ブルーフィクサー(地球)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/22 12:59 UTC 版)
「宇宙戦士バルディオス」の記事における「ブルーフィクサー(地球)」の解説
世界連盟所属の地球防衛軍。BFS(Blue Fixer Secret)と略する。西暦2091年に放射能汚染、大気汚染など地球環境を調査・管理する目的として設置されたが、ストーリーが開始する西暦2100年の時点では既にバルディ・プライズ、キャタレンジャーを開発・保有する独自戦力を持つ防衛組織となっており、バルディオスの開発で一層その傾向は強まった。世界連盟所属ではあるが一定の権限を持つ独立した組織であるため、世界連盟上層部の政治的干渉や正規軍との軋轢もみられた。「影の軍隊」の異名を持ち、その秘密主義と世界連盟の統制の及ばない戦力増強を非難されたこともある。隊員の中でも特に最前線で任務をこなす最精鋭の隊員を指して「フィクサー」もしくは「バルディオスチーム」と呼称する。各隊員には階級が与えられているが、挨拶の際には敬礼ではなく握手を基本とする、パーティやコンサートの開催許可を与え隊員の親睦に務めるなど、文官出身の月影長官の人柄が反映された組織となっている。 マリン・レイガン 声 - 塩沢兼人 / 山崎たくみ(スーパーロボット大戦シリーズ) S-1星人。特務戦闘隊特別隊員。20歳。パルサバーンのパイロット。父を殺したガットラーを追って地球にたどり着いた。その素性から母星からは裏切り者、地球人からはスパイの疑いを掛けられる。青い空と海を汚す者は許さない熱血漢。S-1星ではUFムセイオンと呼ばれる平和主義者の集まる学校の学生で、最高学位であるUF学士号を獲得しており、軍部の同校制圧後は父親の研究を手伝っていたようである。地球来訪後もこうした科学知識は彼の大きな武器となる。外見的特徴は青みがかったやや長髪の髪型。なお小説では3作とも年齢設定が異なっており、コバルト文庫版では19歳、ポケットメイツ版では21歳、ソノラマ版では23歳とされていた。なお、「マリン」とのネーミングは、青い海を守る者、という意味合いを込めて設定されたと言われる。[誰によって?]一部の資料には「マリン・レーガン」と表記されている。 すべてが終わったあとは、地下都市へと避退する地球人にもさらなる新天地を目指すS-1星人にも同行せず、ただ一人地上に残って追憶にふけるシーンで、劇場版は終わる。 ジェミー・星野 声 - 横沢啓子(現:よこざわけい子) / 潘恵子 科学開発局応用物理研究室員。特務戦闘隊員ではないが、同等に訓練を受けており、作戦内容によってはバルディ・プライズの操縦補佐なども行なう。18歳。私生児として出生。母親の死後、一時期日系ギリシャ人に養育されたが保護者死亡のため施設に。15歳でBFSに志願。第9話で父親がバード国王だったことが判明。孤独だったマリンの心を開くきっかけを作った。次第にマリンへ想いを寄せるようになる。テレビ版オープニングではこれを象徴するかのように、マリンの手を引くように2人で野原を駆けるシーンが描かれている。しかし、マリンはジェミーに対し「妹」または「仲間」としての感情以上のものは抱かなかったようであり、終盤ではオリバーと接近することになる。BFSではクインシュタインの助手的なポジション。主な登場人物では最年少であり、言動に未熟さが垣間見えてしまうこともあるが、第6話ではバルディ・プライズ、第28話では(マリンと共同操縦だったとはいえ)パルサバーンを操縦、合体までこなすなどフィクサーにふさわしい働きも見せる。特に第28話のチャージ・アップ成功は地球人では劇中唯一である。 ジャック・オリバー 声 - 鈴木清信 / 田中秀幸 特務戦闘隊伍長。22歳。バルディ・プライズのパイロット。アメリカの下層階級出身でアフロ金髪の気障な皮肉屋でクリスチャン。幼い頃に両親と離別、妹エミリーと共にスラム街で過酷な少年期を過ごしたためか、妹に年齢の近いジェミーには何かと気をかける。当初はマリンに疑いの目を向けていたが、共に死線をくぐり抜ける間にやがて信頼するようになる。 北斗 雷太 声 - 玄田哲章 特務戦闘隊軍曹。キャタレンジャーのパイロット。放棄された月面植民都市「リトルジャパン」出身。オリバー以上にマリンを信用しておらずスパイと疑っていたが、共に肉親を失った天涯孤独の身ということもあり、戦いの中で信頼を置くようになっていく。