社寺縁起絵
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北野天神縁起絵巻(承久本) 藤原信実の作と伝わる縁起絵。13世紀初めの成立で全8巻。菅原道真の伝記と、道真の大宰府での憤死ののち、さまざまな祟りがあったので道真の御霊をなぐさめるために北野天満宮を建てたという由来と霊験を描く。天神信仰のひろまりとともに数多くの異本がつくられた。「根本縁起」とも称される承久本(北野天満宮蔵)は国宝。 春日権現験記絵巻 高階隆兼作の縁起物で鎌倉時代末期の成立。藤原氏の氏神である春日明神の霊験を描いている。全20巻。細密な風俗描写や色彩にすぐれ、現実と交錯する神秘の世界が美しく描かれる。鎌倉時代の絵巻物を代表する力作とされる。三の丸尚蔵館蔵。 石山寺縁起絵巻 石山寺蔵。重要文化財。高階隆兼の筆と伝わる。観音霊場として名高い近江国石山寺の由来、霊験を描いた縁起絵で大和絵の代表といわれる。7巻33段のうち鎌倉時代の作品は巻一・二・三の3巻のみである。 粉河寺縁起絵巻 作者不明の縁起絵。粉河寺蔵。国宝。西国三十三所の三番札所である紀伊国粉河寺の千手観音に関する2つの説話を描いている。彩色は淡く、素朴ななかに古雅な味わいを有すると評される。
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