BPM
「BPM」とは・「BPM」の意味
BPMは、心拍数や1分間の心拍平均を表す医療用語もしくは1分間の4分音符の数を速さの基準としてテンポをあらわす音楽用語として音ゲーやランニングの際に用いられる言葉、または、ビジネスシーンにおいて、組織内に存在する業務プロセス・ITの整合性などの問題点の分析、改善を繰り返すことでより効率的な業務プロセスを実現する手法のことである。医療用語として使われているBPMは、「beats per minute 」のことである。一定の時間内に心臓が拍動している回数のことで、通常は1分間の拍動回数のことを指す。心室が収縮すると血液が大動脈に送り込まれたときに波動が生じるが、このときに生じた波動は、心臓付近だけでなく全身の動脈に伝わっている。頸動脈や上腕動脈、橈骨動脈、大腿動脈、膝窩動脈、後脛骨動脈、足背動脈の7箇所で測定が可能とされているが、通常の場合は橈骨神経もしくは頸動脈に人差し指と中指の先を軽く当てて測定する。安静時の1分間の心拍数は、男性で60〜70程度、女性で65〜75程度が平均であるが、心臓の拍動数は自律神経によって調節されているため、体位や運動、精神状態などの影響を受けて変化する。また、薬剤の副作用でBPMが低くなったり、逆に高くなることもある。医療現場においては、患者の状態を正確に把握するための目安となる。
BPMと同じ意味を持つ言葉には、「ppm(pacing per minute)」「HR(heart rate)」があるが、全て1分間の心拍数を表す言葉である。厳密な使い分けはないが、病棟では「HR」、心臓カテーテルアブレーション治療や一時ペーシングカテーテル、ラボで頻拍周期を計る際には「BPM」「ppm」が使われることが多い。
音楽制作のシーンや音ゲーなどで音楽用語として使われているBPMは、「Beats Per Minute」のことである。1分間の4分音符の拍数のことを指す。楽曲の要素の一つとしてBPMは重要な役割を果たしており、楽譜上にはアダージョやモデラート、アンダンテなどの様々な速度標語とBPMの値を記した速度記号が表示されている。メトロノームを使用すれば正確な拍数を刻むことができるが、オーケストラなどのクラシック音楽の場合は人間の指揮にあわせて楽器を弾いている。クラシック音楽の演奏時には楽曲の表現の幅を広げるために、ためをつくったりと部分的に演奏する速度に変化をつけて演奏することも珍しくない。楽譜にBPMの値と速度標語の同時表記が行われている理由のひとつだと考えられている。
さらに近年、DTMによる楽曲制作が音楽愛好家の中で活発に行われることになったことにより、簡易的な音楽制作用のソフトウェアの開発が積極的に行われてきた。私達が日常的に耳にする音楽はパソコンで制作されていることが増えている。パソコンの音楽制作ソフトを利用すると、機械が作り出す正確なBPMで誰でも簡単に音楽制作を楽しむことができる。音楽制作ソフトは様々なメーカーから発売されているが、簡易版のソフトウェアを使う場合はBPMの速さの曖昧な指定ができないため、BPMの値をしっかりと指定する必要がある。また、ドラムマシンやDJ用の機材を扱う際にもBPMが必要になる。特にDJは、速さが異なる楽曲を連続して再生する時に、違和感なく観客が音楽を楽しむことができるようにBPMを調整する作業を担っている。
一般的に、BPMのことを「テンポ」という言葉で表現する人が多い。音楽にそこまで詳しくなければ、スローテンポやアップテンポというように音楽の速さを表現する。しかし、これらの言葉は、人の感じ方によって変化するとても曖昧なものである。楽曲の演奏速度に差を出さないためにも、BPMを使用して数値で速さを表す必要がある。
また、近年は働き方改革やコロナ禍の影響により在宅ワークを選択する人が増えている。通勤する必要がなくなり、外に出る機会が減ったことによって運動不足を感じ、健康維持を考えてランニングで運動不足解消をする人が増えてきている。ランニングにおけるBPMは、1分間に繰り出す歩数のことである。1分間に足を動かす回数と同じBPMの音楽をペースメーカーの代わりにすることで、無理なく楽曲の速さに合わせて走ることができる。一般的にランニング用音楽のBPMは130 〜150が目安となるが、幅があるため自分の歩数に合わせてプレイリストを作ると快適なランニングを楽しめる。ランニングは自分との戦いであるため、モチベーションが続かずに挫折してしまうこともあるが、自分の走る速さのBPMを計測して作ったプレイリストを聞きながらランニングすることで楽しく感じるようになり、モチベーションを上げることも可能である。ただし、イヤホンをしてランニングをする場合には、周囲の音が聞こえるよう音楽のボリュームを加減する必要がある。特に、踏切や交通量の多い道、工事現場などの近くは周囲の音が聞こえないと危険な場所である。周囲の音がはっきりと聞こえるように音楽のボリュームを小さくしたり、危険と感じる場所ではイヤホンを外すなどの配慮が大切だ。