武道の達人で豪放磊落、質実剛健的なキャラクターだが、時にはコメディ・リリーフ的な一面も見せる。また直接の描写はないが、通常勤務終了後は士官学校で教鞭をとるなど誠実な人物を思わせる設定も。テレビ版では、第38話(未製作)でアルデバロンの手に落ちた核ミサイル基地の核弾頭を処理するために出撃、スピリット・ガットラーIIの集中攻撃を受け戦死する。なお劇場版ではエピソード自体がカットされたために最後まで生き残る。そのカットされたシーンの一部はLPの名シーンスチルセレクトに収録されている。 エラ・クィンシュタイン 声 - 加川三起(現・鳳芳野) / 此島愛子 科学開発局長。32歳。ドイツ出身で任務中は主に「博士」と呼ばれ、自分のことは「わたくし」と語っている。常に物静かな物腰と上品な言葉遣いとは裏腹に、感情よりも論理を優先する沈着冷静な人物である。BFSの頭脳でありナンバー2として月影を補佐、彼の不在時はBFSの指揮を代行する。マリンの能力に注目しチームに引き入れるが、根底にあるのは「憎しみは愛よりも強い」という徹底的にリアリスティックな人間観ゆえである。特にロボット工学や亜空間力学に関しては地球人としては随一であり、パルサバーンを解析、改造強化した上合体機能を与え、バルディオスを開発した。第36話(未製作)では脱走してBFS基地に匿われたアフロディアに暴力に等しい尋問を行い、小説版では家族を失ったBFS隊員によるアフロディアに対する暴行を容認するなど、冷酷な一面も。劇場版の土星決戦ではジェミーと共にバルディオスに搭乗して要塞中枢炉攻撃に参加していたため、BFS基地崩壊からは難を逃れる。設定身長は183センチでマリンや雷太よりも背が高い。純白のショールと肘までの長手袋がトレードマーク。時期は不明だが、教師をしていたことがあり、デビットはかつての教え子である。合理性が全てのような人物ではあるが、BFS隊員、特にマリンが精神的に追い詰められた時などは女性らしい母性と優しさを発揮してその精神的支えとなることもあった。 月影 剛士 声 - 石森達幸(テレビ版のナレーションも兼任) / 堀勝之祐(劇場版のナレーションも兼任) 司令長官。40歳。沈着冷静な司令官。日本出身で、あまり軍人的な考え方をしない理想主義的な人物として描かれるが、時には「甘い」と側近や上層部からとがめられることもあった。当初異星人であるマリンに対する態度は非常に厳しいものであったが、あくまで地球を守るための意識からくる警戒であり、後にマリン自身の口から「俺達の父親」と言われるほどの信頼を得る存在となる。第32話(テレビ版第31話)の人工太陽への対応を慎重すぎるが故に誤っているが、第34話ではアルデバロンの攻撃でチャイナシンドロームを起こした核物質と共にミニパルサバーンでスピリット・ガットラーに特攻、劇場版の土星決戦でもBFS基地と共に壮烈な最期を遂げる。日本に妻子を残して単身赴任しており、彼にとってクィンシュタインは良きパートナーではあるが、あくまで仕事上の一線を越えることはなく、クィンシュタインの彼に対する評価は「立派な人です」の一語だった。外見的特徴はこの年齢にしては白みがかった銀髪と口ひげ。また、あまり大柄なキャラクターとは描かれていないが、実は身長185センチと日本人としてはかなりの長身である。 デビット・ウェイン 声 - 井上和彦 テレビ版第29話および劇場版に登場。パルサバーンの予備パイロット候補でマリンと互角の操縦テクニックを誇る天才。 生意気で気障な性格を見せ、最初は異星人であるマリンを見下しいつか予備ではなく正規パイロットになってみせると豪語していたが、その腕前はマリンからも賞賛されるほどであった。クインシュタイン博士の教え子であり、少年時代から彼女を密かに想い続けていた。アルデバロンの地球氷河期作戦の際、地球のためにではなくクインシュタインのためにフィクサー1でガニメドに特攻する。博士はデビットのため、作戦前夜に自室の鍵を開けておいたが、彼は博士の姿をひと目見ただけで出撃した。 劇場版ではオリバー、雷太とは士官学校での同期という設定で登場。マリンがアルデバロンの基地に潜入している間、パルサバーンのパイロットとして出撃したがチャージアップに失敗、パルサバーンのパイロットを辞退しBFSを去った。土星決戦にはフィクサー1で駆けつけ、命尽きるまでクインシュタインへの想いを断ち切らなかった。
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