みなみのかんむり座
名称:みなみのかんむり座(南冠座)
学名:Corona Austrina
小分類:南半球
構成する主な星雲、星団、恒星:―
神話の主な登場人物:ケイローン/ヘラクレス/アスクレピオス
日本で観測できる時期:7月〜10月の約4カ月間
見ごろの季節:夏(20時正中は8月下旬)
いて座の南にある、お椀のような形をした星座です。かんむり座と似ていますが、かんむり座より星が暗いので、少々地味だといえるでしょう。星座自体は古く、ギリシャ時代からあったものです。神話では、いて座になったといわれる半人半馬のケンタウロスの一人、ケイローンの頭に輝いていた冠を表すといわれます。南の地平線低くに現われるので、南に開けた場所で見た方がよいでしょう。
1.見つけ方のポイント
夏頃に南の空を見てみましょう。いて座の南斗六星(いて座の中で星の並びがちょうど北斗七星のようになった部分)から、少し南(下)へ目を移せば、お椀のような形に4等星が並んでいるのが見えます。それがみなみのかんむり座です。
2.神話の内容について
みなみのかんむり座は、上半身が人で下半身が馬のケンタウロス族の1人、ケイローンの冠だといわれます。ケイローンは賢明で、特に医術に詳しく、へびつかい座になった名医アスクレピオスを育てて医術を教えました。ケイローンはある日、ヘラクレスが射た矢に偶然当たり、その毒に非常に苦しみます。ケイローンは不老不死のため、このままでは永遠に苦しみ続けなければなりません。そこでついに不老不死を解かれて死に、天に昇っていて座になったということです。みなみのかんむり座は、紀元前3世紀ごろの古代ギリシャの詩人、アラトスがうたった星座詩の中にもある、古い星座です。
3.同じ時期に見える星座について
いて座のすぐ南にある星座で、夏の南の空に昇る星座と一緒に見ることができます。まず、北にはいて座やたて座、へびつかい座などが見え、東にはやぎ座やみずがめ座が見えます。また、西にはさそり座やてんびん座、南にはさいだん座などを見ることができます。
4.主要都市での観測について
日本全国で見ることができます。
※参考文献:「星座クラブ」沼澤茂美著(誠文堂新光社)、「星のポケットブック」(誠文堂新光社)、「星座天体観測図鑑」藤井旭著(成美堂出版)、「星座・夜空の四季」小学館の学習百科図鑑、「星座博物館・春」、「同・夏」、「同・秋」、「同・冬」、「同・星座旅行」瀬川昌男著(ぎょうせい)、「星空ガイド」沼澤茂美、脇屋奈々代著(ナツメ社)
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