『北海道編』の主要人物
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「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-の登場人物一覧」の記事における「『北海道編』の主要人物」の解説
長谷川明日郎(はせがわ あしたろう) 『北海道編』の前哨譚である『明日郎 前科アリ(異聞)』の主人公。16歳。表向きは食い逃げの罪で5年間服役していたが、真の罪状は志々雄一派の末端構成員だったという経歴による。 新潟にある山奥の廃屋に住んでいた孤児で、方々で盗みや食い逃げを働いていたことから「悪太郎(あしたろう)」と呼ばれていた。食べられるものはたとえ泥砂にまみれようと、多少腐りかけようと何でも食してきたため、非常に強靭な胃腸をもっている。我流で肉体の鍛錬も積んでおり、強靭なあごによる噛みつき攻撃が最大の武器。志々雄一派が掲げていた国盗りの大義には興味がなく、うまい食事をたらふく食いたいという単純な動機で一派に参加していた。志々雄のアジトに盗みに入った時に捕まり、逆さ吊りの状態で志々雄と対面。その際は上記の単純な動機を話し、志々雄に見込まれたことで配下に加えられた。一派壊滅後は、アジトの焼け跡から志々雄の遺した愛刀・無限刃を偶然発見し、その正体もわからぬまま持ち出す。 無限刃を巡って志々雄一派の残党と死闘を演じ、阿爛の真実を知ったおりに賊長に彼を侮辱されたことで吹っ切れ、賊長たちへの怒りと殺意のままに無限刃を抜こうとするが、助けに入った剣心に止められる。事件解決後は神谷道場預かりとなり、その門下生となる。その際、阿爛の機転により「悪太郎」から同じ読みの「明日郎」に改名する。剣心から無限刃を預かりたいと言われるもそれを拒絶し、自分が持つと剣心に言った。それを聞いた剣心は内心で無限刃が明日郎を選んだのか、明日郎が無限刃を選んだのかと思った。 『北海道編』本編では、旭を利用していた二人組とけんかになった際に警官隊とも衝突。止めに入った剣心相手に無限刃を引き抜き、志々雄の技である壱の秘剣「焔霊」を発現させるが、逆刃刀での双龍閃を受けて倒される。その後、剣心の言いつけで無限刃を封印し、剣心の護衛として阿爛、旭とともに北海道函館への旅に同行させられる。3人とも「ア」で始まる名前ということで、左之助から「"ア"の三馬鹿」とひとくくりで命名される。 劍客兵器の小樽拠点では無限刃の封印を解き、阿爛の投げた火薬樽に焔霊で着火するという「紅蓮腕」じみた事をやっている(明日郎が意図したことではなく、当然自分も巻き込まれたが)。 外見は弥彦の再筆版デザインをアレンジしたもの。[要出典]志々雄とは面識はあるものの師弟や親子などの強い関係ではない方向で設定された。 井上阿爛(いのうえ あらん) 『前科アリ』から登場。小菅集治監に収監されていた少年。16歳。上質な洋装と自己陶酔的な性格が特徴で、海外に憧れて密航を企てたところを捕まり、3か月の刑に服していた。明日郎と同じ日に釈放されたことから明日郎と縁を持つようになる。美女に目が無く、旭を気に入るも袖にされている。なお、体力はあまりない。無限刃を売るべく明日郎と同行する。実は外国人との混血児で(賊長は外国人居留地の異人揚屋の娼婦の息子と推察している)、金髪に黒い染料を塗って純日本人に見せかけていた。しかし、賊長の攻撃から明日郎を庇った際、砕かれた弩鈍杵から漏れた油を浴びて染料が落ちてしまう。事件解決後は明日郎と共に神谷道場の門下生となる。 小知恵を利かせて剣路をお菓子で釣って秘伝書を読み、それだけで皆伝を受けた気になるなど、考えが浅い。明日郎・旭・剣路に読み書きを教えている。自身が生きていく元手として金を稼ぐことに注力しており、剣心からは観柳のようになってしまわないか心配されている。阿爛自身は観柳のようになる気は更々ないが、観柳の語った「金こそがこの世で最も平等で公平」という価値観には感じ入っている。 外見は由太郎の再筆版デザインのアレンジ。[要出典] 久保田旭(くぼた あさひ) 『前科アリ』から登場。明日郎の御宝(無限刃)を狙う少女。明日郎と同じく志々雄一派に所属していたが、当時は明日郎とは面識はなかった。一派壊滅後はその残党の集まりに属しており、紅一点として君臨する。自分の本心を隠すために表面上は明るく振る舞っているが、本来は暴力を嫌う優しい人物であり、相手を傷つけないように得意のからめ手を用いる。ただし、素の戦闘能力は明日郎をしのぐ。教会などの西洋建築に見られる派手な装飾を好み、阿爛からは「キラキラ好きの開化っ娘」と評される。 明日郎の出所を見はからって接触し、食料と引き換えに無限刃を渡すように迫る。