ヤマト八柱将
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「うたわれるもの 偽りの仮面」の記事における「ヤマト八柱将」の解説
属国の皇や豪族を出身とし、帝から将の位を与えられた8人。地位は近衛大将よりも上。 ライコウ 声 - 置鮎龍太郎 ミカヅチの兄で「聖賢のライコウ」と呼ばれる。知略による戦いを得意とし、力に頼らずとも必ず勝利するという。 逓信衆(ティリリャライ)という、離れた場所にいても念話で情報伝達ができる兵を使い、正確な情報をもとに緻密な用兵を行う。 情報収集に優れており、ウコンとオシュトルが同一人物で、ネコネがオシュトル本人の妹であることや、ハクがオシュトルの密偵として動いていること、ハクとオシュトル(ウコン)がどのように出会ったかなども、子細に知り尽くしていた。たださすがに、ハクがどこから現れた何者かまでは調べられなかった模様。 トゥスクル侵攻軍を率いる将の一人にして統率者に選ばれたが、罠があると思われる場所に突出するデコポンポの自滅を放置しようとしていた。またいざとなれば、女子供の虐殺なども含んだありとあらゆる方法で勝つために手段を選ばないことをしかねないと、ムネチカに危険視されている。 さらに野心家でもあるらしく、トゥスクル侵攻を急いだ帝の朝議を目にして、今の帝の御代は長くないのではないかと感じ、そのための計略を考え始めている。そんな状況の中トゥスクル遠征軍の指揮官とされてトゥスクルにいたとき、帝崩御の知らせにより帰国したが、ウォシスとヴライの意向により、手兵もろとも帝都より閉め出されている。帝の後釜となる計画を立てていたようだが、帝暗殺を実行した何者かによって先を越された形となった。 その後、ハクの策によって開門されると、我先に入城するデコポンポの後に続いて入城し、悠然と状況を俯瞰しつつ自らの策を動かし始めた模様。アニメ版 帝都より閉め出される場面はないが、野心家ぶりは健在であり、アンジュ暗殺未遂の件における八柱将らの会議では(オシュトル追い落としの好機とばかりに)オシュトルが実行犯であってもおかしくないかのような発言をして、弟・ミカヅチの不審を買った上、脱走騒ぎのドサクサを利用してアンジュを巻き込むように抹殺を指示した上、オシュトルのみならずブライの抹殺をも意図し、目的を達成すると自分の上に立てる者はいないとばかりにヤマト中枢を動かす中心となっていく。 ムネチカ 声 - 早見沙織 「鎮守のムネチカ」と呼ばれる。仮面の者(アクルトゥルカ)のひとり。仮面は、顔の下半分を覆う形状だが、他の仮面の者とは異なり、戦いの時にしか仮面は付けない。右手に巨大な鉄拳のようなものをつけて武器とする。 八柱将唯一の女性で、守りの戦いを得意とし、帝都や皇女の守護を主な任とする。また帝よりアンジュの指南役の任を与えられ、ホノカの代理でアンジュの教育係となることもあり、時にはアンジュの尻を叩いて説教している。生真面目で言葉遣いは堅いが性格は温厚で、オシュトルとは強い信頼関係にある。またソヤンケクルのことは、若い自分を指導してくれた人物として尊敬している。一方ムネチカ本人は、ルルティエに憧れられている。 最初、オシュトルに教えられ、白楼閣のハク達の詰め所で遊んでいたアンジュを連れ帰りにやって来る。その後単独、あるいはアンジュの付き添いで白楼閣を訪れて茶や菓子を頂くなどするうちに、ハク達と親しくなっていく。さらにアンジュの使いで「男同士の友情の本」を買いに行くべき場所を尋ねるため白楼閣を訪れたとき、その方面の趣味でルルティエと親密になる。 トゥスクル侵攻軍を率いる将の一人に選ばれたが、帝の崩御によってヤマトの軍勢やハク達が撤退する中、自らは殿となってトゥスクルに残った。