パースペクティブとは? わかりやすく解説

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perspective

別表記:パースペクティブ

「perspective」の意味・「perspective」とは

「perspective」とは、視点見方考え方を指す英単語である。視覚的な意味合いとしては、物事を見る角度立場視野を示す。抽象的な意味合いとしては、物事理解するための観点思考枠組みを表す。例えば、「彼の視点から見ると、その問題は全く違ったものに見える」を英語で表現すると、「From his perspective, the problem looks completely different」となる。

「perspective」の発音・読み方

「perspective」の発音は、IPA表記では/pərˈspektɪv/となる。IPAカタカナ読みでは「パースペクティヴ」となる。日本人発音するカタカナ英語では「パースペクティブ」と読む。この単語発音によって意味や品詞が変わる単語ではない。

「perspective」の定義を英語で解説

「perspective」は、Oxford English Dictionaryによると、「A particular attitude towards or way of regarding something; a point of view」と定義される直訳すると、「何かに対す特定の態度見方視点」となる。この定義からも、「perspective」が視点考え方を表すことが理解できる

「perspective」の類語

「perspective」の類語としては、「viewpoint」「standpoint」「angle」「outlook」などが挙げられる。これらの単語も、「perspective」と同様に物事を見る角度立場視野を示す。

「perspective」に関連する用語・表現

「perspective」に関連する用語表現としては、「change one's perspective」(視点変える)、「gain a new perspective」(新たな視点を得る)、「from a different perspective」(違う視点から)などがある。これらの表現を使うことで、「perspective」の意味をより具体的に表現することができる。

「perspective」の例文

1. English: "From a global perspective, this issue is more complex."
日本語訳: 「全体的な視点から見ると、この問題はより複雑である。」
2. English: "His perspective on life has changed after the incident."
日本語訳: 「その事件後、彼の人生観は変わった。」
3. English: "The book provides a fresh perspective on the historical event."
日本語訳: 「その本は、その歴史的な出来事対す新たな視点提供する。」
4. English: "She has a unique perspective on the matter."
日本語訳: 「彼女はその問題対する独自の視点持っている。」
5. English: "From an economic perspective, the plan is feasible."
日本語訳: 「経済的な視点から見ると、その計画実行可能である。」
6. English: "The painting shows the artist's perspective on nature."
日本語訳: 「その絵画は、アーティスト自然に対す視点示している。」
7. English: "It's important to consider different perspectives."
日本語訳: 「異な視点考慮することは重要である。」
8. English: "The film offers a new perspective on the war."
日本語訳: 「その映画は、戦争対す新たな視点提供する。」
9. English: "Her perspective is always insightful."
日本語訳: 「彼女の視点は常に洞察力富んでいる。」
10. English: "The class gave me a different perspective on the subject."
日本語訳: 「その授業は私にその主題対す異な視点与えた。」

perspective

別表記:パースペクティブ

「perspective」の意味・「perspective」とは

「perspective」とは、英語で「視点」や「見方」を意味する単語である。視覚的な意味合いとしては、物事を見る角度立場を指す。また、抽象的な意味合いとしては、物事理解するための考え方アプローチを示す。例えば、「彼の視点から見ると、その問題は全く違って見える」を英語で表現すると、「From his perspective, the problem looks completely different」となる。

「perspective」の発音・読み方

「perspective」の発音は、IPA表記では/pərˈspektɪv/となる。IPAカタカナ読みでは「パースペクティヴ」となる。日本人発音するカタカナ英語では「パースペクティブ」と読む。この単語発音によって意味や品詞が変わる単語ではない。

「perspective」の定義を英語で解説

「perspective」は英語で、「a particular way of considering something」と定義される。これは、「何かを考え特定の方法」という意味になる。例えば、「To gain a broader perspective, we need to consider all the facts」は、「より広い視野を得るためには、すべての事実考慮する必要がある」という意味になる。

「perspective」の類語

「perspective」の類語には、「viewpoint」、「standpoint」、「outlook」などがある。これらの単語も「視点」や「見方」を意味するが、微妙なニュアンス違いがある。「viewpoint」は物理的な視点強調し、「standpoint」は主観的な立場強調する。「outlook」は将来対す見方予想を指すことが多い。

「perspective」に関連する用語・表現

「perspective」に関連する表現として、「change one's perspective」や「gain a new perspective」などがある。「change one's perspective」は「視点変える」、「gain a new perspective」は「新たな視点を得る」という意味になる。これらの表現は、物事見方変えることで新たな理解洞察を得ることを示す。

