神器関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 02:57 UTC 版)
神器(セイクリッド・ギア) 「聖書の神」が作ったシステムで、不思議な能力を所持者へ与える異能の一種。「所有者の想いと願いの強さに応えるように力を顕現させる」というルールがあるとされ、所有者の精神の変化に応じて新たな機能を目覚めさせることがある。多くは人間社会で使用可能なレベルでしか発現せず、形としてはっきり具現化させるには一定以上の条件と力が必要とされるが、歴史に名を残した人物や有名なスポーツ選手などが自覚のないまま所有している場合もあるため、そう珍しい物ではない。 与えられる能力はさまざまだが、発現するのに「使い手の善悪」や「『聖書の神』への信仰の有無」は関係ない上、教会内でも神器の存在を知る者は上位者に限られるためか、神の奇跡よりも「悪魔の業」と誤解され迫害を受ける所有者や、親族から異質な力を気味悪がられて辛い幼少期を送る所有者も多い。また、五感から発動する神器は持ち主のキャパシティが足りないと、自然に動きだして害悪となる危険極まりない代物となることもある。 先天的に神器を宿すのは人間、もしくは人間の血を引く者のみだが、持ち主から奪いとって自身に移植するなどして後天的に神器を手に入れることも可能。ただし、神器はそれ自体が持ち主の生命力や魂と密接に結びついているため、強制的に神器を抜き取られた者は大抵死亡する。手に入れた場合にしても、神器の能力・力によっては元々持っていた能力が使えなくなったり、神器の制御に才能のほとんどを費やすことになりかねない。作中ではレイナーレがアーシアから奪った「聖母の微笑」を使っていたが、あの時点で使用できたのはあくまで基本的な能力のみで、より大きな力が使えるかは持ち主次第。また、2種類以上の神器を手にすることも可能だが、よほどのことがあったか、よほどの者でない限り同時に使うのは難しく、体力や魔法力を大きく消耗し、時には命すら削ってしまう危険性がある。 所有者の中には神器に対する抵抗力が低く、本来の作用が変質したせいで身体に異常をきたしたり神秘の力に呪い殺されてしまう子供も居る。「神の不在」以来このような不具合が増えているが、天使長のミカエルであっても「聖書の神」自身が作り上げたプログラムに介入できないため対応が後手に回っている。三大勢力の和平が成立したことで安全に神器を取り出す技術が進歩しており、まだ不完全ではあるが以前よりは神器による悲劇も少なくなってきている。 能力を行使する際に神器が籠手や翼のように何らかの形をなして、力を発現するための装置を作るものは「具現型」と称される。この場合、宝玉などのパーツはあくまで機能の1つでしかない付属品のようなものであり、戦闘で破損しても所有者に余力がある限り再生させられる。また、神器そのものが通常のものと異なる場合は「亜種」と呼ばれる(例:ヴァレリーの「幽世の聖杯」、ジークフリートの「龍の手」)。 系統は「属性系」「結界系」「創造(クリエイト)系」「独立具現型」「封印系」「状態変化」「防御」「カウンター」などと多岐に渡る(個々の詳細は後述)。神滅具(ロンギヌス) 「神をも滅ぼす具現」を意味する、神器の中でも神すら滅ぼすことが可能な力を持つと言われる特殊な神器。持ち主が所持しているか「生きている」限り、同じ能力を持つ神器は存在しないという唯一無二の神器である。「2種類以上の能力をあわせ持つ」特徴があり、一例として「赤龍帝の籠手」は力の倍増+力の譲渡となる。所有者の才能や創造力をすべて汲み取り、実現できるだけの受け皿・実現性を持つため、禁手に至った場合の能力増大や能力増加において顕著な格の差が生じる。このことから「拡張性の高い神器」なのではないかとアザゼルは考えていた。 「神滅具」という概念が生まれた頃は「黄昏の聖槍」のみであったが、時代を経るごとに数が増えていき作品開始時点で、13種(そのうちの4種は上位神滅具)が確認されていた。そして最終章にて、新規神滅具が5種類(うち2種が上位クラス)追加され、全18種となった。また今世の所有者はすべて禁手、あるいはそれ以上の形態に至っており、研究者の間では未曽有の出来事に備えてシステムが起こした状況だという説が有力視されている。 上位クラスは使いようによっては、国を滅ぼすことも十分可能であり、世界に大きな影響を与える規模になる。古来より所有者は三大勢力いずれかの監視下に置かれていたが、今世においてはその所有者の発見や特定に難航している(イッセーの場合も「危険かもしれないから処分」→「(「龍の手」と誤認されて)ザコ」→「やはり危険、しかも神滅具持ちだった」と二転、三転した)。また、二天龍を始めとした強大な神獣・魔獣を封じた神器は他の神器に想定外のイレギュラーを引き起こす要素を持つ。 「聖書の神」亡き今となってはなぜ「神を殺せる神器」という逸脱した物が作り出されたのかは永遠に謎のままとなったが、一部では他の神話勢力への侵略に用いる意図があったのではないか、「聖書の神」に何かがあった時に三代勢力を守る目的があったのではないか、などという考察が為されている。魔獣騒動や邪竜戦役などの大事件の発端ともなったことなどから、ハーデスの一派を筆頭に危険視する者たちも多い。 