宇宙人
『インデペンデンス・デイ』(エメリッヒ) 突如飛来した宇宙船団からの攻撃で、世界の主要都市は壊滅する。宇宙船はシールドで守られており、地上からの反撃を受けつけない。コンピュータ技師デイヴィッドは絶望し、酒に酔って床に座り込む。父親が「風邪をひくぞ」と注意し、その一言からデイヴィッドは、宇宙船のコンピュータをウィルスに感染させることを思いつく。ウィルスによってシールドは無効になり、各国の連合軍が宇宙船団を撃破する。
『ねらわれた星』(星新一『ボッコちゃん』) 金属質のウロコで全身をおおわれた宇宙人たちがやって来て、地球人を1人つかまえ、無理やり皮をはぐ。宇宙人たちは皮を分析して、それを溶かすウィルスを作り、まきちらして、地球人たちが皮膚を侵され苦しみ死ぬさまを見物しようとする。地球上では、誰もかれもが突然裸になったので、皆驚く。
『宇宙戦争』(H・G・ウェルズ) 火星の寒冷化が進んだため、火星人たちは温暖な地球に生存の場所を求める。彼らは6年間かけて宇宙空間を航行し、地球に来襲する。しかし、地球上の細菌に対する免疫がなかったので、2週間ほどで火星人たちは全滅してしまった。
『マーズ・アタック!』(バートン) 火星人たちが大挙して地球に来襲する。彼らは熱線銃で手当たり次第に地球人を殺し、攻め込んで来る。ところが、認知症気味の1人の老女の所まで来ると、火星人たちは次々と頭部を爆発させて死んでいった。老女が聞いていたレコードのカントリーソングの周波数が、火星人たちの脳を破壊したのである。
『怪獣大戦争』(本多猪四郎) 木星には、未知の衛星X星があった。X星人たちは円盤で来襲し、キングギドラ、ゴジラ、ラドンを操って地球を攻撃する。しかし、町の発明家が作った女性用護身器の発する不協和音が、X星人に致命的な打撃を与えた。彼らの円盤は次々に爆発し、地球の危機は回避された。
『火星人ゴーホーム』(ブラウン) SF作家ルークは新しい小説のアイデアが出ず、苦しまぎれに「もし火星人がやって来たら・・・・」と考える。するとドアにノックの音がして、身長2フィート半ほどの、緑色の火星人が入って来た。同時に、地球上のいたる所に無数の火星人が出現して、世界中が大混乱になる。数ヵ月たってルークは、火星人は自分の想像の産物にすぎないことに気づき、火星人たちをすべて消す→〔仮想世界〕3。
『E.T.』(スピルバーグ) 宇宙船がアメリカの田舎町近郊の森に着陸し、1人の宇宙人(E.T.)が、地上に取り残される。子供たちがE.T.を見つけ、家にかくまう。E.T.は病気になり死にかけるが蘇生し、迎えに来た宇宙船に乗って還って行く。
『ミクロメガス』(ヴォルテール) シリウス星のまわりを回転する惑星の1つに、ミクロメガスという名の青年がいた。超巨人である彼は方々の天体を巡った後、土星人と友達になって、一緒に地球のバルト海北岸へやって来た。1737年7月5日のことである。そこで出会った微小な地球人たちのために、ミクロメガスは哲学書を書いて与え、去って行った。書物はパリの科学アカデミーへ送られたが、開いて見るとすべて白紙だった。
★2b.宇宙人が、高度な文明を持つ自分たちの星へ、地球人何人かを招く。
『コクーン』(ハワード) アンタレア星人たちが、かつて地球の海底に沈んだ仲間たちを、故郷の星へ連れ帰ろうと、やって来る(*→〔水没〕2a)。仲間たちは繭(まゆ)の中にこもっていたので、海底から繭を引き上げ、屋内プールに運んで保管する。しかし結局、アンタレア星人たちは繭を海に戻し、代わりに、プールに泳ぎに来ていた老人(*→〔泳ぎ〕2)とその仲間たちを、彼らの星へ招く。そこは老いも病気もなく、永遠の生が得られる理想郷なのだ。
『未知との遭遇』(スピルバーグ) アメリカ各地にUFOが現れ、目撃者たちは一様に、円筒型の岩山のイメージを心に抱くようになる。その山は、ワイオミング州にあるデビルズ・タワーだった。山の麓には、米政府が秘密裡に、UFOの着陸場を築いていた。やがてUFOの巨大な母船が着陸し、胎児に似た姿形の異星人たちが現れる。異星人の招きにより、地球人の代表たちは母船に乗り込み、宇宙へ旅立って行った。
*UFOが地球人を誘拐する→〔誘拐〕6のUFOに誘拐されて(ブレードニヒ『ヨーロッパの現代伝説 悪魔のほくろ』)。
★3.地球人が「自分は宇宙人だ」との自覚を得る。あるいは、宇宙人が「自分は地球人だ」との自覚を得る。