「perspective」の例文

1. English: "From a global perspective, this issue is not unique to our country." (日本語訳世界的な視点から見ると、この問題我が国だけのものではない。)
2. English: "Her perspective on the matter is quite different from mine." (日本語訳:彼女のその問題対す視点私のものとはかなり異なる。)
3. English: "The book provides a historical perspective on the evolution of technology." (日本語訳:その書籍技術の進化についての歴史的視点提供する。)
4. English: "His perspective was influenced by his personal experiences." (日本語訳彼の視点は彼自身経験影響受けている。)
5. English: "Taking a long-term perspective, this investment will be profitable." (日本語訳長期的な視点で見ると、この投資利益もたらすだろう。)
6. English: "The course helped me gain a new perspective on the subject." (日本語訳:そのコースは私にその主題についての新たな視点を得るのを助けた。)
7. English: "From an economic perspective, the project is not feasible." (日本語訳経済的な視点から見ると、そのプロジェクト実現可能ではない。)
8. English: "The artist uses perspective to create a sense of depth in the painting." (日本語訳:その芸術家絵画奥行き感を作り出すために視点を使う。)
9. English: "I changed my perspective after hearing his side of the story." (日本語訳彼の話を聞いて、私は自分視点変えた。)
10. English: "The documentary offers a unique perspective on the war." (日本語訳:そのドキュメンタリー戦争についてユニークな視点提供する。)

prespective

別表記:パースペクティブ

「prespective」とは、展望見通し視点のことを意味する英語表現である。

「perspective」とは・「perspective」の意味

perspective」は、観点視点見通しなどの意味用いられる英語の名詞である。経験個性関わるものの見方考え方においての「観点」や「視点」のことを意味するまた、物事の関係を正確かつ公正に考え能力のことも指す。美術用語としては、「perspective」は「遠近法」という意味もある。遠近法とは、遠くにあるものが近くにあるものよりも小さく見えたり平行線遠く1点で交わるという描写方法である。「perspective」と類似する「perspectively」は、「perspective」の副詞形であり、「遠近法上の」や「遠近法によって」という意味をもつ。

「perspective」の発音・読み方

perspective」は発音記号にするとイギリス英語は「pəspéktɪv」、アメリカ英語は「pɚspéktɪv」である。日本語カタカナ読みでは「パースペクティブ」と発音されるが、発音記号通りに読むと「 パァスペェクティィヴ」という発音になる。

「perspective」の語源・由来

perspective」の語源は、「見通す」という意味を持つラテン語の「perspecio」である。ラテン語の「perspecio」を語源とする単語は、「perspective」のほかには「見込み」という意味を持つ「prospect」がある。

「perspective」の覚え方

perspective」は、単語を「per」と「spect」に分割する覚えやすい。「per」には「徹底的に~を通して」という意味があり、「spect」には「見る」という意味がある。「通して見る=見通し」というように単語構成から理解すると、意味やスペル覚えやすい。

「perspective」と「prospect」の違い

perspective」と「prospect」は、スペル発音似ているため混乱しやすい。「prospect」は、将来何が起こるかを予測するという文脈使用され、「perspective」は物理的な観点個人的な観点など、視点関わる文脈用いられる

「perspective」を含む英熟語・英語表現

「in perspective」とは


「in perspective」とは、全体的な視点でという意味である。物事正しく公平に判断するために全体的な視点物事を見る時に用いられる表現である。
Let's try to talk about both sides of the issue and put it in perspective.(この問題両面について話し全体的な視点把握しよう。)

「new perspective」とは


new perspective」とは、新しいものの見方新見解という意味である。
・They have a new perspective and insights that are to be valued and used.(彼らは、評価採用される新見解と洞察がある。)

「good perspective」とは


good perspective」とは、良い着眼点という意味である。
・She had an good perspective, and she made him think about things differently. (彼女は良い着眼点持っており、彼に物事について別の考え方をさせた。)

「perspective line」とは


perspective line」とは、美術用語の透視図のことである。一つ視点物体各点との結びつき放射線によって描き出した図のことである。

「Perspective(イエロー・マジック・オーケストラの曲)」とは

Perspective」は、1983年イエロー・マジック・オーケストラリリースしたサービス」というアルバム収録されている楽曲である。イエロー・マジック・オーケストラは、その頭文字をとりYMO呼ばれ坂本龍一細野晴臣高橋幸宏から構成されたテクノバンドである。

