血統一覧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/27 09:39 UTC 版)
「BLACK BLOOD BROTHERS」の記事における「血統一覧」の解説
作中に登場する吸血鬼の血統。 賢者イヴ 「賢者イヴ」ことアリス・イヴを始祖とする血統。「血を吸った者の性質を身につける」特性を持ち、他の血統の吸血鬼の血を吸うと、その力と性質を身につけることができる(無論、弱点も身につけることになる)。アリス・イヴに血を吸われ、その一部となることはあらゆる吸血鬼にとっての最高の栄誉である。アリス・イヴは夜の世界の者達の畏怖と畏敬を集めているが、一方で「全ての血族と関わりを持ちながら絶対の中立を保つ」という宿命を持ち、常に血族間の様々な思惑にさらされ続けている。 始祖アリス・イヴは自身の血族を1人しか持たず、血族として選ばれた者は「護衛者」と呼ばれる。アリス・イヴは死ぬとその遺灰の中から新たな個体として転生するが、1度死ぬとそれまで身につけてきた他の血統の能力や数千年生きてきた記憶を全て失ってしまう。そのため、賢者が死に瀕した際、護衛者は賢者の血を吸うことで賢者の「力と記憶」を一時的に預かり、転生して無力になった賢者が目覚めの時を迎えるまで護衛する役割を担う。そして、賢者が目覚めの時を迎えた時、自らの血と共に賢者から預かった力と記憶を賢者に返し、賢者の一部となる。そうして繰り返されてきた賢者の血統は、数々の伝説ともに「最も古くから月の下にあった」とされ、「死を超越した血統」と呼ばれる。 九龍の血統 「導主アダム」ことアダム・王を始祖とする、1997年に九龍で生まれた最も新しい血統。誕生した時から「混血」という宿命を持つために「血を吸った(取り込んだ)相手を転化させる」特性を持ち、九龍の血統に血を吸われた者は、九龍の血統の血を飲んだ時と同様、吸血鬼へと転化する。また、その転化の力は人間だけに留まらず、他の血統の吸血鬼であっても九龍の血統の吸血鬼へと転化する。その強力な転化の力は、九龍の血統が1人生き延びていれば、10年後には世界人口の半数が九龍の血統に染まると言われるほど。 九龍の血統の血は強力であり、九龍の血統は転化直後でも強い戦闘能力を発揮する。また、他の血統が九龍の血統に転化した場合、九龍の血統に転化する前よりも強力な力を発揮する。このほか、満月の下で能力が最大限に発揮される、吸血した相手を支配下に置くなどの力や特性を持つ。また、「変革」を望むゆえに「乱を好む」という宿命をもつ。 他者を強制的に転化させる力を持つため、人間は勿論、他の血統の吸血鬼からも忌み嫌われており、「人間と吸血鬼の共存」が基本理念であるカンパニーも九龍の血統に対しては殲滅を前提として動く。この血統の暴走が、吸血鬼と人間を巻き込んだ争乱である「九龍ショック」を引き起こした。 魔女モーガン 欧州でも随一の魔術に長けた血統。一族は「ウォーロック」の姓を名乗ることから、血族を指して「ウォーロック家」とも呼ばれる。現在は「三姉妹」と呼ばれる3人の直系が支配している。血族として過剰なプライドを持つものが多く、ケインは自身の血族にあまり好感を持っていない。香港聖戦には最後まで不参戦を貫く一方で聖戦終結後の混乱に乗じ、ケインに命じて資本を動かし莫大な富を蓄えた。古くから人間社会、特にイギリス政府と密な繋がりを持ち、欧州各地に血族を潜りこませて人間社会の動向を見つめていた。また集めた情報を政府と取引し、欧州におけるウォーロック家の立場を磐石のものにしていった。 長い歴史を持つ血族ではあるものの、現在の地位を築くまでに「術聖マーリン」の血統を追い落とし、また人間社会と接触するというタブーを犯してきたことから欧州系吸血鬼の間では手段を選ばない成り上がり者と見られ、煙たがられている。 真祖混沌 史上最も偉大な吸血鬼といわれる「真祖混沌」を始祖とする血統。