FPS
「FPS」とは・「FPS」の意味
「FPS」とは、大きく分けて2つの意味を持つ言葉である。ひとつは、ビデオゲームのジャンルを意味する。「first person shooter」という言葉の、単語の頭文字を取ってFPSとなっている。「first person shooter」とは、3DCGによる立体的な世界を舞台に、一人称視点でプレイするタイプのゲームだ。ゲームのモニターには、プレイヤーが自らが操作をするキャラクターの視点が表示される。そのため、プレイヤーは、目の前に現れる敵や風景、操作するキャラクターが持っている武器などを見ることとなる。FPSジャンルのゲームは、キャラクターの動きに合わせて、視点が移動する。そのため、常に死角が存在することになる。さらに、重火器のスコープを覗く、物陰から様子を伺うといったことも、ゲーム内のキャラクターと同じ視点で行うことになる。よって、プレイヤーがゲームの世界に入り込んだような感覚を味わいながら、プレイができるのが特徴だ。また、キャラクターと視点を共有することで、プレイヤーがキャラクターに感情移入し、ゲームのストーリーに没頭しやすくなるという効果もある。
FPSには「shooter」という単語が使用されているため、厳密にはシューティングゲームのみを指す。プレイヤーが重火器を持ち、対戦相手や目標を撃っていくゲームだ。しかし、シューティング以外のジャンルであっても、一人称視点であれば、FPSと呼ぶことがすでに一般的に浸透している。シューティングゲームではないからといって、「s」を取り除いて「fp」と呼ぶことはない。したがって、格闘やレーシングなどのジャンルにも、FPSのゲームが存在することとなる。特にレーシングゲームでは、一人称視点だと、地面と視点がより近くなる。そうすることで、より臨場感のある走行を楽しむことができる。よって、臨場感を重視するレーシングゲームでは、FPSが積極的に用いられる。
FPSゲームは、リアル系とスポーツ系に分かれる。リアル系は、フィクションでありながら、現実の人間とほぼ同じ能力を持ったキャラクターを操作する。リアルに再現された世界で、重火器などを用いて戦う。それに対してスポーツ系は、キャラクターが人間離れした能力を使用することができる。空を飛んだり、爆風の中でも無傷でいられたりするなど、様々な能力がある。
FPSの対義語としては、「tps」が挙げられる。「third person shooter」を略した言葉であり、三人称の視点を用いたゲームジャンルだ。FPSとは違い、キャラクターのほぼ全身がモニターに表示される。カメラが、キャラクターの斜め後ろ、あるいは上空から撮影しているような映像を見ながらプレイすることとなる。tpsでは、FPSよりも視野が広くなり、死角が少なくなる。また、キャラクターの様子を客観的に確認することができる。よって、操作がしやすくなる。FPSとtpsには、それぞれ異なるメリットがあり、どちらかが完全に優れているということはない。臨場感や、ストーリーへの没入を重視する場合は、FPSが選ばれることが多い。操作性や画面の見やすさを重視するのであれば、tpsが選ばれる。
FPSのゲームとして代表的なものとしては、「Apex Legends」が挙げられる。3人でチームを組み、バトルロワイヤルで生き残るために、他のプレイヤーたちと戦う。「Apex Legends」は世界的に高いシェアを誇り、FPSの代名詞として扱われることも珍しくない。そして、tpsゲームで有名なのは、「フォートナイト」である。「Apex Legends」と同様に生き残りをかけたバトルロワイヤルだが、キャラクターのほぼ全身を見ることができる。そのため、それぞれ異なるプレイスタイルとなる。また、「荒野行動」のように、プレイヤーの意思で、FPSとtpsを切り替えられるゲームもある。
FPSに関する用語としては、「トロール」が代表的だ。ゲームにおける迷惑行為を指す単語、「troll」が元になっている。FPSゲームでは、チームを組んで戦うことが多い。そのチームの足を引っ張るプレイヤー自身、あるいはそのプレイヤーの行為を、トロールと呼ぶ。嫌がらせとして故意に迷惑をかける他、過失によるミスや、初心者のおぼつかないプレイなどもトロールとして扱われることがある。そして、元はFPSのみで使用される言葉であったが、一般的に広く浸透し、tpsなど他ジャンルでも使われるようになっている。
