなかった嫉妬と恨みは根深い。夫の利雄と呉服屋を営んでいたが、放漫経営がたたって店を閉めることになり、「山長」に恥を知らずに居候のように転がり込んで居座る。厄介者のトラブルメーカー。息子に甘いが他人には厳しく接する。 桜子が東京に出ている間に我が物顔で幅を利かせ、帳場を仕切るようになる。かねの懐にうまく取り入り、一時期は店での桜子の役割を奪っていた。 死期を悟ったかねからの遺言で念書を取り交わしていたが、死後は桜子に八つ当たり同然の言動をし、喪主の座を奪うばかりか、独断で従業員の解雇をしようとする。 達彦が正式に復帰すると傲慢な性格から孤立し始め、「山長」を去った。 利雄とは異なって店を守りたい気持ちが描写されている場面もあり、単なるワガママだけで行動したわけではないようである。 松浦利雄(まつうら としお) 演 - 六角精児 タネの夫。尻に敷かれがち。野木山曰く「『山長』に来てからは夜遊びばかりしている」。タネと結託し、無断で金庫の番号を変更したり蔵を物色したり、やりたい放題である。 達彦が戦死した噂を聞くと「山長」を乗っ取ろうと考えたが、タネと帳場を追い出されると勝手に道楽を始める。 かねが亡くなると法律を盾に身勝手な行動を正統化して当主の座を狙っていた。 また、達彦が戦地からの生還を果たすと、さも面白くないといった様子であった。 タネとは違い、店に興味がなく、財産目当てだったようである。 松浦太郎(まつうら たろう) 演 - 鈴木駿介 タネと利雄の息子。最初は礼儀正しいフリをしていたが、大の勉強嫌いで口が悪い。母を真似て、桜子を「居候」と呼んでいた。
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