鑄造とは? わかりやすく解説

ちゅう‐ぞう〔チウザウ〕【鋳造】

読み方:ちゅうぞう

[名](スル)金属を溶かし、鋳型流し込んで物をつくること。「貨幣を—する」


鋳造(ちゅうぞう)

溶融状態のアルミニウム溶液鋳型流し冷却して所定形状製品鋳物)を作る方法のことです。鋳造は、砂型鋳造金型鋳造低圧鋳造、などの方法分類されます。

鋳造

英語 casting

金属材料加工法のひとつ。砂や金属つくった鋳型に、溶けた金属流し込んで凝固させ、鋳型から取り出して製品をつくることをいう。鋳型とは、つくろうとする形状と同じ形状空洞をもっている型。鋳造の3大要素は、湯(溶融した金属)、砂(鋳型材料)、型(鋳型の基になる模型)である。自動車では、エンジン部品(シリンダーブロックシリンダーヘッドカムシャフトなど)、ミッション部品(ミッションケースなど)、足まわり部品(デフケース、ディスクプレートなど)に使われる

鋳造

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

鋳造(ちゅうぞう)

金属の塊を溶かし、金型(鋳型など)に流し込んで成型する方法のこと。鋳造は木の型であれ、金型であれ、型をつくらなければならない。しかし、基本的に一回型を作ってしまえば、あとは溶かした金属流し込むだけなので、同じ形状のものを作りやすい。しかしコンピューター進化にともない加工に関しては不利といわれていた鍛造(たんぞう)でも同じ形状ものを作るのはたやすくなっている。 現在は価格の面で、鍛造より大幅なアドバンテージがあるので、現行のスポーツモデルにはほとんど鋳造のホイール(キャストホイール)が採用されている。寺社釣鐘大仏作る手法根本的に同じだちなみにミニカーなどの製造方法でよく使われているアルミダイキャストも鋳造の一種高圧鋳型流し込む製法だ。
鋳造


関連用語キャストホイール

鋳造

溶解炉金属加熱して溶融し溶けた金属(湯)を鋳型流し込み冷却凝固させて製品をつくる方法材料には、鋳鉄、鋼のほか、アルミニウム合金銅合金チタンなどの合金使用される
  鋳造では、まず最初に製品同一形状模型作り、それをけい砂などの鋳砂に埋め込み模型取り出して製品とほぼ同じ形状空洞を持つ鋳型作成する製品の形状によって、中子作る場合もある。この鋳型溶融した金属(湯)を流し込む鋳込め)。その後、湯は冷却され固まった金属鋳型から取り出し必要に応じ機械などで仕上げ加工行い製品とする。鋳造で得られる製品総称して鋳物という。
  鋳造では、鋳型形状に応じて複雑な形の部品作成できるので、機械部品建築金物などの工業製品をはじめ、鉄瓶美術工芸品製造方法などとして、幅広く用いられている。特に中空構造成形は鋳造特有のものであり、花ビンエンジンシリンダーブロック製造などに生かされている。
  鋳造法大きな分類には砂型使用するものと金型を使用するものがあるが、砂型金型拘わらず、特に寸法精度良いものを精密鋳造呼び、その代表的な製法としてはロストワックス法インベストメントモールド法)などがある。

鋳造の主な種類
 
生砂型鋳造法(手込造型機械造型)、乾燥鋳造法自硬性鋳型鋳造法熱硬化鋳型鋳造法シェルモールド法)、ガス硬化鋳造法消失模型鋳型鋳造法フルモールド法)、減圧造型鋳造法(Vプロセス鋳造法など)
ロストワックス法インベストメントモールド法)、セラミックモールド法、プラスターモールド法
重力鋳造法ダイカスト法低圧鋳造法

用語解説

鋳鉄
炭素2%以上含む、-炭素合金ケイ素マンガン、りん、硫黄含み流れ性が良いため鋳造に用いられる
炭素含有量が0.03〜1.7%の-炭素合金性質改善するためニッケルマンガンなどを含む鋼は特殊鋼という。
※本用語集は、索引元の東大阪市製造業支援サイト「東大阪市技術交流プラザ」において、平成16年度委託事業で構築したコンテンツです。

鋳造 (ちゅうぞう)