「FPS」のもうひとつの意味は、フレームレートである。フレームレートとは、モニターで映像を表示する際に、何枚の画像を使用しているかを表す単位である。映像は、パラパラ漫画のように、内容の異なる複数枚の画像を連続で切り替えて表示している。そして、映像1秒当たりに何枚の画像を使用しているかを示すのが、FPSだ。「frame per seconds」の頭文字を取って、FPSとなっている。FPSが高くなると、それだけ使用される画像が多くなり、表示される映像も滑らかになる。そのため、FPSは高い方がいいとされる。しかし、FPSが高ければ、それだけ容量が大きくなり、コンピュータへの負担も増える。したがって、FPSは必ずしも高い方がいいとは限らない。
フレームレートを指すFPSは、ゲームジャンルとは全く異なる意味である。ただ、フレームレートを意味するFPSとゲームは、無関係ではない。ビデオゲームで表示される映像は、フレームレート、FPSに左右される。そして、FPSの値を、ゲーム内で設定できるようになっていることも少なくない。FPSを高くすると、映像は滑らかになるが、その分ゲームの反応が遅くなりやすい。FPSを低くすれば、動作が滑らかになりやすいが、画質が悪くなる。そのことを考えて、設定を調整する必要がある。FPSの設定を変えられるゲームには、おすすめ値が用意されていることが多い。それを参考にすれば、映像のクオリティと反応の良さを両立できる可能性が高い。
そのように、ゲームには、ジャンルとしてのFPSと、フレームレートを意味するFPSという、表記や発音は同じでも、意味が異なる2つの用語が存在することになる。したがって、FPSと表現するだけでは、意味が伝わらない恐れがある。よって、前後の文脈によって、どちらの意味であるのかを説明することが重要だ。また、言葉を受け取る側も、状況に応じて、どちらの意味なのかを判断する必要がある。
「FPS」の熟語・言い回し
FPS値とは
FPS値とは、フレームレートを意味するFPSと同義である。映像1秒あたりに使用されている、画像の枚数を示す言葉だ。ゲームジャンルのFPSと混同してしまわないよう、FPS値と表現することが多い。ゲームジャンルではないということが明確になっている状況では、わざわざFPS値を使用する必要はなく、FPSと表現しても特に問題はない。
60FPSとは
60FPSとは、映像1秒当たりに、60枚の画像を使用していることを意味する言葉である。フレームレートを意味するFPSは、1秒あたりに使用している画像の枚数を、頭に置くのが基本だ。そして、60FPSであれば、ある程度高画質な映像であっても、違和感なく滑らかに表現できる。そのため、映像を撮影、あるいは編集する際には、60FPSが選ばれることが多い。また、FPSを変更できるゲームでも、よく選ばれるのは60FPSだ。したがって、60FPSという言葉は、映像の撮影と編集を行う者や、ゲームプレイヤーにとって、非常に身近である。
ゲームFPSとは
ゲームFPSとは、ゲームの映像を表示する際の、フレームレートを指す言葉だ。フレームレートを意味するFPSは、映像全般に関係する言葉であるため、ゲーム以外の分野でも使用される。それをゲームの分野に限定する際に、ゲームFPSという言葉を使用する。ゲームジャンルを示す場合は、FPSゲームと表現するのが基本である。したがって、FPSジャンルのゲームを指す際に、ゲームFPSという表現をすると、意味が伝わらない恐れがある。
FPS比較とは
FPS比較とは、複数の数値に設定したフレームレートを比較することである。フレームレートを意味するFPSは、数値が高ければ、映像は滑らかになるが、その分容量が大きくなる。その結果、記録媒体に収まり切らない恐れがある。そして、FPSが低いと、容量は小さくなるが、映像が滑らかではなくなり、大きな違和感が生まれかねない。よって、FPSは容量と滑らかさのバランスが大事である。そのバランスを調整するために、FPS比較を行い、ちょうどいい数値を見つけなければならない。基本的には、FPSを異なる数値に設定した映像を見比べて、違和感の有無を確かめる作業となる。