彼女を待つことにしたソヤンケクルと合流し、脱出できたかは不明。アニメ版 トゥスクルからの撤退時、引き上げるヤマトの船を守るためトゥスクルの地に留まり、最後の力を振り絞って戦っている姿を、ハクやクオンらが目撃している。 25話で、トゥスクル兵が警備している屋敷に、仮面がない状態でひとり座っている様子が描かれており、トゥスクルの捕虜になった模様。 ヴライ 声 - 乃村健次 「豪腕のヴライ」と呼ばれる、仮面の者(アクルトゥルカ)のひとり。仮面は、顔の右半分を覆う形状。 帝への忠誠心は非常に高く、力こそ絶対的なものと考えており、帝に刃向かう者はすべて力でねじ伏せようとする。ゲーム版では我が強く暴走しがちな性格で、後述のデコポンポとは異なる意味でトラブルの種になりやすい人物。ウズールッシャとの戦いが起こったときには、剣奴(ナクァン)とされていた元来のヤマトの民も、ウズールッシャの兵もろとも徹底的に殺戮した。 過去に御前試合でオシュトルに敗北を喫した事に、やや鬱屈した思いを抱いている描写がある。 宮廷内にてウォシスが冠童(ヤタナワラベ)と話していた、帝が暗殺されたという話と、アンジュ暗殺未遂の話を耳に挟み、これをオシュトルが企てたものと疑わず、オシュトルに対して激怒する。また帝の死で泣きじゃくり、さらにその後毒によって意識が混濁したアンジュを、帝をつぐ器ではないと感じ、帝位は力あるものが次ぐべきだとの信念を固める。ハク達との激闘や大封印をされてもまだ戦うことを諦めずにオシュトルを追跡した果てに、仮面の力を開放したオシュトルと戦いを繰り広げ、自らの魂をも仮面に喰わせたオシュトルによって谷の奈落の底へと落ち果てた。アニメ版 アンジュ暗殺未遂を企てたのは、ヤマトを分裂させて実権を狙っている野心家であると冷静に状況を分析し、オシュトルが無実である事を確信しつつも、ヤマトの分裂と瓦解を防ぐために事態の早期収束を優先して、オシュトルにアンジュ暗殺未遂の容疑をかぶって首を差し出すことを求める。また、乱世へ向かうヤマトの安寧には武人としての実力主義で帝位継承を決するべきだとの信念から、先帝には及ばないと自覚しつつも自身が意思を継ぎ力でヤマトを統治すべきと考える。オシュトルとの激戦の果てに心臓に刀を突き立てられ、果てる。 ウォシス 声 - 菊池幸利 「影光(えいこう)のウォシス」の二つ名を持つ人物。個性が強い八柱将の纏め役で、ヤマトの実質的な大老。物腰は柔らかいが、時折、その瞳に冷たい光を宿す人物。 「ラウラウ先生」の名のもと、趣味で(本人によると「本業」)絵物語を描いており、その原稿を届けるためなどで、たびたび市井に現れている(この時は眼鏡をかけている)。ルルティエはラウラウ先生の大ファンだが、彼の正体は知らない。偶然「ラウラウ先生」とハク達が出会ったとき、一緒にいたネコネとは既知の間柄で、ネコネは彼の正体も知っていたが、自分が八柱将であることは、その場でネコネに口止めしている。 帝の暗殺とアンジュ暗殺未遂の事件が起こると、オシュトルとホノカが容疑者とされたことに疑問を抱きつつ、ヤマトの安定を第一に考えてオシュトルを投獄させる。またトゥスクルより帰還したライコウとデコポンポ及びその手兵を、アンジュの命として“静寂の中喪に服すべし”という理由により帝都から閉め出し、ヴライ配下によるオシュトルへの拷問なども黙認している。アニメ版 聖廟内部の人工の自然環境の庭園に入ることができることが明かされ、そこで帝へ状況の報告を行っている。また、アンジュ暗殺未遂事件では、オシュトルが犯人であるかのように審議を誘導し、その脱走を抹殺の口実とするなどその心底に冷酷なものがある様子が伺える。 