南中の人物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/31 22:30 UTC 版)
公立の中学「夏原南中学校」に通う男子生徒。このうちナギとヤンはリコが受験の時に通っていた塾「いりきみ塾」の生徒でもある。 凪野 智史(なぎの さとし) 声 - 水島大宙 通称「ナギ」。リコの幼馴染の2年生。早生まれ(具体的な誕生日は不明)で身長は9月の時点でリコとほぼ同じ。幼いころは女の子のように可愛らしい顔で、今も笑うとその面影が出る。かつてリコからは「さっちゃん」と呼ばれていた。昔リコに告白したが振られたという苦い過去を持つ。部活動と並行して塾に通っており、普通クラスに所属。学力はリコとほぼ同レベルで、塾では最低ランクである。 かつてはリコの隣家に住んでおり、サッカークラブでもチームメイトであったが、小3の時に転校。それ以来、リコとはしばらく会っていなかった。数年ぶりに再会するが、当のリコが告白のことも含めて彼の存在を全く覚えていなかったことに腹を立ててスネる。リコが再び塾に通うことになり、クラスメートとなるが、ぎこちない関係はそのまま。ただしそれでもリコのことは意識しており、リコが泊まり込みで一緒に勉強したというマキオ(男装したマキ)を男性だと勘違いして嫉妬した。他にも彼女に何かあった際は助けたり、心配したり、他校の生徒がリコのことを褒めると不機嫌になったりしている。しかし、昔失恋したことを恐れて一歩踏み出せず、イマイチ進展が見られない。なお、友人のヤンも、模試会場での騒動により、「ナギがリコを好きだった」ことを知ることとなる。 マキとは面識はなかったが、彼女について「藤女一の美少女」という噂はナギにも伝わっていた。その後、塾でマキと対面するが、この時これまでの人生はその可愛らしい女顔のせいでほとんど男扱いされていなかった自分を「男」として扱ってくれたマキに好印象を持つようになった。ただし同時に異性に免疫のないマキのキョドった行動を見せられたため「すごくかわいいけど、すごく変」という印象に落ち着く(この際、若干引いていた)。それ以降はマキがナギを「リコが好きな人」「(どちらかといえば)同性の友達みたい」と認識したことから互いに普通に会話できるようになった模様。 交流会では初参加となる藤女生徒と近づきたい正規の書記・工藤の代理(ヤンの指名)としてこれに出席するハメになったが、清楚に振舞うリコを見て違和感を覚えてしまう。その後昼休みの事件の際に思わず発した一言は、リコがナギに対する好意を完全に自覚する決定打となった。 藤女体育祭での学ラン騒動では、「マキオ」に対する嫉妬から頑なな態度になってしまうが、最後には疑問を抱えつつ貸し出しに同意。返してもらう際に「マキオ」が男装したマキのことであったと知り恥をかくが、同時にリコからはじめて「男」だと言われたことをうれしく思っている。 南中文化祭でクラス発表『スノーホワイト 腹黒姫と7人のチャラ男』の王妃役に抜擢され、好評を博したため合同文化祭での発表演目にされる。文句は言いながらもいざ本番となれば全力であたったその姿は誰が見ても「声がちょっと低い以外は完璧な女子」「間違いなく会場内で一番の『美少女』」であった。 人当たりが良く気遣いもできるのでクラスでも人気がある(ただし女子にはモテているというよりもイジられキャラ扱いされているらしい)。その「人当たりの良さ」を活かして文化祭の準備の際にアンケート回収などに協力してきたことから、ヤンに事後承諾で文化祭実行委員に推薦されてしまい、ヤンのイヤミを苦手とする実行委員長の身代わりで生徒会との連絡役にされている。さらにヤンとハルから次期生徒会長にと目され、1月(単行本14巻)からは南中の生徒会長になっている。 池澤 雅臣(いけざわ まさおみ) 声 - 松岡禎丞 通称「ヤン」。眼鏡をかけたクールな2年生。生徒会の副会長。有能で頭がよく、真面目で責任感も強いのだが、その分他人(特に「口ばっかりで努力が足りない」タイプ)に対する評価は厳しい。きちんと努力し結果を出した者に対しては正当な評価をするのだが、その時も物言いにいちいちイヤミが混じるため「性格に難あり」と思われがちである。 小学校時代、周囲がさじを投げた藤女中を目指すリコの受験勉強の面倒を最後まで見てその合格に貢献、そのため現在でもリコからは文句を言われながらも信頼されている。ヤンもリコに勉強を教える姿(当時の塾生曰く「魔王がオカンに見える」)が周囲との関係を改善するきっかけになったことを内心感謝しているのだが、このときリコにつけられた「ヤン」という変なあだ名が定着してリコだけでなく他の塾生や塾長にまで広がり、果ては進学した南中でもそう呼ばれるようになってしまったことには不満を感じている。私立中学の入試には合格しており、リコも「てっきり私立の中学に行くと思っていた」のだが、家庭の経済的事情でこれを諦めざるを得なくなり、南中に進むこととなった。 リコの付き添いで塾に付いてきたマキと知り合うが、男性免疫ゼロのマキにイライラさせられて怒鳴ってしまう。後に自身の入塾準備として「いりきみ塾」の見学にやってきたマキと再会するが、その際に名前を「夏尾マキ」と勘違いしてしまい、苗字のつもりで「夏緒」と呼び捨てにしてしまったことで、(誤解ではあるが)恋愛妄想のひとつであった「男子から初めて名前で呼び捨て」をされたマキが思いっきり動揺してしまい大騒ぎになってしまった。