アイスタープロダクション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/11 08:17 UTC 版)
「アイドル天使ようこそようこ」の記事における「アイスタープロダクション」の解説
SHIBUYAに事務所を構える弱小プロダクション。経営はいつも火の車で、ようことサキが入るまでは久美子のみが所属していた。原田いわく「他にもスカウトしたい人物はいる」が、経営状態が芳しくないため久美子、ようこ、サキの3人で精一杯の状態である。ただし、ストーリー内でオーディションを行っているシーンがある。 田中 ようこ(たなか ようこ) 声 - かないみか 本作品の主人公。愛称はヨッキュン。 ラジオで聞いた音楽と歌に感動し、シンガーになりたいために山奥の故郷からSHIBUYAにやってきた14歳の少女。口癖は「ようこの「よう」は太陽の陽」。 大きな輪に黄色いリボンが2つ付いた不思議なピンク色の髪型が特長。 純粋かつアクティブ的で、物怖じしないプラス思考な性格。さらに容姿端麗、運動神経抜群、学力優秀に加え、持ち前の明るさとポジティブ思考、太陽のような笑顔と歌声でSHIBUYAの住人に希望を与える存在になる。ただし山奥の田舎から上京したためか、上京したての頃はトップアイドルの「星花京子」を全く知らない、アイスクリームを食べたことが無いなど、都会の常識や時事には疎い一面がある。また、規則を「掟」、母親を「母君様」と呼ぶなど古風な一面がある。 実家はお金持ちらしく、番組初期に銀行で自分のキャッシュカードを使用したところ、凄まじい大金が出金されたシーンが見られた。 物語中盤より「アイスタープロダクション」所属のアイドルとしてデビューを果たし、持ち前の明るく純粋な性格や天使のような歌声で日本中を魅了させる。 シンガー志望であるため、歌うシーンが格段に多いのが特長。ほとんどはかないみか本人が歌っているが、ごく初期のみ田中陽子が歌っているシーンがある。 番組放映当初は過去や出身地などは一切明らかにされていなかったが、実は邪馬台国から続く四国の隠れ里の出身で、古代人(卑弥呼)の末裔であることが後に首藤によって明かされた。四国出身なのは田中陽子が徳島県出身であることに由来している。 彼女との会話では「ハイ!○○です。」や「○○だと思います。ハイ!」、「ハイ?○○ですか?」などと、ほぼ必ず敬語であり、「ハイ!」あるいは「ハイ?」が付くのが特長。これは「ようこはどの人物とも公平に仲良くする(無視したり嫌ったりしない)」という意味合いから付けられたものである。当時首藤はかないに「ハイ」は全て違った意味合いを持つように演技して欲しいと指導したと語っていた。主役のようことサキの担当声優は企画段階からかないみかと林原めぐみにほぼ決まっていたという。当時かないみかは声優活動だけでなく劇団目覚時計に所属して積極的に舞台活動を行っており、林原もまた演技力では特に高い評価を得ていて監督のアミノテツローからも絶賛されていた。この2人が、即興で歌が歌える、ミュージカルのような柔軟な演技力があるなど、首藤がミュージカル主体のアニメを作る際の条件にピタリと当てはまり、すんなり決まったという。 山杜 サキ(やまもり サキ) 声 - 林原めぐみ 女優を目指すため、SHIBUYAにやってきた15歳の家出少女。首藤いわく「もう一人の主人公」。 ようこに負けず劣らずのかなりの美少女で、大きな赤いリボンと水色のロングヘアーが特長。ようことは東京行きの新幹線の中で出会った。 芸能関係の時事には敏感でミーハーな一面があり、常にデータブックを所持している。SHIBUYAを上京先に選んだのも彼女で、データブックの「ここに来れば、何かに会える」と言う言葉を信じてようこと共に公園通りにやってきた。 反面、ようことは対照的に引っ込み思案で内向的な大人しい性格であり、ネガティブ思考が強く、ようこの言動に振り回されることもしばしば。口癖は「お先真っ暗のサキ」。しかし、他人や友人の助力を決して宛てにせず、できる限り自分の努力で女優になる事を決心して日々行動しているなど、その場の雰囲気に流されることは少なく芯はしっかりしている。 「おっちょこちょいで運動神経が鈍い」は本人の弁だが、暗算が得意という意外な一面を持つ。 普段はビル清掃や窓拭きなどのアルバイトに精を出し、アルバイトが無い日や時間がある時は自宅で芝居の自主稽古に勤しんでいる(ストーリー後半ではアクターズスクールに通っている描写もある)金銭感覚はしっかりしているようで、いざという時のために多数のクレジットカードなどを作っており肌身離さず所持している。ただし、実家の親元に請求が行くため安易には使えないためか、本作中で使う描写は無い。 食べ物の好き嫌いはないが、辛い食べ物(辛口カレーなど)が苦手である。また、ロック音楽も好きなようで、劇中ではインディーズ系ロックバンド「メガフォース」のライブコンサートにようこを誘っている。 彼女が女優を志願したのは内向的な性格を直すのと、大勢の人の前に立つと足がすくんで何も言えなくなる対人恐怖症を克服したいため。ただし、小学生の頃に着ぐるみのお芝居に出演したことがある。