マオ一行
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リュウ・マオシン(劉昴星) 声 - 田中真弓 / 藤原夏海 本作の主人公。通称「マオ」。四川省にある国営菜館「菊下楼」の総料理長パイの息子。13歳(『中華一番!』時)→14歳(『真』最終回および『極』時点)。 名料理人であった両親の才能を受け継ぎ、兄弟子にあたるショウアンとの「菊下楼」総料理長の座を賭けた勝負を行い、これに勝利して両親の後を継いで当代の総料理長となる。しかしまだ若輩であったため、修行期間が認められ、リー提督の紹介により広州の名店「陽泉酒家」で修行の日々を送る。齢十三の最年少で最難関広州の特級厨師試験に合格。予備試験では「麺で国士無双を表現」、本試験では「麺にして麺にあらず」という各課題をクリアした。 常人離れした味覚と桁外れの発想力を持ち、これにより格上の料理人が作った料理よりも斬新な料理を作り勝利したことも多い。『真・中華一番!』では裏料理界との闘いのために伝説の厨具を探す旅に出ることとなる。 「料理は人を幸せにする」という信念を常に持ち、料理を私利私欲のために悪用する人間を許さない。素直で礼儀正しい性格だが、姉のカリンの前では砕けた一面を見せる。良くも悪くも料理バカであり、料理への情熱から周囲を呆れさせることも少なくない。 裏料理界との戦いに関しては、彼らのやり口に憤りながらも実力は素直に認めており、更生を訴えることもあった。 必要に応じて神様やマフィア風の男を演じたりと多彩な演技を披露する場面も見られる。料理を振るった後に「彼が最年少特級厨師・劉昴星!」と素性が判明して登場人物が驚愕して収まるという、『水戸黄門』のような演出も見られる。 スケールの大きな料理・奇抜な料理という特性が際立つが、チョウユ仕込みの技術は超一級であり、包丁一本で満漢全席秘中の秘、豆腐の彫刻を創り出すなど精密な作業も難なくこなす。 科学知識にも明るく、それを応用した道具を調理器具にしてリエンに勝利したこともある。 普段は頭にバンダナを巻いているが、おどけて鼻で結んだ頬かむりのようにしてかぶることもある。 伝説の厨具「永霊刀」「転龍壺」「魔聖銅器」に継承者として認められたが、皇帝御前料理大会決勝トーナメントでは伝説の厨具を使用せずに戦った。 髪の色は原作では黒だが、アニメ『中華一番!』では青。原作と比較すると、かなり腕っ節の強い描写が見られる。 チョウ・メイリィ(周梅麗) 声 - 雪乃五月 / 茅野愛衣 チョウユの一人娘で陽泉酒家の看板娘。ただし料理の腕はないので、専ら給仕や洗濯などの雑用を務めている。共に過ごす内にマオに好意を持つようになるが、料理以外は鈍感なマオにやきもきする場面も多い。15歳。 初登場時は姉御肌のお転婆娘で、マオを心配するあまり彼を信じきることができず、足を引っ張ってばかりいた。『真』にて再登場した際にもあまり変わっていなかったが、シロウの「マオ兄を信じろ!」の一言で目が覚め、マオと旅をするにつれて徐々に成長していった。 亡き母メイカに面影が似ており、なかなかのプロポーションを誇り、『真』ではマオとの関係を巡ったエピソードも増えてヘアースタイルも変更された。父・チョウユの料理の才能は受け継がなかったが、優れた味覚を持っているようで、マオとジュチ、アルカンの料理勝負では判定役を務めている。 『中華一番』では、特級厨師となったばかりのマオが修行の旅に出て『真』で広州に戻ってくるまで出番はなかった。アニメ版ではマオの修行の旅に同行している。 シロウ(四郎) 声 - 坂本千夏 / 藤井ゆきよ 桂林で中華料理屋「菜根館」を営む日本人の母親を持つ混血児。11歳。料理修行の旅に出ていたマオに出会い、弟分の一番弟子として付いて行く。