その後、マキが入塾することで三度再会するが、その時の出来事からお互いに最悪な相手と認識し合うようになる(なお塾のクラスは「特進コース」で、彼とマキと2人のみ在籍する)。 マキ入塾後は彼女の「自分と同レベル(あるいは認めたくないがそれ以上)に優秀な姿」と「自分の理解の範疇を超えるアホな姿」に触れ続けた結果「わけのわからないところはあるが優秀(後に本人に対しては『とびきり頭のいいアホ』と表現している)」という認識に変わっていった。だが交流会の際にそれまでのマキの話で「(マキも含めて)変わり者である面々をまとめる相当優秀な人物」と想像していた藤女の生徒会長が当のマキ本人だったと知り困惑。質疑応答の場ではイヤミを多分に含ませた質問攻めをしたものの、交流会後の階段の一件で泣きながら「ごめんなさい」を連呼するマキの姿に思うところがあったのか和解する。 当初からマキに対しては「なぜかイライラする」と虚心でいられない状態だったが、2学期以降は徐々に意識している。ただし優秀であるがゆえに色々考えすぎた挙句自爆するという性向と、マキが恥ずかしさから好意表現を回りくどくしたり余計な言葉を加えてしまうことから、互いに相応の好意は持っているのに変なところですれ違うという関係が続いている。ちなみにこの二人は「仕事」を間に挟むと非常に相性が良く、互いに協力するとテキパキ進む。それ以外の場面では口論に発展することもあるが、自覚の有無に関わらず互いの特徴は理解しており信頼関係も強い。 友人であるナギに対しては、自分のイヤミを適度にスルー(第三者へのイヤミに対してはフォロー)できる稀有な存在として内心で高く評価しているが、その分交流会や文化祭において本人の意思を確認せずに無茶振りをすることがある。 原作では、眼鏡を外した素顔が描かれたことは一度もない。しかし、アニメでは、ストーリー展開の都合により、眼鏡を外した素顔が明かされた。 戸田 悠(とだ はるか) 通称「ハル」。南中生徒会会長。3年生。初登場は4巻だが、この時は氏名や顔は明かされていなかった。一人称は「僕」だが会長就任前は「俺」だった。 エノが行きがかりでバスに乗ってしまい、気分が悪くなった際に助けるが、今すぐバスを降りたいと運転手に頼む際、本当のことを言ってしまうと彼女が恥ずかしい思いをすると察して「僕ウンコしたいんです!!」と言ってバスを降りた。エノは内心「私もしたいみたいじゃないの」と思うも、別れ際にエノの髪を「ふわふわのお菓子みたい」と言い、この台詞に憧れていたエノに強い衝撃を与えた。この話を聞いたリコは、以後彼のことを『ウンコ王子』または『ウンコ』というあだ名で呼ぶようになったが、エノは普通に「戸田くん」と呼んでいる。 交流会でエノと再会。当初エノは勝手に「運命の再会」とときめいていたが、その後の彼の発言のせいで態度を硬化。しかしサヨのフォローもあってその発言は誤解だったことがわかり、交流会後にはかなり無理やりな形ながら、エノは望みであった「彼とのツーショット写真」の撮影に成功する。 ヘタレな性格で事務処理能力もあまり高くないため、いろいろな面で多少ズレた行動をしたりツッコミを受けたりすることが多い。ただし本人なりに誠実かつ真面目であること、また普段から周囲の人間をたてたり相手の立場や名誉を損なわないような配慮をしており、その結果として自分が低く見られることもあまり意に介していない節があるので南中生徒からの人望は厚く、副会長であるヤンも苛立ち交じりに「無能な人格者」と評価している。もっとも本人は「周囲(特にヤン)と比較して事務処理能力の低い自分」について悩んでおり、合同文化祭の準備で思わずエノにそれをこぼしてしまい怒られるが、それをきっかけにエノ同様「放っておくと無理してでも自分で全部やろうとしてしまう『優秀な後輩』を支える」ことが自分の役割だと理解する。 思うところを一般的にはかなり恥ずかしい内容であってもためらいなく口にする天然の王子キャラでもある。その威力は、ナギの一件で治まらなかったリコの赤面を苦手意識で相殺し、体育祭の学生服着用でテンパっていたエノの乙女心を内ポケットに忍ばせた手紙で爆発させて気絶に追い込み、知恵熱で寝込んだエノの代わりに学生服返却に来たサヨに託した伝言で彼女に悪寒を覚えさせるほど。またヤンも自分のイヤミ含みの言動を青春ドラマ的な「いい話」に解釈される上に、それが事実であるかのように吹聴されることが多いため部分的に苦手意識を持っている。 卒業後はイギリスに留学の予定。図らずもサヨの「UK(ウンコ)だけにUK(イギリス)留学?」というネタが現実になった。 工藤 智也(くどう ともや) 男子。南中生徒会書記。交流会に出席する際に友人達から藤女の生徒会の写真を要求されて安請け合いしたためにヤンにクビを宣告される。ハルの取り成しでクビこそ免れたものの、言動が災いして交流会には出席できなかった。急なことだったため出席者名簿の変更ができずにナギは交流会での自己紹介時に工藤を名乗るハメになり、結果的に彼の氏名が明らかになった。ある意味間接的にではあるがリコが「観念」する原因となった人物。 文化祭時期のストーリーでも書記として登場。交流会前のことを懲りた様子はなく、相変わらずヤンに「問題を起こすのでは」と危惧されている。
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