「perspective」の使い方・例文

・In 15th-century Italy, artists rediscovered the rules of perspective.(15世紀イタリアでアーティスト遠近法再発見した。)
From a social perspective, I am very much a liberal, although my economic policies are very conservative.(私の経済政策は非常に保守的であるが、社会的観点においては非常にリベラルである。)
・With more maturity and experience, you will gradually acquire perspective.(成熟度と経験が増すにつれて徐々に視点獲得していく。)
・I come now to what is perhaps a more serious problem from a philosophical perspective.(今ここで哲学的な観点から見れば、おそらくより深刻な問題直面するだろう。)
・This view of marriage has been explored through political, legal, demographic, and more recently symbolic perspectives.(この結婚観は、政治的法律的人口学的、そして最近では象徴的な観点から探求されてきた。)
・From an electroacoustic composer's perspective, 'entering' the sonic interior can mean different things.(電気音響作曲家観点からは、音の内部に「入る」ことは別のことを意味する。)
・He painted architectural designs and bird's-eye views with figures seen from an aerial perspective.(彼は建築デザイン上空からの視点による鳥瞰図描いた。)
However, to explain policy changes our analytical perspective must be broadened.(しかし、政策変更説明するには、分析視野広げなければならない。)

パースペクティブ【perspective】

読み方:ぱーすぺくてぃぶ

遠近法透視図法パース

見取り図

将来の見通し展望

Perspectiveインターネット上の有害・不適切文章機械学習により自動的に分類判定するソフトウエア米国ジグゾー社が開発


パースペクティブ

英語 perspective

パースペクティブは遠近法のついた透視図描法機能CAD作図遠近画法描かれていないが、CG画にはパースペクティブを加えて表現する3次元CADモデル2点透視遠近法に従って距離感与え現実感表現する。焦視点距離によりパース強弱調整が行える。パースと略す。

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

パースペクティブ


遠近法

(パースペクティブ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/08 04:34 UTC 版)

視覚芸術における遠近法(えんきんほう、: perspective)は遠近感を表現する手法の総称である[1]

概要

平面上に表現された絵や画像は物理的な奥行きを持たない。しかしヒトは絵や画像から空間の奥行きを感じられる(奥行知覚英語版[注釈 1]立体視)。視覚芸術において、本来空間が存在しない2次元平面に空間を感じさせるすなわち遠近感をもたらす手法の総称が(広義の)遠近法である[1]

異なる知覚特性に応じて異なる表現を用いた様々な遠近法が存在する(#手法)。線遠近法はその代表例である(#線遠近法)。原始的な遠近法は紀元前から存在し、線遠近法はルネサンス期にその原型が完成した(#歴史)。

手法

遠近法は総称であり、具体的な手法は様々存在する。以下はその一例である:

線遠近法

線遠近法: Linear Perspective)は空間内の各点から伸びる投影線を一つの視点へ収束させる遠近法である。透視図法とも[2]

線遠近法による立方体

線遠近法では空間内の各点からの投影線を単一の視点へ収束させ投影面で写し取る(=透視投影)。これにより遠方の物体が小さく表現され[3][4]、平行線は奥に行くほど幅が狭くなり無限遠で画面内の1点(消失点)へ収束する[5]。その結果モチーフに遠近感が発生し(#遠近感の付与)、また単一の視点を用いたことで空間全体へ一貫した遠近感を持たせられる[6]#空間への統合)。

線遠近法を実現する手順は様々存在する(詳細は透視投影#透視図法)。絵画では消点法一点透視図法二点透視図法三点透視図法)がよく用いられる。同じ消失点へ多数のモチーフから線が伸びると遠近感が増し視線誘導の効果もあるため[7]、絵画における一点(二点・三点)透視図法には「角度が揃った複数モチーフを配置して多数の線が1つ(2つ・3つ)の消失点へ収束するような構図を取る」というニュアンスが含まれる場合がある[5]

線遠近法や透視図はパースとも俗称される(用例:「建築パース」「パースがきつい」)。またこの手法を狭義の「遠近法」と呼ぶこともある[8]

利点

遠近感の付与

線遠近法はモチーフに遠近感を付与できる利点をもつ。

線遠近法により遠方の物体は小さく表現される[3][4](詳細は透視投影#遠方の縮小)。これにより大小遠近法と同様の遠近感を得られる。また画面に対して垂直気味な物体は短く表現される。これにより短縮法と同様の遠近感を得られる。また視線上に複数の物体があるとき手前の物体が奥の物体を隠す形で表現される。これにより重畳遠近法と同様の遠近感を得られる。

