ペドフィリアとオタク差別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 22:35 UTC 版)
「ゲーマーゲート論争」の記事における「ペドフィリアとオタク差別」の解説
詳細は「おたく差別」、「ペドフィリア」、「ジョック」、「ナード」、および「フェミナチ」を参照 女性キャラクターだけでなく、未成年キャラクターの露出の高い服装・可愛いしぐさ・魅力を強調した演出なども批判される。 社会背景として、ペドフィリア(小児性愛者)とチャイルド・マレスター(小児性犯罪者)の混同がある。特にアメリカでは、ペドフィリアは単なる性的な異常者として見られているだけでなく、実際に子供への性犯罪を犯したかどうかを問わず、その性的嗜好を持っているだけで「絶対的な悪」として見られ、極めて強い嫌悪感を向けられている。これはかつて存在した同性愛者差別や黒人差別と同じ「特定の性癖や属性は、実行動は関係なく、存在自体が悪である」という理由であり、専門家は深刻な差別・偏見問題を指摘している。 また、オタクはナード(Nerd)やギーク(geek)と呼ばれ、差別の対象となっている。2019年発表のテキサス大学オースティン校とイリノイ大学が高校生に行ったアンケート調査では、スクールカーストで下から2番目となった。「魅力的でなく、異端で、社会的に扱いにくい」と評されており、アメリカでは体育会系が線の細い子供をいじめる古典的ないじめのパターンが存在し、コロンバイン高校における銃の乱射事件のように、上位のジョック(jock)やクイーンビー(Queen Bee)らに虐げられるナードの事件も起きている。 近年では大人の愛好者も徐々に増えているが、海外では日本のように、大人から子供まで幅広くサブカルチャーを楽しむ文化ではなく、漫画・アニメ・ゲームといったものは子供の娯楽であると見られる傾向があり、「子供のため」という理由で、日本からすると過剰・極端ともとれる表現規制が行われている。 なお、同種の差別は日本でも行われてきた。サブカルチャーが人気を博し、一般化するに従い緩和されてきたが、2000年代でも批判や論争は続いている。代表的な事例には以下がある。 1955年、アメリカのコミックスコードと漫画バッシングの影響で、日本で悪書追放運動が社会問題となった。漫画は低俗で、子供の健全な教育、成長に極めて有害なため、「読まない 見せない 売らない(3ない)」をスローガンに、日本全国で漫画出版社や書店、貸本屋、漫画家らへの抗議が行われた。 1983年、中森明夫が『漫画ブリッコ』で連載した「おたくの研究」で、「どこのクラスにもいる、運動が全くだめで、休み時間に教室の中に閉じ込もって、日陰でウジウジと将棋なんかに打ち興じてたりする奴ら」「クラスの片隅で、目立たなく暗い目をして、友達の一人もいない、そんな奴ら」などと述べられた。 1988年、宮崎勤による東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件で、「オタク=性犯罪者予備軍、ロリコン」というイメージが作られ、社会的なバッシングに発展した。 1995年、地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教がおたく世代であり、漫画、アニメなどから犯罪の着想を得ていたとの指摘により、1989年の宮崎勤の連続幼女誘拐殺人事件以降くすぶっていた「有害マンガ犯罪誘発論」が頻発し、有害コミック騒動となった。 1997年、神戸連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇聖斗事件)の犯行動機を漫画の影響とする報道が相次ぎ、少年事件における漫画・アニメの影響を論じる空気が醸成された。 2015年、伊勢志摩サミット(主要国首脳会議) が開催される三重県志摩市公認の海女の萌えキャラ「碧志摩(あおしま)メグ」が、「胸や太ももを強調しすぎ」「海で生きてきた海女の伝統と文化をバカにしている」「ロリコン」と論争が起きた。