しかし、介入した蒲原から賊長が小菅集治館を襲撃したと知らされてその場を離脱し、賊長と合流する。その後は計略で明日郎と阿爛を廃道場におびき出すが、死人を出す事態は避けようとしていた。一派を壊滅に追い込んだ剣心の存在は認識しており、剣心が介入を知ると即座に逃走し、警察の指名手配を受ける。 『北海道編』では、本来の所属組織である闇乃武からの莫大な借金を返済する目的で、志々雄一派に出向していたことが判明する。しかし読み書きができなかったため本当の金額を知らないまま働かされ、真実を知らされると絶望する。その事情を知り激怒した明日郎が、自分のために佐古と戦う姿を見て改心し和解する。以後は神谷道場預かりとなり、読み書きの勉強を始める。しかし、無理やり連れてこられた函館で佐古らと偶然鉢合わせた際に剣心の正体を知って闇乃武だった過去を知られることを恐れて逃げ出す。しかし、阿爛の読み通り、ハリストス正教会にいたところを二人に発見され、剣心と自分の正体を明かすが阿爛の提案で正体を隠して剣心を逆に後ろ盾にすることを決めて自分から剣心たちのもとに戻る。 於野と左之助の戦いの際には物陰に隠れながら反響を計算しつつ左之助の声色を真似て於野から情報を抜き出し、その功名さから「"ア"の三馬鹿の中では一番の曲者」と評される。 外見は鎌足の再筆版デザインのアレンジ。[要出典]髪型と衣装は初登場時と『北海道編』で異なっており、ロングヘアからボブカット寄りの髪型となった。 永倉新八(ながくら しんぱち) / 杉村義衛(すぎむら よしえ) 実在の人物で、元・新選組二番隊組長。斎藤や沖田にならぶ新撰組最強の剣士のひとりで、かつて一対一で戦った剣心からも実力を高く評価されている。幕末の動乱で新選組の仲間が大勢戦死したなかで生き残った自分自身を、「明治の死に損ない」と自嘲し、自身を新撰組の意思を持った狼という斎藤とは違い、只の狗と言っており、自身の闘姿を見たがっていた凍座には、「狗か狸だと思う」と返していた。 維新後は史実どおりに杉村義衛と改名し、樺戸集治監で剣術師範を務めていた。劍客兵器の樺戸襲撃前夜に安慈とともに函館に向かい、事前に大まかな動向を掴んでいた宗次郎を加えた3人で剣心や斎藤たちと合流する。加齢で白髪交じりの容貌となっており、加齢による体力の衰えや不安が出ているものの、宗次郎との手合わせでは縮地の二歩手前を見切って動きを封じるなど、実力は健在。「受ける」「崩す」「叩き斬る」の三連動作からなる技を得意としている。 新撰組時代からの仲である斎藤や、温厚な剣心さえも辟易するほどのなれなれしく大味な性格で、自身が将来作ろうとしている回顧録に、本来池田屋事件に参加していなかった斎藤(実際は土方歳三率いる別動隊の一員として参加し、事件終了直前に池田屋に到着)と剣心の参加をでっち上げて回顧録に記そうとしたり、珍しいからという理由で逆刃刀を見せてくれと剣心に迫って煙たがられる。回顧録に関しては、剣心からは本気で拒絶され謝罪する。一方で、剣心と斉藤とは、幕末という時代を戦った同時代人としての絆を、酒を酌み交わしながら穏やかに回顧し共有する関係でもある。 大味な性格な一方で44歳の人間らしく度量の大きい面もあり、三島栄次が家族の仇である十本刀と出会った際にはたしなめる一面や、凍座への尋問の時には劍客兵器の目的が、一騎当千の猛者を選りすぐり日本を守る要とすることから、明治政府の掲げてる富国強兵政策と相反していない事を理由に、実検戦闘を止めて明治政府と手を組み、劍客兵器が軍の一機関として猛者を育成する事を提案した。 無鉄砲でがむしゃらとされる原作とは異なり、「44歳の中年男」「常に張りつめている斉藤との対比」という意味合いで、「親戚の集まりには必ず一人いる、ゆるくてちょっとうっとおしいおっさん」というキャラクターづけにしている。しかし、新選組時代は史実通りのがむしゃらだったようで、原田から「がむしゃらな新八」を略して「ガムシン」というあだ名を付けられて隊内で定着し、斎藤以外のかつての同胞からは現在もそう呼ばれる。が、本人は「ダサい」と納得していない。『剣心皆伝』での再筆:粋でいなせな江戸っ子。 必殺技 受・崩・殺・龍尾三匹(うける・くずす・ころす・りゅうびさんびき) 相手の刀を受けて交した刀を通じて相手の重心を抑え込んで崩す、『降り龍尾』崩した後相手の身体を浮かす『昇り龍尾』、唐竹割で相手を真上から叩き切る『斬り龍尾』の三連動作を連続で繰り出す技。 雹辺との戦いで使用し、彼の正体が双子による二人羽織であることを証明した。自身の得意技ではあるが、体力の消耗が激しく、体力の落ちた状態では、一度の使用で息が上がるほど消耗してしまう。
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