ビジネスシーンで使用されるBPMとは、「Businesse Process Management」の略語である。企業戦略と業務プロセスの現状を把握して生産から営業、出荷、販売などを一連の流れとして捉えるとともに、業務の流れを分析して課題の特定を行うことである。この一連の流れは、タスクの連なりで表すことができるが、一般的に企業内で行われている業務内容の一連の流れを全て把握している人物はほとんどいないため、BPMをせずに問題点を特定するのは困難である。企業がBPMを導入して業務内容や工程を可視化すると関係者全員が業務内容や流れを把握できるようになり、二度手間となっている業務の一括化や遅れがちな工程に対する人員の増加、ITシステムによる自動化の導入などの計画を立てやすくなる。実際に計画を実行したら問題なく業務が流れているかを確認し、どの程度まで問題点の改善を図れたかについて効果を検証する。さらに新たな課題が見つかった場合は、さらなる改善策を計画して実行を繰り返していくことで継続的に問題を改善できるサイクルの確立を目指す。
さらに、近年ビジネス環境が大きく変化していることもあり、システムのネットワークを新しく導入するなど従来の業務とは内容が大きく変わることがある。BPMで業務プロセスが正確に把握されていると変更箇所の特定や変更した際に業務内容に及ぼす影響がわかるため、柔軟に対応することが可能となる。
「BPM」の熟語・言い回し
BPM測定とは
BPM測定とは、1分間あたりの拍数を数えることである。ダンスや楽器演奏の練習をする時など、楽曲のテンポを知りたい時に測る。誰にでも手軽にできるBPMの測定方法は、BPMを知りたい曲を流して聞こえてくるドラムのキックとスネアの音を1分間ひたすら数えることである。最近は、BPM測定アプリやオンラインサービスなども存在しており、BPM測定やノイズの除去、ボーカルや伴奏の抽出、音声のトリミング、声のトーン調整などの機能が揃っている音楽編集ソフトの『AudioDirector Online』や分析したい音源を指定すると1分ごとのBPMを瞬時に計測して表示する『MixMeister BPM Analyzer』などがある。
BPMの言い回しについて特筆すべき点は、音楽用語として使用する場合である。テンポが「速い」「遅い」という言葉を使って速さを表すのに対して、BPMは「高い」「低い」という言い回しになる。例えば、エレクトリックダンスミュージックなどのテンポの速い楽曲は「BPMの高いダンスミュージック」、ゆっくりなテンポで壮大な世界観のクラシック音楽は、「BPMの低いクラシック曲」と表現する。
ビー‐ピー‐エム【bpm】
ビー‐ピー‐エム【BPM】
読み方:びーぴーえむ
《business process management》企業で、業務活動をPDCAサイクルで管理し、効率化や最適化を図ること。ビジネスプロセスマネージメント。ビジネスプロセス管理。→BPMツール
BPM
読み方:ビーピーエム,ビジネスプロセスマネジメント
BPMとは、業務管理手法のひとつで、業務の流れを単位ごとに分析・整理することによって、問題点を見出し、最適な作業の仕方を模索する、という管理手法のことである。
一般的に、業務プロセスとは「一連の細かな業務の流れ(プロセス)が関わりあって形成している流れのこと」であるといえる。例えば資材の調達から製造、出荷、販売といった個々の作業がプロセスに当たる。BPMは、この個々のプロセスについて、効率化や統廃合といった改善を行うことができる。BPMを導入することによって、作業における人的ミスが低減され、またプロセスの迅速化を図ることができるようになり、新しいプロセスを差し挟む際には前後のプロセスへの悪影響を最小限に抑えることができる。
BPMの特徴のひとつとして、管理と改善は一回性のものではなく、一定のサイクルをもって常に行われるものである、という点が挙げられる。多くの場合、ビジネスの世界は状況が刻々と変化している。そこで常に最善を追い求めながら、改善を図って行くシステムとしてBPMは重要視されている。ただしそのような管理は人手では途方もなく負担がかかる。そこで、多くの場合、管理システムはIT系のツールとして、コンピュータの手助けを借りて、BPMを実現することになる。
BPMの図はワークフローのような形をしている。おおむね単純で規模も小さい用件なら、ワークフローの手助けは必要ないが、プロセスの数が多くなってくると、複雑さの度合いが増すため、進捗の監視などをワークフローツールによって行うことになる。
BPMツールは、ビジネスプロセスの効率化・迅速化・最適化を図ることができる。しかし難点として、導入コストがたいへん高いこと、自社に適したフローを設計し実装まで終えるには時間も多くは必要となること、といった点を挙げることができる。特にビジネスプロセスの設計段階でコンサルタントに委任してしまうと、費用もかさむ上に、現場から出てきた意見にも迅速に対処できないという難点もある。
参照リンク
Microsoft Office Visio 2003 評価導入ガイド ~ BPM (ビジネス プロセス マネジメント)
ビジネス戦略: | B2E B2G BSC BPM B2B2C e-business e-procurement |
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