退避行動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 23:27 UTC 版)
雷鳴や稲光りなどの兆候が現れたときは早めに避難する必要がある。稲光りから雷鳴までは若干のタイムラグがあるときがあり、現在地から落雷点までの距離は3秒間をおよそ1kmと想定して計算できるものの、雷雲の移動速度のほうが時速10~40kmほどもあるためたとえ直前の落雷点が離れていたとしても早めの避難が必要となる。 屋外スポーツの指導者や施設管理者にも落雷事故を予防するための正しい知識が要求される。日本では高知県の高等学校の生徒が課外クラブ活動としてのサッカーの試合中に落雷により負傷した事故の損害賠償請求訴訟で、最高裁が「上空には黒く固まった暗雲が垂れ込め、雷鳴が聞こえ、雲の間で放電が起きるのが目撃されていた」という事実を認定したうえで、「スポーツ指導者において、落雷事故発生の危険性の認識が薄く、雨がやみ、空が明るくなり、雷鳴が遠のくにつれ,落雷事故発生の危険性は減弱するとの認識が一般的なものであったとしても左右されるものではない。なぜなら、上記のような認識は、平成8年までに多く存在していた落雷事故を予防するための注意に関する本件各記載等の内容と相いれないものであり、当時の科学的知見に反するものであって、その指導監督に従って行動する生徒を保護すべきクラブ活動の担当教諭の注意義務を免れさせる事情とはなり得ない」とした(平成18年3月13日最高裁判決)。 屋外にはどこにも安全な場所はない。よって建物内などに直ちに避難することができない、あるいはそれが予想される場所に出かけるときには、天気予報に十分注意して、黒い雲の接近・雷鳴・急な冷たい風などが発生した場合には屋内に逃げること、さらに、雷の恐れのあるときには出かけるのをはじめから控える。これらのことはすでに子供に対しても、アメリカのNOAA、日本の気象庁などで呼びかけられている。
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