同音異義とは? わかりやすく解説

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同音異義

★1a.同じ発音別語

一休ばなし仮名草子)巻1-1 ある旦那が、養叟和尚弟子一休を斎(とき=食事)に招いて一休知恵試そうとした。家の門の前にがあったので、旦那は「此はしをわたる事かたく禁制なり」との高札立てる。一休は端(はし)を通らずに、真中まんなか)を渡って旦那の家へ入った

『かぶ焼き甚四郎昔話) かぶ焼き甚四郎は、襲われ河童助け、その礼に、望みのものを打ち出す延命(えめ)小槌をもらう。彼は小槌振って大きな家を建て、嫁といっしょに住む。次に米と倉を出そうとして、早口に「こめくら」と言うと大勢の小盲(こめくら)が出て来た。驚いた甚四郎は、もう1度言い直して、望みどおりの米と倉を出した岩手県上閉伊郡)。

武州公秘話谷崎潤一郎武蔵守輝勝は河内介であった時代闇の中主君織部正(おりべのしょう)則重襲い、その鼻を削ぎ取った。これは則重の妻桔梗の方が望んだことだった。後、歌会桔梗の方は、『源氏物語』花散里」の歌をふまえて、「の香をなつかしみほととぎす花散る里をたづね来よかし」と詠じた。「花散る里」=「鼻散る里」で、夫則重の鼻がなくなった、との意味込めた歌だった。

『平家物語』巻1鹿谷東山の麓、鹿谷俊寛僧都山荘で、後白河法皇・浄憲法印らが平家討伐謀議をする最中瓶子(へいじ=徳利)が倒れた新大納言成親が「平氏(へいじ)が倒れた」と洒落言い法皇大い喜んだ

*「叔父さん」と「小父さん」→〔声〕6の『付き馬』(落語)。

「風」と「風邪」→〔風邪〕1の『風博士』(坂口安吾)。

*「官」と「」→〔〕6の『異苑』67にはいる夢」。

*「雁」と「癌」→〔病気〕5の『いじわるばあさん』。

★1b.類似した発音別語

『太平記』23土岐頼遠御幸参り合ひ狼藉を致す事」 土岐頼遠一行が、樋口東洞院の辻で光厳院御車出会った。「院の御幸」と聞いた頼遠は、「なに、『院』と言うか、『と言うかならば射て落とさん」と言って、矢を射かけるなど狼藉はたらき光厳院御車路上顛倒してしまった〔*この事件足利直義激怒し、頼遠を処刑した〕。

*「(ちゃ)」と「(じゃ)」→〔〕3の朝茶由来伝説

★1c.同音のため、別の語と勘違いする

『獄門島』横溝正史梅の木逆さ吊りされた花子見て了然和尚つぶやいた言葉は、金田一耕助には「気違いじゃがしかたがない」と聞こえた。しかしそれは、「の身を逆さま初音かな」という春の句にもとづいた殺人が、秋に行なわれたため「季違いと言ったのだった

十訓抄7-29 内裏より、宇治殿頼通)の持つ名笛「葉二つ」を召しにつかわし蔵人が、「御葉二つ召しあり」とだけ述べ、笛ということいわなかったので、宇治殿は、老後に歯2つ召されるのはことわりなき旨の返事をした。

『日本書紀』14〔第21代〕雄略天皇6年A.D.4623月 雄略天皇后妃養蚕勧めようと思い臣下スガル国内(こ)を集めさせた。スガル誤って嬰児(わかご)を集め献上する天皇笑い、「お前が自分養えと言って嬰児スガル与えたまた、スガルに姓(かばね)を与えて少子部連(ちひさこべのむらじ)とした。

*「無心官(心なし役人)」を「無心肝(心臓がない)」と勘違いする→〔禁忌〕2の『封神演義』第24回

★1d.知らない言葉聞き、その言葉同音のものを捜す。

手水ちょうずをまわせ』昔話の宿に泊まった代官が、朝、「手水をまわせ」と命ずる。村人たちは「手水」がわからず、「長頭ちょうず)」だろうと考えて長い頭の男を連れて来て頭を回させた。

持て昔話の宿に泊まった代官が、蕎麦薬味がないので「持て」と命ずる。村人たちは「」を知らず相談して神社禰宜(ねぎ)を連れて来た。

★2.「」と「目」という同音異義語用いて兄弟生き方違いを語る。

里芋不動の目』森鴎外増田博士は、自分と兄の生き方違い語った。「己(おれ)は子供の頃田舎里芋選り分けしたことがあった。の闕(か)けたは食う方へ入れのある植える方へ入れるのだ。己は西洋学問をやって化学者になったが、兄貴違って不動目玉焼かない(*→〔絵〕1c)。里芋選り分けるようなぐあいに、ぽつぽつやって行くんだ」。

★3.同じ言葉で、正反対二つ解釈ができるような物言いをする。

日和ちがい』落語使い出かける男が、易者天気を問う。易者が「今日は降るような日和じゃないと言うので、男は安心して傘を持たずに行く。ところが大雨遭ってしまい、男は易者文句を言う。すると易者は「わしは『今日は降るような』と言ったその後にさらに『日和じゃない』と念押ししたのだ」と言いくるめる

★4.人の言った言葉を、ことさらに別の意味解釈して利益を得る。

古今著聞集16興言利口」第25通巻513話 法性寺忠通の供をする下野武正が、山崎落馬した。後に再び山崎通った時、忠通がそのこと思い出して、「ここか、武正が所は」と言った。武正はその言葉乗じてそのまま山崎の地を領有した

★5a.「翁」という語の意味

『今昔物語集』31-6 賀茂祭りの日、辻に「此ハ翁ノ物見ムズル所也。人立ツベカラズ」との高札が立つ。陽成院祭り御覧になるのだろうと人々思いその場をあけておく。ところが、祭り行列近づく頃、そこへ来て見物したのは、西八条刀禰をつとめる八十翁だった。

★5b."instrument"という語の意味

Yの悲劇クイーン) ヨーク・ハッターが自分の家庭をモデルにして、妻殺し犯罪小説筋書き作ったヨーク死後13歳の孫ジャッキー筋書き読んでそのとおり実行する。しかし「鈍器blunt instrument )で打って殺す」という文章理解できず、ジャッキーは "instrument" =「楽器」と考えマンドリン凶器として使用した→〔二人一役〕3。

*「声」という語の意味→〔声〕8。



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