日本軍の飛行場砲撃とアメリカ軍の増援とは? わかりやすく解説

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日本軍の飛行場砲撃とアメリカ軍の増援

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 09:07 UTC 版)

第三次ソロモン海戦」の記事における「日本軍の飛行場砲撃とアメリカ軍の増援」の解説

アメリカ軍の第67任務部隊第4群はかなりの損害受けたが、日本艦隊ガダルカナル島ヘンダーソン飛行場砲撃阻止したという点で任務果たした田中少将日本軍輸送部隊挺身艦隊によるガダルカナル島砲撃中止により、13日午後1時にショートランド泊地戻った。しかし日本軍諦めたわけではなく、あくまで第三十八師団ガダルカナル島投入しようとした午後2時、輸送船ぶりすべん丸と駆逐艦江風泊地出港午後3時30分には輸送船団本隊出港した11月13日午後2時、残存挺身艦隊はオントン・ジャバ島東岸沖で待機していた第三戦隊(金剛榛名)と合流し駆逐艦燃料補給行った。それに先立つ午前9時55分、戦艦霧島第四水雷戦隊第十駆逐隊第十駆逐隊に、残敵掃討ガダルカナル島砲撃命令が出る。午後2時43分、第十一戦に対してサボ島周辺に残るアメリカ軍艦艇への攻撃命令出たが、この二つ命令取り消された。なお、霧島午後2時14分に米潜水艦から雷撃され魚雷1本が命中する不発だった。 艦隊再編される中で、日本軍は再びヘンダーソン飛行場砲撃計画した山本長官は「ルンガ方面残敵掃討し、13日外洋部隊巡洋艦14日霧島ヘンダーソン飛行場砲撃せよ」という二段構え作戦の実施を各艦隊求めたこれに伴いガダルカナル島から北西位置するショートランド諸島停泊していた西村祥治少将率い第七戦隊重巡洋艦鈴谷摩耶)に出動命令下った。その計画とは、カ号作戦支援隊:重巡洋艦鈴谷摩耶軽巡洋艦天龍駆逐艦4隻が13日午後10時ガダルカナル島ヘンダーソン飛行場砲撃し14日午前6時三川軍一中将率い第八艦隊重巡洋艦鳥海衣笠軽巡洋艦五十鈴)と合流というものだったアメリカ軍では、ハルゼー提督リー少将の第64任務部隊対し戦艦2隻、駆逐艦4隻は最高速度北進せよ。あえて指示するサボ島東方付近向かえ」と命令する艦隊任務日本軍輸送船団撃退だったが、燃料が最も多く残っている駆逐艦集めただけの急造艦隊であり、司令官達は艦隊練度に不安を抱えていた。米艦隊切り札は、日本大和型戦艦同世代艦である新鋭ノースカロライナ級戦艦ワシントンサウスダコタ級戦艦サウスダコタと2隻が搭載する18門の40cm砲であった戦闘前リー少将は「われわれは兵員経験熟練訓練あるいは実行能力において、ジャップ優れているとはいえなかった。しかし、われわれはこの戦闘で敵を突き崩すことができると信じる」と記したワシントンでは、乗組員誰もが待ち望んだ艦隊決戦興奮していたという。 11月13日午前5時40分、第七戦隊ショートランド基地出港した14日午前2時、第七戦隊重巡洋艦鈴谷摩耶ヘンダーソン基地砲撃成功する消耗主砲弾数鈴谷主砲504発、摩耶485発で、午前2時37分「飛行機観測したるところ損害相当ありしものと認む」と各艦隊報告した。だが重巡洋艦20cm砲複数滑走路をもつヘンダーソン飛行場使用不能にすることは困難であり、実際戦果航空機全壊18機、損傷32機におさえられ飛行場機能はすぐに回復した第七戦隊は、重巡洋艦鳥海衣笠軽巡洋艦五十鈴編成される第八艦隊主隊とニュージョージア島南方合流し北上退避行動入った夜明けと共にヘンダーソン基地から偵察機出動し第八艦隊発見する同時刻、エンタープライズ索敵隊(ギブソン中尉)は「戦艦2隻、巡洋艦2隻、改造空母1隻、駆逐艦4隻発見」を報告した。こうしてガダルカナル島発進した海兵隊機とエンタープライズ艦載機による攻撃始まった最初の攻撃は、ヘンダーソン基地から発進したF4F7機、SBD7機、TBF6機によるものだった。彼らは衣笠右舷魚雷3本左舷魚雷1本命中を記録した。またSBD隊は軽巡洋艦爆弾2発命中主張し、完全に停止した報告している。続いて帰路についていたSBD2機(ギブソン機とブキャナン機)が到達右舷傾き油をひいた衣笠発見する急降下爆撃おこない前部甲板右舷・艦中央500ポンド爆弾命中させたと主張する戦闘詳報によれば午前6時30分頃から午前6時38分、重巡洋艦衣笠爆弾魚雷命中火災発生して速力低下した続いてSBD2機(フーガーヴァーフ少尉機、ハローラン少尉機)が到着した日本艦隊隊列乱れ炎上した衣笠周囲に2隻の駆逐艦がおり、主力部隊北西向かい軽巡洋艦1隻と駆逐艦1隻が衣笠15km西、重巡洋艦1隻と駆逐艦1隻が衣笠の20km南西を西に向かっていた。