金属を溶かして、型に流し込んで製品をつくることを言います


鋳造

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/27 02:34 UTC 版)

鋳造の様子

鋳造(ちゅうぞう、: casting)とは、金属加工法の一種。高温で溶融した液体の金属を、、耐火物、金属などで作られた型に流し込み、凝固させて目的の形状を得る加工法である[1]。鋳造に使用する型を鋳型(いがた)、鋳造して作った製品を鋳物(いもの)という。ただし英語のcastingでは鋳造と鋳物の双方を指す[2]

鋳造に対し、金属をハンマーなどで叩いて変形させる加工方法鍛造(特に工芸では鍛金)と呼び、いずれも人類歴史の中で古くから利用されてきたものである[3][4]

概要

日本の鋳造工場

鋳物は、材質によって銅鋳物、銑鉄鋳物、ステンレス鋳鋼、アルミニウム鋳物、マグネシウム鋳物、亜鉛鋳物などに分けられる[1]。歴史的には、銅合金から鋳鉄、鋼(鋳鋼)に変遷し、さらにアルミニウムやマグネシウムの鋳物が登場した[1]

鋳型造型技術には古代には石型や粘土型が用いられた[5]。その方法には原型なしに直接鋳型を造る惣型法と、木、土、金属石膏漆喰、蝋などで原型を製作してそれをもとに鋳型を造る原型法がある[5]

木で模型を作り、それをもとに砂で鋳型を造る方法は、18世紀以降のヨーロッパで鉄の溶解技術が進歩するのとともに発達し完成された[5]

複雑な形状の鋳物を製造する場合には、模型の分割、中子、幅木などが必要となる[1]。中子は鋳物に中空部を作るための部品である[5]

砂型で鋳物を製造する場合、まず鋳物の外形を形作る外形模型を製作し、これを枠に入れて砂を詰めて砂型を製作する[1]。さらに中空にするための中子を製作し、鋳型に溶融金属(鋳造では湯あるいは溶湯という)を入れるための湯口やガス抜きの孔を設ける[1]。このほかに押湯と呼ばれる部分が設けられ、これは金属の凝固時に5パーセント程度収縮するが、この収縮分が鋳物の内部に入り込まないようにするためのものである[1]

歴史

鋳造によって作られた古代中国の鉄刀(環首刀

鋳造は紀元前3600年頃にメソポタミア青銅を利用して始まったとされる[6]。さらにふいごの発明でより高い温度を得られるようになり青銅器時代は全盛となった[6]

の鋳造技術は紀元前7世紀頃に中国で発明された[6]。しかし、古代の鋳鉄は黒鉛をほとんど含まない硬くて脆い材料で加工が困難であった[6]紀元前470年頃にはそれを約900から1000℃の酸化鉄内で3日間加熱して可鍛鋳鉄にする熱処理の技術が用いられていたという研究もある[6]

ヨーロッパでは、18世紀まで鋳鉄は硬くて脆いものとされていたため鍛造した鉄が重宝されていた[6]。その後、1735年エイブラハム・ダービー2世英語版高炉での鋳鉄の製造に成功し、シリコン含有量の高い加工可能な鋳鉄を製造できるようになったことで、蒸気機関などの製造が可能となり産業革命が起こるに至った[6]

改鋳

金属製品は長期の使用や保存に耐えうる性質に優れるが、それでも劣化により用をなさなくなったときは、既存の鋳物を原料に再び鋳造して製品とすることがよく行われる。これを改鋳吹替えと呼ぶ。

鋳造法の種類

鋳型による分類

鋳型による分類では、砂型鋳造法、金型鋳造法、特殊鋳造法(精密鋳造法)などに分けられる[1]

加圧適用による分類

鋳型による分類とは別に加圧適用による分類がある[1]

  • 低圧鋳造法、差圧鋳造法
  • 重力鋳造法
  • ダイカスト法
  • 高圧鋳造法
  • 半溶融・半凝固鋳造法

その他の分類

教育・資格

日本

日本では鋳造技能士が存在する。

フランス

フランスでは以下の国家資格が存在する。

  • 資格レベル5 - CQP Agent de préfabrication en démoulage différé de l'Industrie du béton
  • 資格レベル4 - TP Technicien (ne) supérieur (e) en conception industrielle, option outillages de moulage
  • 資格レベル3 - 職業学士(Licence ProfessionnelleProduction industrielle, Spécialité DAO/CAO/FAO, moulage des matériaux (plastiques, alliages légers, verre, terre cuite)