空間への統合

線遠近法は単一の原理に基づいて複数のモチーフを一つの空間へ統合できる利点をもつ[6]

遠近法の多く(参考: #手法)は個別のモチーフに関する方法論でありモチーフ間の関係を規定しない[9]。作品はモチーフ群を一体として鑑賞・評価されるため、単純に適用するとバラバラの遠近感をもったモチーフの寄せ集めになりかねない。遠近法をどう組み合わせて作品としての遠近感を演出するかは作家の感性に委ねられる。

それらとは異なり、線遠近法では単一の視点を設定し全てのモチーフをこの視点方向に投影する(透視投影)。つまり線遠近法はモチーフ単体でなくモチーフ群が配置された空間に適用される。ゆえに投影図内のモチーフ群は寄せ集めでなく一つの空間に配置されていると感じられ、線遠近法という単一の方法論によって作品全体としての遠近感(奥行きをもった空間という印象)が得られる[10]

重畳遠近法

ショーヴェ洞窟の壁画(重畳遠近法)

重畳遠近法は重なり表現により遠近感を与える技法である[11]ヒトは物体の前後関係すなわち遠近をその遮蔽(オクルージョン)関係に基づいて判断している。重畳遠近法はこれを模倣し、重なって一部が隠れたモチーフを描写することで奥行き/遠近感を表現する[11]

大小遠近法

大小遠近法(だいしょうえんきんほう)は遠くの物体を小さく描画し遠近感を与える技法である[12][13][14][15][16]

静岡市の風景

物体の大きさは物体の特性であり一定である。しかし目の網膜に映る物体像の大きさは目から離れるほど小さくなる(透視投影)。ヒトはこのことを経験的に理解しており、逆説的に、ある大きさの物体が小さく見えるほど遠くに感じる(そのような感覚・錯視が存在する)。

大小遠近法はこの特性を利用し、遠近によってモチーフの大きさを変えることで奥行きを表現する。経験に基づく素朴な手法であり、モチーフをどのくらい小さく描画すべきかは規定されておらず作家の感性に委ねられる(線遠近法とは対照的)。

空気遠近法

空気遠近法の例。

空気遠近法(くうきえんきんほう、: aerial perspective)は大気の視覚的効果を模倣し遠近感を与える技法の総称である[17]ヒトは風景の遠近をその見え方(霞み具合、色合い)に基づいて判断している[18]。空気遠近法はこれらを模倣し、遠景部分に大気の効果を強く描画することで奥行き/遠近感を表現する[17]。色彩遠近法は空気遠近法の一種である(例:大気の影響で、遠くの方ほど青みがかっているなど)。

短縮法

短縮法(たんしゅくほう、: scórcio: foreshortening)は画面と直交するモチーフを短く描画する手法である[19]

対象物が視線に対して斜めな場合(視線と直交するときと比べて)これが網膜上に短く映ることをヒトは感覚的に理解している。言い換えれば、斜めのものは短く見える。この逆説として、普段より短くみえるものは斜めだとヒトは認識しやすい(そのような視覚効果・錯視が存在する)。

この視覚効果を利用し、画面と直交するモチーフを短く描画して遠近感を増す手法が短縮法である。遠近法の一種である。

透視投影(線遠近法)を用いても画面と直交するモチーフは短く描画され、このときどの程度短く描画されるかは幾何的に厳密に定まる。平行投影でも同様で、幾何的に直交するモチーフが短くなる。一方で短縮法の場合、どの程度短縮するかは画家の判断に委ねられる。透視投影で想定されるより更に短く誇張し遠近感を増すこともできるし、あえて短縮を弱くしてフラットにすることもできる。

その他の手法

動画における遠近法としては、奥の物体を遅く動かす運動遠近法がある(詳細は立体視#運動視差立体視[20]

その他には以下が挙げられる:

  • 双曲線遠近法(魚眼パース): 双曲線放物線を用いる
  • 三遠: 東洋で発展した風景画の遠近レイアウト。高遠=空高く見上げる / 深遠=空間深く見通す / 平遠=地平を見回す、の組み合わせ。
  • 天使遠近法: 地平線曲線分割型。距離点がない[21]
  • 地上遠近法: 直線分割型。距離点がある[21]
  • (逆遠近法: 遠くの物が大きく、近くの物が小さい[注釈 2]
  • prospettiva accidentale: 碁盤の目の様に線を引いた後に、想像力から偶発的に生まれる遠近法の線組織状態[独自研究?]