エフ‐ピー‐エス【fps】
エフ‐ピー‐エス【FPS】
読み方:えふぴーえす
一人称シューティング
別名:一人称シューティングゲーム,ファーストパーソンシューティングゲーム,ファーストパーソンシューター,FPS
【英】First Person Shooter
一人称シューティングとは、テレビゲームジャンルの一種で、ゲーム内のプレイヤーの視点が再現され、ゲーム内の人物になりきってプレイするタイプのゲームの総称である。銃など敵を撃つ(shoot)タイプのゲームが多い。
一人称シューティングでは、人間の視野・視覚がゲーム画面として再現される。3DCGやそれに準じる技術を用いて、奥行きの要素を駆使したゲームが多い。あらかじめフィールド全体を俯瞰したようなイメージは得られない場合が多く、側面や行く手の様子を知るためには、側面を向いたり進行する必要がある。このような不自由さによって一人称シューティングの臨場感が演出されている。
ゲームによっては、サラウンドシステムに対応しているものもあり、音響設備を整えれば、プレイヤーの横や後方から音がするのを察知できるといった、よりリアルな3Dのゲーム世界を楽しむことができる。
一人称シューティングは、米国で登場し、米国を中心として主にPC向けのゲームソフトとして発達した。国内の家庭用ゲーム機においては、1990年代後半以降、PlayStationなどの登場により3DCGの処理性能が飛躍的に向上してから、一人称シューティングも一般的なジャンルとなった。カプコンの一人称シューティング「バイオハザード」シリーズなどは全世界で記録的ヒットとなっている。
fps
FPS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 05:52 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動FPS
- Frames Per Secondの略。フレームレートを表す単位。
- 筋膜炎脂肪織炎症候群(Fasciitis Pannicultis Syndrome)の略。
- ファーストパーソン・シューティングゲーム(和製英語。英語ではFirst-person shooter)の略。
- 中央大学総合政策学部の呼称(Faculty of Policy Studiesの略)。
- フィート毎秒(feet per second)の略。
- ヤード・ポンド法の単位系であるFPS単位系。feet-pound-secondの略。
- 形式冪級数(formal power series)の略。
- 連邦防護局(FPS-Federal Protective Service)アメリカ合衆国国土安全保障省内の警察組織の一種。
- FPS (電力事業者) 日本の特定規模電気事業者(新電力)。
FPS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 22:55 UTC 版)
「キャプチャー・ザ・フラッグ」の記事における「FPS」の解説
ファーストパーソン・シューティングゲームにおけるCTFでは、参加者は二つのチームに分かれ、マップ上にそれぞれの陣営が配置される。陣営には旗(あるいはその他の目標アイテム)があり、それぞれのチームは、相手の陣営にある旗を奪って自分の陣営に持ち帰るとスコアを獲得できる。一定時間内にスコアを多く獲得する、またはゲーム開始前に決めたポイント数を獲得したチームが勝者となる。なお、旗を奪われた場合、旗を持っている相手キャラクターを倒して旗を奪い返す必要がある。 攻撃と防御を交互に繰り返したり、一つの旗を奪い合うといったバリアントルールや、旗を持った場合に特殊な効果がつくといった特色のあるゲームも存在している。 チームワークや作戦が重要で、マップやゲームシステムに対する知識も要求されるため、ファーストパーソン・シューティングゲームに限らず、eスポーツの主要ルールの一つとなっている。
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