『北野天神縁起絵巻』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/03 02:09 UTC 版)
『北野天神縁起絵巻』には、以下の伝承が載っている。 ある時、比叡山延暦寺にいた尊意のもとへ道真の霊が現れた。霊をザクロの実でもてなすと「復讐にあたって、梵天と帝釈天の許可を得た。例え天皇からの命令であっても、私を阻止するような事はしないで欲しい」と道真の霊に頼まれる。尊意はこれを「天皇から二度三度と出動要請があれば、断る事はできません」と断る。すると、激怒した道真は、とっさにザクロをつかみ、口に含んだかと思うと、種ごと吹き出した。種は炎となって燃え上がり、傍らの戸に引火するも尊意は印を結び水を放ち消し止めた。尊意はそのまま道真の霊を追っていく。鴨川まで来ると突然、川の水位が上がり始め、とうとう土手を越えて町中に流れ込んできた。尊意は手にした数珠をひともみして祈ると、水の流れは二つに分かれ一つの石が現れた。石の上には道真の霊が立っていた。尊意僧正との問答の末、道真の霊は雲の上に飛び去り、それまで荒れ狂っていた雷雨がぴたりとやんだという。 また、『吏部王記』『日本紀略』『扶桑略記』では、醍醐天皇が崩御するまでの祈祷の様子と臨終出家の戒師をつとめたことが書かれている。
※この「『北野天神縁起絵巻』」の解説は、「尊意」の解説の一部です。
「『北野天神縁起絵巻』」を含む「尊意」の記事については、「尊意」の概要を参照ください。
- 『北野天神縁起絵巻』のページへのリンク