マオのことは「マオ兄」、メイリィは「あねご」、シェルは「アニキ」と呼んでいる。師匠であるマオの修行先である陽泉酒家に入門し、すばしっこいところが雑用向きと陽泉酒家の料理人たちに重宝されていた。 滅多にすることはないが、真面目な顔をすると(美人である母親譲りの)なかなかの美男子でもある。 最初の頃はお調子者のトラブルメーカー(例として「売られている工芸作品を大量に壊し、損害を求められる」・「金がないのに高級料理店に入り、袋叩きにされる」など)といった印象であったが、どんな過酷な状況でもマオの勝利を信じ、マオとリエンの鍋勝負の時は全ての感覚を研ぎ澄ませてマオを勝利に導いたり、キヌガサタケを使ったラーメンを作ったのがきっかけで陶芸家シコウと少女ユウカを救う、マオとカイユの決戦時にはマオの心情を理解するなど徐々に料理人としての才能を開き成長していった。しかし普段はマオに甘えっぱなしのうえ、料理の自主特訓なども特にしていないため、料理の腕はまだ半人前で窮地に陥らなければ本気になれないのが玉に瑕。 母親が日本人ということもあってか、梅干しや納豆、おにぎりなど、日本の料理や食材に精通しており、レオンの執念や偽レオンの切腹の際には侍を連想した。 シェル 声 - 家中宏 / 中村悠一 通称「鋼棍のシェル」。20歳。山西省出身。「特級面点師」の資格を持ち、点心全般、特に焼売にかけては大陸一を自負し、ルオウをして「点心作りの若き天才」と称される。左頬に傷がある。料理対決後はマオの良き理解者かつ兄貴分となり、マオ、メイリィ、シロウ、レオンと伝説の厨具を探す旅に出る。究極の技は『無影麺』であり、ジャガイモの麺をガラスのごとき透き通った薄さにまで出来る。レオンをして「大陸広しと言えどもこれを打てるのは唯一シェルのみ」と言わしめる。 さっぱりとした明るい性格のムードメーカーであり、クールなレオンとは対照的に描かれることが多い。反面おっちょこちょいで、レオンがシェルの起こした不始末・問題をフォローすることが多々あった模様。一方、レオンが負傷した時には元気回復の点心を山ほど作るなど、レオンを気遣う様子も見せ、かつて極上のフカヒレ料理を激安で食べさせてくれた店が落ちぶれたのを気に病み、復活に一肌脱いでいる。 常に鋼棍を携え大陸全土を旅して料理修行し、調理道具でもある鋼棍には料理勝負で倒した一流料理人の数だけ撃墜マークを刻んでいる。戦闘能力も「武将」と例えられるほど高く、インチキ料理人セイヨの神殿をレオンと共に瓦礫の山に変えてしまう。 広州を訪れた際に陽泉酒家に立ち寄り、マオとの焼売勝負を経て、行動を共にするようになる。「黄浦江楼麟艦宴席料理決戦」では、生ける伝説であるラコンと互角の勝負を繰り広げ、霊蔵庫を巡る裏料理界大幹部「五虎星」の紅一点、”青眼虎”ミラとの死闘では敗れたが、戦いを通じ恋仲となった。 『中華一番!極』ではレオンと共にマオに先んじて四川入りしており、菊下楼で執り行われたマリウの法要にも参列したが、爆破事件に巻き込まれ、暫くの療養を余儀なくされる。 伝説の厨具「霊蔵庫」に継承者として認められた。 レオン 声 - 林延年、野田順子(幼少期) / 杉田智和、青木志貴(幼少期) 陽泉酒家の料理人で元裏料理界麟厨師。通称「七星刀のレオン」。17歳。 マオが入門する4年前に陽泉酒家で修行し、ルオウ直々の弟子となり「早咲きの天才」と呼ばれた。料理修行に出た先で学ぶべきものを見出せず、その向上心に駆られ、裏料理界の門を叩く。紙が水を吸収するが如く門外不出の技を会得し、「刀工にかけては並ぶ者無し」とまで謳われるようになった。だが、七星刀の一件で裏料理界の恐るべき実態を知り脱走。裏に対抗できる唯一の鍵「伝説の厨具」を獲得する為、陽泉酒家に帰還。