志摩市内の海女は昨年時点で約250人。海女とその家族211人と母親98人の反対署名を集めて8月13日、市に提出。ネット上でも公認取り消しを求める約7千人の反対署名が集まった。「碧志摩メグ」の企画プロデューサーで国際レーシングライダーの浜口喜博は「一部の批判はあるが、新しいものを取り入れることは重要。オバマ大統領もアニメ好きと聞いている。サミットでもアピールしたい。色んな力が合わさって、日本の良さを世界へ挑戦できる環境をつくらないと日本らしさも伝わらないと考えています。市の公認キャラですので、市との協議の上、変更する箇所が出てくるのは仕方がないことだと考えます。ただ、地域の将来をしっかり見つめた戦略でもあり、目的達成に向けて世界中で愛される、世界中から地域の良さを知ってもらえる環境をつくっていきます」とコメントした。市は11月、女性からの抗議を受け、公認を撤回している。 「恋は雨上がりのように」作品において「なぜ相手に好かれても手を出しちゃいけないか」を丁寧に繊細に描いた映画にもかかわらず、中年が17歳少女に恋をするという男性のことしか考えてない性的搾取作品として女性を中心に「キモい」と大量のツイートがされた。その大半は原作を読んでいない女性ということもあり、女性たちでの叩き合いも発生した。 2018年秋、日本における代表的なVtuberのキズナアイのアイドルを模した服装に太田啓子や佐藤 圭らがTwitter上にて「性的に強調した描写」「しつこく批判していかなければならない」とツイートし、ファン側から「AKBのようなアイドルはどうなるんだ」「作者は女性だ」「駅等の下着広告はどうなんだ」と猛反発を受けた。 2019年。日本赤十字社がコミックマーケットを利用した献血を呼びかけるキャンペーンにおいて、「宇崎ちゃんは遊びたい!」!とのコラボポスターにフェミニスト活動家兼弁護士の太田啓子が「公共空間で環境型セクハラしてるようなものですよ」とツイートをし、ファン側等と論争が発生した。同氏は胸が強調される描き方は女性軽視に繋がるとする一方で、ファン側からは「お前のドレスポスターの肌露出はどうなんだ」「胸が大きい女性は存在がセクハラなのか。メディア活動はセクハラなのか」と反発した。 2020年。ららぽーと沼津沼津市の特産品「西浦みかん」をPRするため「西浦みかん大使」に選ばれた『ラブライブ!サンシャイン!!』の主人公「高海千歌(たかみちか)」がプリントされたパネルで同キャラのスカートのしわ及び短さが「透けているように見える」「陰部を強調しすぎている」と批判が起きた。その一部がJA側にクレームを入れ、パネルは16日付設置からわずか4日で、同キャラクターのパネルが撤去される事態となった。(尚、パネルは次の日に沼津コート内のギャラリースペースに一時的に移動した模様)ファン側や「オタク」側からは「普通のスカートでも同じようなしわは発生することもある」「国民的アニメ、ドラえもんのしずかちゃんのスカートも同じようなしわが描かれることもある」と猛烈にフェミニストへ批判ツイートが飛び交った。同組合の担当者は18日、J-CASTニュースの取材に「肯定、否定を含めて多くの皆さんから(ネット上や問い合わせで)コメントをいただいた」と理由を明かすした。これに対し、様々なSNS上で荻野 稔大田区議会議員ら著名な人までラブライブ側への応援や再配置を望む声やフェミニストへの憎悪が大量に投稿され、ラブライブという大人気コンテンツということもあり、「オタク文化」が関係したフェミニズム騒動で過去一番に論争が起きた。ファンたちを中心とした有志による再設置署名は1万筆超え、同キャラがプリントされたコラボ限定みかん段ボールは早々に完売するという支援の輪が広がっている。また、同時期からラディカル・フェミニズム視点の問題提起が多発し、「フェミナチ(又はフェミスト)」という表現方法が反発する側から用いられることが多くなった。(尚、海外では既に抗議目的で活発に利用されていた模様である)
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