歴史

ショーヴェ洞窟の壁画(約32,000年前)

遠近法は人類の視覚芸術の歴史において最初期から存在した[22]。約32,000年前のショーヴェ洞窟の壁画には重畳遠近法で遠近感を表現した動物が描かれている(図参照)[22]

紀元前5世紀頃の古代ギリシャでは、舞台美術で遠近感を得るために書割(奥行きある絵を描いた平面パネル)が描かれた。アガタルコス英語版はその始祖とされ、アナクサゴラスデモクリトスはこれに幾何学的理論を当てはめた。アルキビアデスは自宅にこういった透視図を飾った。ユークリッドは線遠近法的技法の数学的な理論を打ち立てたが、これが現代の透視投影と同一かは未だ定説がない。

ボスコレアーレのP.ファニウス・シニスター別荘のフレスコ壁画(紀元前1世紀頃)

紀元前1世紀頃の古代ローマでは、線遠近法に似た平行線収束・遠方縮小の遠近法が用いられていた[23]。現存する資料としてはポンペイボスコレアーレ)の壁画がある(図参照)[23]

中世の絵画は精神的主題により対象物を描き分け、写実性より象徴性を重んじ、距離による人物の大小描き分けはあまり見られない[独自研究?]

11世紀頃のペルシャでは、イブン・アル=ハイサム光学に関する著作のなかで視点に投射する光が円錐形をなす事(透視投影)に触れている[要出典]

中世ヨーロッパでは、イタリアのチマブーエ荘厳の聖母』(1280年頃)、ピエトロ・カヴァッリーニ『聖母の誕生』[注釈 3]ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ荘厳の聖母』などに線遠近法的技法がみられる。ルネサンスの先駆者ジョット・ディ・ボンドーネ1267年頃-1337年)は代数に基づく線遠近法的技法を見出し、『大祭司カヤファの前のイエス』[注釈 4]でこの技法を利用した。ジョットの技法は『礼拝堂の眺め』[注釈 5][注釈 6]などを通じてより精密になった[24]。また、ジョットを承けたアンブロージョ・ロレンツェッティは、遠ざかる平行線を一点で消失するように描いた[21]。例として『聖告』[注釈 7]

遠くにあるものが小さく描かれる(大小遠近法)、あるいは、描き手から遠ざかる平行線が互いに近づくといった表現は、イタリア以外の地域でも認められる。一例としてロベルト・カンピンメロードの祭壇画』(1425年頃)、ヤン・ファン・エイクアルノルフィーニ夫妻像』(1434年)、『ルッカの聖母』(1436年)[25]初期フランドル派の作品はイタリアへと輸出され、フィレンツェのルネサンス遠近法に影響を与えた[要出典]

ペルジーノ『ペテロへの鍵の授与』(1481年1482年作)遠近法が用いられている。この絵のあるシスティーナ礼拝堂ルネサンスローマへ伝える役割を果たした。

15世紀初頭のフィレンツェでは、ブルネレスキが鏡面にフィレンツェ建築の輪郭を写し取り、遠近法を幾何学的に実証した。彼はあらゆる建築物の輪郭がすべて地平線に集約されることに気付いた。そこで彼はサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の、当時未完成であったサン・ジョバンニ洗礼堂を正確な透視図法で描写し、洗礼堂入り口に面してその絵画を置き、相対する位置に鏡を設置した。絵画には小穴が開けられており、絵画の裏からその小穴を覗くと正面の鏡に「未完成であるはずの」洗礼堂内部が映し出された。それは本物と見まがうばかりであった。そのあとすぐフィレンツェのあらゆる画家は幾何学的な透視図法を利用し始めた。中でもドナテッロ『キリストの誕生』の厩舎のチェック模様の床は特筆される。直線はすべて消失点へと収束し、距離によって狭まる直線幅は正確に描画された。この手法は15世紀西洋美術で不可欠なテクニックとなった。実作としては、ギベルティの彫刻レリーフ1425年 - )やマザッチョの描いた絵画(1426年 - )が最も早いものである。

ブルネレスキなどその数学的理論を理解する画家もいたが、それをおおっぴらにしなかった。彼は友人に数学者のトスカネッリがおり、それも数学の理解の一助になったと思われる。数十年後ブルネレスキの友人であり人文学者のアルベルティは透視図法の詳細な論文『絵画論』(1435年)を書いている。この論文の最大の功績は円錐図法の小難しい数式を示すことではなく、投影面とそこを通過する光点の道筋を公式化・理論化したことだった。かれは2つの相似三角形と昔ながらのユークリッド幾何学を用いて投影面への座標を算出できると示した(アルベルティのフレーム)。