ソヤンケクル 声 - 最上嗣生 ヤマトの属国シャッホロの皇(オゥルォ)であり、帝よりヤマト全領海の統治を任じられ、海上交易の免状や港の管理などを行っている海の男で、「溟海のソヤンケクル」の異名を持つ。帝より賜ったポロロウンハという巨船型居城の主。アトゥイの父で、娘を溺愛している。アトゥイからも好かれているが、スキンシップは嫌がられている。 トゥスクル侵攻軍を海運し、またハク達がトゥスクルに向かうことになったときにも、一行をポロロウンハに乗せてトゥスクルまで運んだ。その後、帝崩御の知らせを受けてヤマトの軍勢が撤退することになったとき、自分は殿を勤めるムネチカを最後まで待つことにし、ハク達は部下に任せて帝都まで送らせた。アニメ版 トゥスクルからの撤退後、自分もハク達と共に、帝都にまで引き上げている。 オシュトルによるとされるアンジュ暗殺未遂事件が起こり、さらにオシュトル、アンジュがハク達によって連れられ逃亡したときには、帝都の海側を海軍で包囲するが、アトゥイが乗り、クオンやアンジュらが隠れていた小舟を、敢えて見逃している。 オーゼン ヤマトの属国クジュウリの皇(オゥルォ)。戦いの才があるだけではなく、自ら陣頭に立って荒れ地を開墾した功績を認められ八柱将となったため「楽土のオーゼン」と呼ばれている。 15人の子を持ち、ルルティエは末子にあたる。ルルティエを箱入りに育てすぎたと考え、オシュトルの元に預けて、見聞を広げさせることにする。 ゲーム版、アニメ版共に、皇女の聖誕祭などで姿が見えるのみであり、セリフはない。 トキフサ 声 - 志賀麻登佳 強弓の使い手で「調弦のトキフサ」の異名を持つ。攻守共に堅実な戦いを旨とするが、逆に言えば能力的に際立った部分がないといえる人物。実力的に八柱将に選ばれるほど有能とも言えないが後述のデコポンポの無能さが際立っているせいで、現在、さほど問題視されていない。 デコポンポ 声 - 大川透 / 浜田賢二(ゲーム『斬』一部代役) 忠臣で有能だった親の七光りによって八柱将になったような人物。アニメ版ではそのまま「七光のデコポンポ」というテロップがつけられていた。贅沢好きで、自分の屋敷を華美に飾り立てている。語尾に「にゃも」をつけたしゃべり方をする。 戦の才もないが傲慢で悪知恵も働き、汚職などを行いつつも、いつもうまくもみ消している。オシュトル(ウコン)が、時にはハクにも依頼して何度も探りを入れているが、古くからの貴族の家系で横の繫がりも強いため、八柱将の地位を守り続けている。しかし、そうした事が他の八柱将から決定的な侮蔑を買う結果を招いており、ライコウからは「豚(ブルタンタ)」呼ばわりされたり、ミカヅチからは「八柱将の面汚し」と呼ばれたりしている。 ウズールッシャとの戦いでは、采配士であるマロロの忠言をことごとく無視し、自軍を壊滅させかけるが、かろうじてミカヅチに救われる。その汚名をそそぐ機会として、トゥスクル侵攻軍にも選出された。だがそこでも突出を繰り返して兵を損耗させ、さらにムネチカの兵に、損害を引き受けさせようとする。 その後、帝崩御の連絡を受けて帰国している。アニメ版 ウズールッシャがヤマトに侵攻してきたときの軍議で、存在をほとんど無視され、針の筵に乗せられたような屈辱を受けるものの、素行を改めるどころか、自己顕示欲のままに軍の基本方針を突き崩すような暴走を見せた。 また、アンジュ暗殺未遂の容疑をかけられたオシュトルから、預けられた仮面(アクルカ)をそのまま隠匿し、弄んだ挙句に失ってしまうという失態を犯すなど、愚昧な性格を遺憾なく発揮している。
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