大陸中に血族が存在し、血族としては世界最大の勢力を誇る。大地の力「龍脈」を尊び、自然の力を血に取り込むことで欧州系血統の中では二分されている「血に依存する魔術」と「自然の力に依存する魔術」を1つのものとして操る。特に始祖に近い世代の者は「奇門遁甲」と呼ばれる時空に干渉する力を操る。直系は死を迎える度に他の直系の肉体に転生する(後述)。この血統に代々仕える人間の一族が存在する。 真祖混沌の血統には常に「東の龍王」「北の黒姫」「西の虎仙」「南の朱姫」の4人と、既に肉体の滅した混沌の器の役割を担う8人の計12人の直系が存在し、4人の直系の誰かが死んだ場合、混沌の器である8人の内の1人を器として転生する。4人の直系の転生によって混沌の器が1人減ると、彼らの血統に仕える人間の一族から選ばれた1人が、混沌の奇門遁甲によって混沌の肉体が存在していた数千年前の過去にタイムスリップし、「真祖混沌」の血統の直系へと転化し、4人の直系の転生のための器となった者に代わる混沌の器になる。この術法のため、4人の直系が何度転生を繰り返しても直系の数が減ることはなく、4人の直系が転生する肉体は常に「数千年の時を生きた直系」である。 4人の直系には格があり、一度も転生していない西の虎仙の格が最も高く、数度の転生を繰り返している東の龍王は最も格が低い。 闘将アスラ 戦闘そのものを宿命付けられた世界でも稀有な血統。転化直後から強力な力を発揮し、同族内での戦いも忌避としない。「視経発火」を操る血統の中では特に強力な力を持ち、最強の視経発火「螺炎」は火神アグニの火矢と称される程の威力を持つ。その宿命ゆえに血族が極めて少なく、生き残っている血族は特区に住む三世ゼルマンのみ。 術聖マーリン ヨーロッパでも有数の魔術に長けた血統。始祖マーリンは現在吸血鬼の間で広く使われている様々な魔術を最初に体系化したとされる偉大な魔術師。長い間欧州系血統の筆頭にあったが、時代の流れに適応できず18世紀の産業革命を機に衰退し、逆に台頭してきた「魔女モーガン」の血統とイギリスでの覇権を争った。1888年に血族内の者が「切り裂きジャック」として表舞台に姿を表す不祥事をきっかけに他の血統からの信頼を失い更なる衰退を見せ、1895年のロンドンで最後の血族が滅び血統が途絶えてしまう。 義士ピクロテテス 九龍ショック後の苛烈な吸血鬼狩りによって弱体化した血統。特区に来た際ミミコが調停を担当した。深く義を重んじる血統だが、それが原因で特区の存亡を揺るがす大事件を起こしてしまう。その際の経緯でミミコに深い信頼を置き、ミミコがカンパニーを解雇された後も一族の長・キケロはミミコに積極的に協力してきている。 豪王フォワード 「豪王フォワード」ことギルバート・フォワードを始祖とする、第二次世界大戦後に誕生した血統。他の血統が根を下ろしていないアメリカで独占的に勢力を広げた血統であり、人間社会に積極的に関わってきている。なお、始祖が誕生してから100年経過していないため、豪王の血統に属する古血は存在しない。 特区崩壊に際して「赤い牙」に大損害を受ける。その後、葛城ミミコを代表に戴いた新生カンパニーと、互いの利害を図りつつ反「九龍の血統」の協調路線を取りつつある。 壮剣ローラン 「正義」を尊ぶ剣士の血統。一人前と認められた後は大半の者が放浪の旅へと出るため、血族の元には年長者はほとんどいない。「聖騎士」として知られるペンテウス・ハーゲンダルフおよび、現在豪王フォワードの客分として「赤い牙」を率いるジャネット・ハーゲンダルフはこの血統出身である。「正義」を尊ぶゆえに思い込みが激しく、直情径行かつ猪突猛進な性質になる血族がほとんどで、ペンテウスやジャネットもその例に漏れない。 狼王ガルー フランスの有力な地位を築いた血統。欧州では珍しく親人間派に属する。