禁手(バランス・ブレイカー) 神器の力を高め、ある領域に至った者が発揮する神器の最終到達点とされる現象。所有者の力量、または心と体に劇的な変化が訪れたとき、所有者の想いや願いが世界に漂う「流れ」に逆らうほど劇的な転じ方をしたときに至る領域で発現する。基本的には元の力のあり得ないほどのスケールアップだが、使い手の認識によって異例な形の別物に「化ける」こともある。使いようによっては「世界の均衡を崩す力」という意味でそう呼ばれる。また、神器によって禁手はある程度決まっているが、本来の禁手とは異なる形の「亜種」の存在も確認されている。なお、「禁手と化する」ことを「禁手化(バランス・ブレイク)」と呼称されている。 どの神器も禁手に至る可能性があるが、強力な神器が必ずしも禁手になるわけではない。基本的に異能を高めなければ覚醒しないが、イッセーの左腕のように何かを代償にすることで強引に禁手化することはできる。また、使用中は体力などの消耗が大きく、前述のイッセーのケースでは10秒も禁手を維持できず、発動後は3日間は再使用できなかった。 その可能性については大きく3種類が存在する。亜種も含め強化・進化させたものは「昇華面(クレスト・サイド)」、自己と神器の有り様を狂気の領域まで追及して自ら神器と混ざり合うことで体現させたものを「深淵面(アビス・サイド)」、それらに分類することのできない突然変異を「慮外面(イクス・サイド)」と称する。大半は昇華面に分類されるが、イッセー、ギャスパー、匙のように深淵面と慮外面の複合ともいえるような変化を遂げる場合も存在する。また、禁手化当初は昇華面であったが、後の研鑽と調整でその能力が変化し深淵面寄りの亜種に至るという例が幾つか確認されており、通常形態と深淵面形態は自由に変更できる。 ドライグによれば、格闘技のような直接攻撃系の戦闘法を極めると、攻守に最も効率のいいように体を覆う全身鎧の形になるとされる。鎧装着型の禁手は防御力・攻撃力共に上昇するが、攻撃時にオーラが集中するため流れが読まれやすいという欠点もあり、相応の実力者であれば攻撃を事前に察知されてしまうこともある。 本来であればこれ以上の強化は存在しない(一種の暴走状態である「覇龍」「覇獣」は別物)が、当代の二天龍はそれをも超えたさらなる強化を果たしている。 数千年の歴史の中でわずか数例ではあるが、禁手を発現した状態で誕生する新生児の存在も確認されている。ただしそのほとんどが強大な力のために物心つく前に死亡しており、アザゼルが知る限りでは無事に成長できたのは幾瀬鳶雄だけだという。 禁手に至る者自体が希有であるはずだが、神の死でシステムが不安定になっていることや「禍の団」英雄派が人体実験で得た「禁手に至る方法」をリークしたことで、この時代はこれまででは考えられないほどに多くの者が禁手化を果たしている。 また、人工的に禁手にする技術を「嵌手(トランセンデンタル・アライヴァー)」といい、「嵌手と化す」ことを「嵌手化(トランセンデンタル・アライヴ)」という。 人工神器(じんこうセイクリッド・ギア) 「神の子を見張る者(グリゴリ)」における研究の結果、開発された神器の模倣品。一般的な神器に毛が生えた程度から龍王クラスの力を封じた物まで存在するが、パワーよりも応用性など「使い勝手の良さ」が重視されている。本物の神器とは違い自由に取り外しできる一方で、出力が不安定、回数制限がある、使用後に激しい疲労感が出る、長く発動しすぎると自身が生来持っていた才能にも悪影響を与える危険性もあるなど、実験段階ゆえに様々なリスクがある。14巻から三大勢力内に提供されて試験的な運用が始まっており、その結果を元に各種デメリットも緩和されつつある。 なお『堕天の狗神 -SLASHDØG-』に登場した「ウツセミ」は人工独立具現型神器の試作タイプが悪用された物だった。鬼手(カウンター・バランス) 人工神器版の「禁手」の総称。一種の暴走状態であった「人工神器による禁手」とは別物であり、均衡を崩すだけの力の解放である「禁手」とは逆に、本物よりも安定しにくい人工神器を持ち主の力で強制的に安定化させることで至ることができる。なお「鬼手と化する」ことを「鬼手化(バランス・アジャスト)」と呼称する。 元々理論自体はアザゼルも考えていたが、タイムスリップした「UL」の一件で未来で運用されているものを実際に目にし、その技術を応用する形で現代でも実用化され、アザゼルが「隔離結界領域」に向かう前に詳細な資料を残していったことで他の者も使えるようになっている。 人工神滅具(じんこうロンギヌス) 30年後の未来では神滅具が人工的に作られるようになっている。本物の神滅具と比べると性能は格段に下がるが、通常の人工神器に比べたら段違いに強い。ただし、まだ成功作の数は少ない。 現代ではまだ実現していないが、「あと2歩か3歩真理に近づけば到達してもおかしくない」という段階まで研究が進んでいる。『堕天の狗神 -SLASHDØG-』ではサタナエルが研究を行っていたが、4年前時点では「10段飛ばし」とされるほどに技術レベルが不足しており、急な開発が非常に危険視されていた。
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