フーガーヴァーフ少尉重巡洋艦爆撃した至近となった。ハローラン少尉機は行方不明となり、僚機巡洋艦から激しい煙が上がるのを目撃した午前7時26分、重巡洋艦摩耶には被弾しSBD爆撃機体当たりし魚雷発射管火災発生している。 リー少佐率いエンタープライズ隊SBD16機は1,000ポンド爆弾抱えて戦場向かい、6隻の日本軍巡洋艦と4隻の駆逐艦発見したリー少佐付近に日本空母がいる可能性考慮して周囲捜索した発見できず、結局16全機巡洋艦部隊攻撃した。2機が軽巡洋艦爆弾命中させ、左舷に傾いたと主張する。だがそれ以上戦果はなかった。アメリカ軍機の波状攻撃により、衣笠午前9時20分に転覆沈没鳥海多数至近弾を受けて速力29ノット低下し五十鈴至近弾(直撃弾とも)を受けて2・3罐室が満水となり駆逐艦朝潮護衛ショートランド向かったエンタープライズ隊は転覆した衣笠の上空を飛びつつ、ガダルカナル島ヘンダーソン飛行場着陸した第七戦隊午後1時にショートランド基地到着し補給後再び出撃して輸送船団護衛した日本軍輸送部隊も無事ではいられなかった。アメリカ軍偵察機発見され田中輸送部隊は、ラッセル北西海域ガダルカナル島から飛来し攻撃隊、エンタープライズ攻撃隊、エスピリツ・サント発進した陸軍B-17高空飛行中隊反覆攻撃受けた飛鷹航空隊ラバウル航空隊零戦千歳型水上機母艦千歳水上偵察機隊が船団上空護衛していたが、頑丈強力な防御火力をもつB-17や、波状攻撃をかけるSBD ドーントレス急降下爆撃機阻止することは不可能だった。またF4Fワイルドキャット戦闘機との空戦零戦隊にも被害出たエンタープライズガダルカナル島接近したので、アメリカ軍攻撃隊は何度も反復攻撃をかけることが出来た一連の攻撃により付近にアメリカ軍空母がいることを察知した日本軍第八艦隊は、第十一航空艦隊索敵攻撃依頼したラバウル基地から24機の一式陸上攻撃機発進し米空母攻撃向かったが、エンタープライズ発見できずに引き返している。 零戦隊の戦果は、飛鷹隊が8機撃墜主張零戦3機喪失)、第二四空零戦12機が4機撃墜(2機喪失)、第二五三空の零戦6機が4機撃墜(3機喪失)、第五二空零戦9機が3機撃墜(3機喪失)。水上偵察機1機がSBD空中衝突船団被害は、輸送船11隻中6隻(かんべら丸、長良丸、ぶりすべん丸、信濃川丸、ありぞな丸、那古丸)が沈没佐渡丸被雷傾斜佐渡丸駆逐艦天霧望月護衛されショートランド泊地撤退した輸送船団大損害を受けた。さらに午後1時35分、水上機母艦千歳偵察機が「空母2、戦艦1巡洋艦1、駆逐艦4」という米艦隊発見午後2時20分、讃岐丸偵察機アメリカ軍空母戦艦2隻を発見し第七〇七航空隊索敵機がアメリカ軍艦隊との接触続けた偵察結果日米双方戦艦を含む強力な水上部隊ガダルカナル島投入しつつある事が明白となった田中ガダルカナル島砲撃を行う第四戦隊重巡洋艦愛宕高雄)に続行し同時突入することを決断した。 そのためには、アメリカ軍制空権の要であるヘンダーソン飛行場夜間の内に使用不能にすることが必須だった。日中ガダルカナル島揚陸作業敢行すればヘンダーソン飛行場発進機と米艦隊双方から挟み撃ちにされてしまうからである。そこで近藤信竹中将率い第二艦隊挺身艦隊残存部隊の再編おこなわれ戦艦金剛榛名空母隼鷹分離戦艦霧島重巡洋艦愛宕旗艦)、高雄軽巡洋艦川内長良駆逐艦9隻からなる艦隊となった近藤艦隊使命は、前夜挺身艦隊同じくヘンダーソン飛行場壊滅アメリカ軍艦隊第三十八師団露払いである。午後3時35分、前進部隊指揮官は以下の命令発した今夜、敵巡洋艦駆逐艦各数隻、「サボ島付近出現の算大なり。 右の場合は、一時陸上砲撃中止し、敵を撃滅したる後、再興予定計画及び予想に捉わるることなく会敵時の処置遺憾なきを期すべし。 第四戦隊愛宕高雄)は出撃前にガダルカナル島砲撃を行う可能性示唆されており、日本軍予感的中したことになる。午後7時25分特設水上機母艦讃岐丸サボ島周辺アメリカ軍巡洋艦2隻、駆逐艦4隻の存在確認した。この時点で、日本軍アメリカ軍戦力を「空母1隻、戦艦4隻、巡洋艦2隻、駆逐艦4隻」と判断し夜間水上戦闘に備えた突入前、各艦は水上偵察機をレガタ基地退避させている。

※この「日本軍の飛行場砲撃とアメリカ軍の増援」の解説は、「第三次ソロモン海戦」の解説の一部です。
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