硬貨の「鋳造」と「改鋳」

富本銭と鋳棹(複製品、貨幣博物館

硬貨の製造も「鋳造」(: minting) と表現するが、これは砂金や地金を重量によって取引する秤量貨幣に対する、額面保証の刻印を有する鋳造貨幣[7]の製造を指す。鋳貨は古くは実際に鋳物として製造されたが、現代の硬貨では鋳造は原料インゴットの製作工程に留まり、圧延・円形打ち抜き・図像のプレス加工によって成形される[8]

硬貨の品位量目の変更も、鋳物の作り直しと同様に「改鋳」(: remint) と呼ばれる。

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i 里 達雄「鋳物の魅力と現代の鋳造技術」『化学と教育』第55巻第8号、公益社団法人 日本化学会、2007年、394-397頁。 
  2. ^ casting”. 新英和中辞典. 研究社. 2020年2月29日閲覧。
  3. ^ 高橋裕男「鍛造」『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館https://kotobank.jp/word/%E9%8D%9B%E9%80%A0コトバンクより2024年11月9日閲覧 
  4. ^ 原田一敏「鍛金」『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館https://kotobank.jp/word/%E9%8D%9B%E9%87%91コトバンクより2024年11月9日閲覧 
  5. ^ a b c d 千々岩健児「古代の鋳物技術について」『生産研究』第9巻第9号、東京大学。 
  6. ^ a b c d e f g 菅野利猛. “世界文化遺産、韮山反射炉の10大ミステリーを解く”. 2020年5月15日閲覧。
  7. ^ 鋳造貨幣https://kotobank.jp/word/%E9%8B%B3%E9%80%A0%E8%B2%A8%E5%B9%A3コトバンクより2022年10月24日閲覧 
  8. ^ 貨幣の製造工程(その1), 貨幣の製造工程(その2), 独立行政法人造幣局ウェブサイト, 2014年7月18日閲覧.

関連項目

外部リンク


鋳造

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 07:26 UTC 版)

製鉄所」の記事における「鋳造」の解説

取鍋運ばれてきた溶鋼は、加工しすいよう一定の形に鋳固められるが、その工程を鋳造と呼ぶ。日本では上下開口した鋳型の上部から溶鋼注入しあたかもところてんのように連続して鋼を鋳固めてゆく連続鋳造という方式採用進んでいる。連続鋳造極めて高度な技術管理が必要であり、鉄鋼各社生産性品質レベルの向上にしのぎを削っていたが進歩はほぼ終了し連続鋳造適切でない鋼材については昔ながらインゴット鋳造も併存している。連続鋳造成分制約大きく受け、固液共存温度幅が小さくデルタフェライトδ鉄)が出ない熱間脆化元素含まないといった狭い条件においてのみ適用可能な技術であるのに対しインゴット鋳造する方法ではその縛り受けないためと、生産量小さくなる特殊鋼場合では、多量溶けた鋼を要する連続鋳造では全く刃が立たないためである。 鋳造されたものは、その形状によりおおむね下記のように分類される。これらはいずれ半製品として次の工程材料用いられるスラブ 巨大なかまぼこのような形状。主に厚板薄板加工ビレット 巨大な円柱または角柱形状。継目無鋼管や小サイズ形鋼棒鋼線材などに加工するブルーム スラブよりも小断面・厚肉で、羊羹のような形状各種形鋼棒鋼線材また上ビレットなどに加工ビームブランク ブルーム中でも、特にH字型に近い形に鋳造されたもの。H形鋼専用素材

※この「鋳造」の解説は、「製鉄所」の解説の一部です。
「鋳造」を含む「製鉄所」の記事については、「製鉄所」の概要を参照ください。

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鋳造

出典:『Wiktionary』 (2021/06/26 02:02 UTC 版)

名詞

 ちゅうぞう

  1. 金属溶かして型に流し、物を作ること。鋳物いものづくり。

発音(?)

ちゅ↗ーぞー

関連語

翻訳

動詞

活用

サ行変格活用
鋳造-する

類義語

翻訳


「鋳造」の例文・使い方・用例・文例

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