『美しい星』(三島由紀夫) 大杉重一郎と妻・息子・娘は、自分たちがそれぞれ「火星・木星・水星・金星から来た宇宙人だ」との自覚を得、地球人類の滅亡を防ぐため平和運動を展開する。しかし、「人類の安楽死を企図する宇宙人」と称する3人の男との論戦に重一郎は破れ、癌に侵され死に瀕する。「重一郎を犠牲にして人類を救うのが宇宙意志だ」と一家は考え、宇宙へ還ろうとする。円盤が迎えに来る。
『人間そっくり』(安部公房) 「火星人」と称する男が「ぼく」の家を訪れる。男は、「これまでに30人以上の火星人使節が地球へ来たが、彼らは皆『地球病』にかかって、『自分は地球人だ』と思い込んでいる」と言う。「ぼく」は、「この男は『火星病』にかかった地球人で、『自分は火星人だ』と思い込んでいるのだろう」と考えるが、男と話すうちに「ぼく」の頭は混乱してくる→〔アイデンティティ〕1a。
『エイリアン』(スコット) 宇宙貨物船が、契約会社の命令で未知の惑星に立ち寄った時、1人の乗員の身体に宇宙生物エイリアンが入り込む。船内に戻ってから、エイリアンは乗員の身体を食い破って姿を現わす。はじめは小さな蛇のような形状であったが、脱皮して急激に成長し、乗員たちを次々に襲って殺す。会社は、エイリアンを捕獲して地球へ運ぶことを目的としており、そのためには乗員が犠牲になってもかまわない、と考えていた→〔怪物退治〕2。
『プレデター』(マクティアナン) アメリカ軍の特殊部隊が、南米のジャングルで宇宙生物プレデターと遭遇する。プレデターは形態は人間に似ているが、カメレオンのように体表の色を変えて姿を隠す。人間の体温を感知して殺人光線を発射し、特殊部隊の兵士たちを殺して内臓を喰う。生き残った1人が冷たい泥を全身に塗り、体温を感知されないようにしてプレデターと闘う。プレデターは、仕掛けられた罠にはまり、大木に押し潰され動けなくなって、自爆する。
『遊星よりの物体X』(ナイビー) アラスカに円盤が墜落し、人間に類似した形状の宇宙生物1体が、氷の中に埋もれていた。北極の観測基地に運ばれた宇宙生物は、氷が溶けると暴れ出す。基地の犬たちが宇宙生物の片腕を食いちぎるが、腕はまた生えてくる。ちぎられた片腕も、細胞分裂して成長する。宇宙生物は植物から進化したもので、動物の血を養分とするらしかった。「生かしておいて研究したい」と望む科学者もいたが、宇宙生物が増殖すれば人類を滅ぼしかねないので、基地の隊員たちは、高圧電流を浴びせて宇宙生物を殺した。
★4b.宇宙怪獣。
『三大怪獣 地球最大の決戦』(本多猪四郎) 巨大な隕石が黒部渓谷に落下し、中からキングギドラが現れる。キングギドラは体長100メートル、3頭・2尾・有翼の、龍に似た怪獣である。宇宙を暴れまわり、5千年前に金星の高度な文明を破壊し、死の星にしてしまった。今や地球も、キングギドラのために滅亡の瀬戸際にある。モスラ、ゴジラ、ラドンの3大怪獣が力を合わせ(*→〔通訳〕3)、キングギドラと戦って、空の彼方へ追い払った。
『地球防衛軍』(本多猪四郎) 宇宙人ミステリアンたちが、地球へ侵攻する(*→〔惑星〕4)。富士山近郊に出現したドームが、彼らの基地だった。彼らは地球人女性との通婚を望み、何人もの女性をさらっていく。ミステリアンたちの身体はストロンチウム90に汚染され、生まれてくる子供の8割が異常児だったからである。多国籍の地球防衛軍が強力な新兵器でドームを破壊し、ミステリアンたちは円盤に乗って地球外へ退去した。
『コンタクト』(ゼメキス) 女性科学者エリーがポッド(=1人乗り空間移動装置)に乗り組んで、銀河系の中心にある美しい天体へ行く。波打ち際の白い砂浜で彼女は、子供の頃に死別した父と出会う。それは宇宙の知的生命体が、エリーとのコミュニケーションのために、彼女の意識を読み取って父の姿になっていたのだった。エリーは、宇宙には多くの文明があること・人類は孤独ではないことを教えられ、地球へ帰還した。
『火の玉』(ブラッドベリ) キリスト教の神父たちが、火星へ布教に行く。火星人たちは、青い火の玉だった。彼らは言う。「昔はわたしたちも、手や足や胴があった。わたしたちの中の1人(=地球人でいえばイエスに当たる存在)が、病気・老衰・死・憂鬱・不機嫌などから、わたしたちを解放する方法を発見し、わたしたちは青い火となった。わたしたちは死なない。肉体がないので、生殖もない。罪とも無縁だ。神の恵みの下で、わたしたちは幸せに暮らしている」。
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