マオとの刀工勝負を経て、共に裏料理界との戦いを開始した。 性格は堅物といえるほど生真面目で、使用した食材には成仏を願って霊符を貼る優しさも持つ。一方、ナイーブで傷つきやすい一面もあり、アルカンからも「表と裏の狭間で揺れ、情緒不安定」と指摘された。裏料理界入門前は中性的な美少年だったが、裏料理界での荒行により、強面の外見となった。腕っ節も強く、シャンに七星刀で斬りかかったり、手傷を負わされながらもシェルに濡れ衣を着せてきた盗賊団相手に大暴れしたこともある。 愛用の七星刀を用いた、水牛をも血一滴、肉汁一滴零さず瞬時に解体する脅威の技「猛牛青龍斬」、瞬く間にイカをも瞬時に刺身にしてしまう技「七星破軍生墨魚片」など刀工技は多彩。そして裏料理界の奥技の一つ、氷河から切り出した氷で磨き抜かれた脅威の氷包丁「北辰天狼刃」による究極の技「羅漢水晶斬」を持つ。ただしその包丁の特性上、一度しか使うことができず、しかも凍傷で手に多大な負担を与えるため諸刃の剣で、作中ではマオとの対決時に使用したきり。氷包丁がなかったので後の戦いでは使用できなかった。 『中華一番!極』ではシェルと共にマオに先んじて四川入りしており、菊下楼で執り行われたマリウの法要にも参列したが、爆破事件に巻き込まれ、暫くの療養を余儀なくされる。 伝説の厨具「永霊刀」に継承者として認められた。 ラン・フェイフォン(蘭飛鴻) 声 - 置鮎龍太郎、嶋方淳子(幼少期) / 榎木淳弥 広州特級厨師であり、マオの最大の好敵手。17歳。冷静沈着であり物事に動じない美少年。自分で信じた以外の運も宿命も信じない強い自立心を持つ。 裏料理界で生を受けたが、赤子の頃にパイに命を救われた過去を持つ。宮廷料理人である龍厨師となる前は広東省「大同館」で修業していた。 史上最難関と言われた広州特級厨師試験でマオと出会い、パイへの恩義からマオに国士無双のヒントを与えたり、マオが味覚を失った時には助けて共に合格、お互いを最大の好敵手と認め合う。特級厨師試験官のレイカをして「そのニ宿星、いずれ中国料理界を揺るがす」と称される。特級厨師試験では「絶対佳人」を「国士無双に不可欠なもの」として、麺で表現。さらに本試験では「麺にして麺にあらず」という課題をジャガイモを使った冷麺で合格した。 シャンの策略により離ればなれになったシェルとレオンの代わりに、一時的に伝説の厨具探しの旅に同行。伝説の厨具「迦楼羅刀」に継承者として認められた。 皇帝御前料理大会決勝トーナメントでは伝説の厨具を使用しなかったマオ、カイユ、エンセイとは異なり、迦楼羅刀を用い五虎星エンセイを試合放棄に至らしめた。ただし無闇に使っていた訳ではなく、迦楼羅刀を使用したのは皇帝御前料理大会のみで、継承者となってからそれまでの間は滝つぼの底に自ら封印していた(現に御前料理大会後は他の伝説の厨具が失われたこともあり、断崖絶壁から迦楼羅刀を放り投げ、継承権を放棄した)。 宮廷料理人である龍厨師、さらには宮廷厨房の副料理長まで登りつめるが、料理人の「位」よりも自らの夢を選び、マオたちと共に大陸に「味の架け橋」をかけるため旅に出る。 アニメ版『中華一番!』では幼少時に両親を裏料理界に殺され、自身は裏料理界で強制的に料理修業をさせられた末に脱走。放浪の旅の途中でパイに助けられた過去を持つ。辛い記憶の大半は失われていたが、特級厨師になった後、その記憶を取り戻す。その後両親の仇を討つべく裏料理界の総本部に向かうも、逆に捕らえられ、裏の丸薬で洗脳されてしまう。皇帝陛下の御前料理勝負で伝説の厨具を用いたマオの解毒スープにより正気を取り戻した後、リーの命により、マオたちと共に厨具探しの旅に出る。
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