20世紀前半までは人間との係わりを持たなかったが、竜飼の血統がナチスに組したことを機に、ドイツ軍占領下のパリにて軍内部に潜む竜飼いの血統を掃討し、さらに若い血族を中心としてパリのレジスタンス運動を支援するなど、徐々に人間社会へ干渉するようになった。戦後は「竜飼」に代わってドイツを勢力下におくようになる。 「東の龍王」セイと(恐らく「南の朱姫」を通じて)間接的に交流を持っており、そのため香港聖戦時には龍王に力を貸す形で参戦した。特区設立後は血族の中から一人を住まわせており、特区インパクトの後は彼から得た情報を整理し、各血統の動向を伺いつつ今後の動静を図っている。 竜飼ウォルフ ドイツを拠点としていた欧州でも有数の強力な血統。20世紀前半までは齢1000歳の古血ゲオルグ・フォン・ツェーゼルが代表を務め、必要以上に人間との接触を持たない旧体制派の主勢力であったが、守旧的方針に反発した同族の者達が起こしたクーデターによってゲオルグが死亡。以降この血統は、統率力を失って瓦解していった(実際はクーデターの裏に「氷牙イーリャ」の血統の策略が絡んでいる)。その後、情勢の混乱の中かつての隆盛を取り戻すためにナチスと手を結んだことで欧州各地の血族を敵に回し、第二次世界大戦中にほぼ滅亡に追い遣られた。 老牙ニザリ 夜の世界において殺しを生業とする暗殺者の血統。血族内における規律・罰則は想像を絶する厳しさであるといわれている。「五針」と呼ばれる5人の長老によって統率されており、高等魔術「霧化」の使い手としても知られる。 氷牙イーリャ モスクワ大公国、ロシア帝国の樹立以来、宮廷内に同胞をもぐりこませロシアで勢力を伸ばしてきた古い血統。数千年間、「千の目のイワン」と呼ばれる大吸血鬼が長老を務めていた。同じく人間社会と密な繋がりを持つ魔女モーガンの血統と引き合いに出されることが多く、欧州系の吸血鬼からは煙たがられることが多い。 長イワンによる様々な諜報活動と工作により広い縄張りと情報網を有し、欧州系血族の中でも随一の勢力を誇っていたが、1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故による放射線障害でイワンの力が弱体化し、長が代替わりした。代替わりした長も「千の目のイワン」を名乗ってはいるものの、先代ほどの辣腕振りは無く、かつての隆盛は失われつつある。また、代替わり以降は徹底した事なかれ主義を貫き、九龍ショック、特区インパクトに対しても静観を決め込む。 典司ソロモン かつて東欧やアラビアで魔術の祖として知られた、魔術に長けた古い血統。「魔女モーガン」や「術聖マーリン」が吸血鬼の血の魔力によって直接魔術を行使するのに対し、「典司ソロモン」の血統は血の魔力を介して大地や月光などの自然の力に働きかける儀式的な魔術を得意とする。 人為的に始祖を生み出す禁術を秘匿しており、第二次大戦中にそれを嗅ぎつけたナチス、そしてナチスと手を組んでいた「竜飼」の血統の襲撃を受け、ほぼ全滅に追いやられる。 月匠ゴーバン 「月華の使徒」と讃えられる細工師の血統。吸血鬼にとって神聖な天体である月の魔力を完璧に操り生み出される月匠の魔法細工は、あらゆる血統の美術的崇拝の対象となっている。月光の魔力を操ることに長ける反面、太陽に対して極端に弱く、まともに日光を浴びるとどれだけ厚着をしていても瞬時に灰と化す。技術者ギルドのような体質から戒律は大変厳しく、反逆者が国外に逃げた場合、「老牙ニザリ」の血統に誅殺を依頼している。 その他 上記以外にも「舞姫バサラ」「聖槍ホリン」「智眼オルデン」などさまざまな血統が存在するが、これらについては血統の特性、血族の特徴などが明らかとなっていないため、詳細は省く。
※この「血統一覧」の解説は、「BLACK BLOOD BROTHERS」の解説の一部です。
「血統一覧」を含む「BLACK BLOOD BROTHERS」の記事については、「BLACK BLOOD BROTHERS」の概要を参照ください。
- 血統一覧のページへのリンク