この時は着ぐるみで自身の顔が見えなかったために演技には問題が無かった。 初期の頃はごく普通の平凡な少女として描かれていたが、ようこと一緒に暮らすうちに人間的、精神的に成長していき、後半の「私のジュリエット」ではロンドンミュージカルの巨匠ライオネル・ウェーバー(声 - 肝付兼太)主宰のミュージカル「ミス・ジュリエット」の最難関オーディションを補欠ながらも見事に突破し、レギュラー入りこそは逃したもののウェーバーに才能と素質を見出されるまでに成長する。ようこのような天才的な資質や京子のようなカリスマ性を持たない平凡な女の子である彼女がストーリーを通じて最も成長したと言える。 最終的には「アイスタープロダクション」からプロデビューする予定で、その際彼女にも「サキューン」という愛称が付けられる予定だったが、その前に番組が打ち切られてしまったため実現しなかった。 元々女優志望のため、ようこと比較して歌うシーンは多くはないが、サキ自身が主役となった「私のジュリエット」では「水たまりの太陽」をソロで歌っている。 サキもようこ同様に過去や出身地は不明だったが、こちらも後に首藤によって京都府出身であることが明かされた。これは後述のモデルになった女性の出身地が由来となっている。ようこは実在する田中陽子から生まれたキャラクターであるが、サキもまた実在する人物がモデルになっている。モデルになった女性は現在も舞台女優として活躍している滝花幸代で、彼女はサキと同じく女優を目指すために1985年に18歳で京都府福知山市から単身で東京に上京してきた人物である。滝花はかないみかと親友で、1986年から1991年まで5年間、かないと同じ劇団目覚時計に所属して共演しており、その仲のよさは正に「ようことサキ」のような間柄だったという。サキと滝花は境遇や環境がよく似ており、また滝花とサキ役の林原は同い年でお互いが身近な存在だった。さらに滝花は劇団では女優だけでなく、文才豊かで演劇の脚本も幾つか担当していたことから本作品でも第4話と第35話で脚本を書いており、首藤は「かないさんと滝花さんの存在、そして林原さんの演技力がサキというキャラクター像を決定付けた」と語っている。 ムー 声 - 鈴木勝美 常にようこと一緒にいるペットの子供のムササビ。鳴き声は「ムー」。ようこたち人の言葉や気持ちを理解することが出来る。空を飛ぶことはできるもののムササビ飛行免許がまだ仮免許のため失敗も多く、よく空を飛ぶ練習をしている。 山下 秀樹(やました ひでき) 声 - 鈴置洋孝 弱小芸能事務所「アイスタープロダクション」社長。通称は「社長」で、ようこからは「社長さん」と呼ばれている。若い頃はSHIBUYAで原田や久美子とバンド「ムーンライト・キッス」を組み、エレキギターを担当していた。新人賞を受賞したもののその後は売れず、解散して3人で「アイスタープロダクション」を結成し、現在の地位に甘んじている。飄々とした性格で、ようこやサキと出会うまでは何事にも興味がなく物事を斜陽的にしか見ていない節があったが、2人に出会ったことで再び芸能界への情熱を取り戻し、本来の性格の中に野心的な一面を見せるようになる。普段はやる気がなくだらしのない態度を取っているが、いざという時には社長らしい毅然とした態度や行動を起こすため、ようこ、サキたち事務所内の人間からの信頼はとても厚い。久美子に好意を寄せているが性格上なかなか言い出せず、一時期は同じく好意を持っていた原田と久美子を巡って険悪な仲になったこともある。 原田 俊雄(はらだ としお) 声 - 大滝進矢 「アイスタープロダクション」のマネージャー兼スカウトマン。若い頃は山下、久美子と共にバンド「ムーンライト・キッス」を組み、サックスを担当していた。おっちょこちょいな性格でようことサキが来る前はアダルトビデオらしき怪しげな作品の女優のスカウトもやっていたが、2人が「アイスタープロダクション」に入ってからは2人を売り込むためにマネージャーとしても日々努力している姿が見られる。また、ロマンチストな面があり、バンド名の「ムーンライト・キッス」を考案したのも彼である。山下と同じく久美子に好意を寄せ、一時は久美子を巡って山下と険悪になったこともあった。とても温厚な性格で滅多に怒らないが、山下と険悪な状態になった時は彼の行動に激高して殴り合いのケンカに発展するほどの激情的な姿を見せた。 吉秋 久美子(よしあき くみこ) 声 - 島津冴子 「アイスタープロダクション」所属の女優。若い頃は山下、原田と「ムーンライト・キッス」を組み、ボーカルを担当していた。ようこやサキよりも前にSHIBUYAに迷い込んだアリスで、2人の良き大人、良き先輩として様々なアドバイスをしたり面倒を見たりしている。山下に好意を寄せているが、本人がいつまでたっても好意的なそぶりを見せてくれないためヤキモキしている。これが原因で一時は大手レコード会社の御曹司と結婚しそうになるが、結婚式会場に殴り込んだ山下と原田によって破談させられ、再び元の関係に戻った。
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