将棋ソフト不正使用疑惑騒動
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将棋ソフト不正使用疑惑騒動(しょうぎソフトふせいしようぎわくそうどう)とは、「将棋棋士の三浦弘行がスマートフォンを利用してコンピュータ将棋ソフトを公式戦対局中に不正に使用したのではないか?」という疑惑を発端として、2016年から2017年に起きた一連の騒動である。
注釈
- ^ 「マスコミの取材殺到などを避けるため」などの理由により当該ツイートは既に削除されている。
- ^ 後に第三者委員会の報告書によって、31分間の離席は久保の勘違いであったことが判明している[4]。
- ^ 当時、離席は棋士それぞれの自由であり、頻繁な離席長時間の離席ともに特にルールは決められていなかった。
- ^ 報告書によると離席はそれぞれ26回、23回であった。
- ^ のちに、三浦は観戦記者の小暮克洋に対し「許せない」と名指しで非難した[6][7]。
- ^ しかし、渡辺が疑った指し手のうちのひとつは後の調査により、三浦と若手棋士の事前研究であったと対局以前のキャリアメールから判明しており、その他の手についても後に複数の高段位棋士から三浦の手として自然だと証言されている。
- ^ 一方で三浦は島元理事から竜王戦は開催されないとの報告をうけて休場を受け入れたと主張しており、これについて佐藤会長は連盟としてどうすべきだったか検証する必要はあると発言した。
- ^ のちに第三者委員会の調査で、「休憩室へ行ったら先輩棋士が囲碁をやっており、横になれないので仕方なく、守衛室で休んだ」と詳細が公表された。また「連盟からの要望がなかったにもかかわらず、自ら保有するノートパソコン2台、デスクトップパソコン2台、スマートフォンの全アプリを撮影した画像を提出しています」と主張した。
- ^ その後、妻のTwitterでより詳しい説明がなされ、疑惑について当時「その経緯が本当に事実でもグレーと」「証拠もないのに処分は全く不当!」と島元理事に伝えたものの、「【グレー羽生善治】の所だけに焦点を当てたご都合切取り主義と、主人をあたかも三浦先生告発の一員と誤解を受ける様に名前を利用された」と当初の報道を強く否定している。
- ^ ただし、指摘されていた時間に3回の離席があったことは確認されている。
- ^ ただし、ヤマダ電機のはからいにより、三浦は前日3日の「第13回YAMADAこども将棋大会」の開会式にサプライズで登場し、来場のファンに挨拶を述べた[25]。
- ^ 公式webの表記は「-」で負けが付いていない。
- ^ いずれの人数も第44期以来32期ぶりの人数となる[27]。
- ^ 他の2局は、竜王戦本戦トーナメント準決勝の対・久保戦と、A級順位戦の対・渡辺戦である。
- ^ 臨時総会に出席した田丸昇によれば、5人の理事の解任は投票により賛成過半数を満たすことによって決議されるが、大半の理事について、投票数は2 - 8票の僅差であり、棋士の見方はほぼ二分されていたと言う。なおこの時期、女流・引退棋士を含む正会員数は234名、出席者は委任状64を含め216名、過半数ラインは109票であった[68]。
- ^ 囲碁の棋聖戦は、将棋の竜王戦と同じく読売新聞社が主催し、名人戦・本因坊戦を上回る七大タイトル中最高額の優勝賞金がつく、序列1位の棋戦である。
出典
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- 1 将棋ソフト不正使用疑惑騒動とは
- 2 将棋ソフト不正使用疑惑騒動の概要
- 3 脚注
- 将棋ソフト不正使用疑惑騒動のページへのリンク