1474年ピエロ・デラ・フランチェスカはその著作で視野内の全ての物体に対する遠近法を示した。アルベルティの数学的な解説をよりわかりやすく、図入りで解説したのも彼の著作が最初である。

フィレンツェで発見された遠近法の原理はしばらくこの地を出ず、この大発見が他国の画家にも広まるのはもう少し後になる。

ブルネレスキの透視図法は視点に非常に近い対象を考慮していなかったため、ダ・ヴィンチは自ら光線の軌道を厳密に計算し直しより正確なものを構築した[注釈 8]。更にダ・ヴィンチは透視図法空気遠近法を組み合わせた。彼は遠近法の理解が芸術に重要だと悟り、「実践は強固な理論のもとでのみ構築される。遠近法こそその道標であり、入り口でもある。遠近法無しではこと絵画に関して期待できるものは何もない」と述べた。

20世紀、エルヴィン・パノフスキーは等間隔に置かれた複数の線形間の距離が減少する線形比率を帰納法により解明した。[要出典]

脚注

注釈

  1. ^ https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E7%A9%BA%E9%96%93%E7%9F%A5%E8%A6%9A#.E5.A5.A5.E8.A1.8C.E7.9F.A5.E8.A6.9A.E3.83.BB.E7.AB.8B.E4.BD.93.E8.A6.96
  2. ^ 遠近感を演出する作用があるか議論がある
  3. ^ 聖母の誕生
  4. ^ 大祭司カヤファの前のイエス
  5. ^ 1
  6. ^ 2
  7. ^ 聖告
  8. ^ ただし、ダ・ヴィンチの遠近法は正しいものと比較すると、パースが強く設定されており、誤りがある[独自研究?]

出典

  1. ^ a b "「遠近法」という語は ... 広義においては、空気遠近法、色彩遠近法、消失遠近法、曲線遠近法、上下遠近法、重畳遠近法、斜投象法など、この他にも多数存在する遠近表現の総称として、この語が用いられます。" 武蔵野美術大学 2007a より引用。2024-07-23閲覧.
  2. ^ "透視図法(線遠近法)... Perspective Drawing (Linear Perspective)" 武蔵野美術大学 2007b より引用。2024-07-23閲覧.
  3. ^ a b "高層ビルを見上げた時や、遥か彼方に向かって伸びる道を見た時に、遠くになるほど幅が細くなり" 武蔵野美術大学 2024b より引用。2024-07-22 閲覧.
  4. ^ a b "透視投影 ... 遠くのものが小さく描かれる" (藤堂英樹 2015, p. 12)。
  5. ^ a b "線遠近法 ... 道は道路脇の輪郭線 ... を遠方に行くにつれ水平線上の一点(消失点VP)に向けて収束するように描き、道に並走する電線 ... なども同様にその一点に向けて描くことで遠近表現をする" 武蔵野美術大学 2007b より引用。2024-07-23閲覧.
  6. ^ a b "この線遠近法によって初めて,画面のうえに統一的な空間を提示することができるようになった" (桶田洋明, 波平友香 & 山元梨香 2010)
  7. ^ "絵画鑑賞者の目は消失点に誘導され,消失点付近に注目することがわかった." 以下より引用。杉本. (2017). 一点透視図法の絵画における注目領域の抽出 -遠近法導入時に着目して. 情報処理学会第79回全国大会講演論文集
  8. ^ "狭義においては、ルネサンスの時代に確立された「線遠近法」を指します。" 武蔵野美術大学 2007a より引用。2024-07-23閲覧.
  9. ^ "広義の遠近法は、時代や地域を問わず人類史上普遍的に見られるものであり、例えば古代ギリシャでも用いられていた ... パノフスキーは ... 古代ギリシャの遠近法は空間描写において「包括的統一性が欠けて[10]」... と指摘している。つまり、古代ギリシャの遠近法では、個々の対象は触覚的・立体的に描かれてはいる(秋丸知貴 2024)
  10. ^ "パノフスキーによれば、「保存されている古代絵画のうちには、統一的消失点を有するような絵はただ一つとして確かめられていない[12]」。... これに対し、ルネサンス期の一点透視遠近法は、空間的位置関係を全体的に統一する唯一つの消失点を持つために安定さと内的整合を備えている。(秋丸知貴 2024)
  11. ^ a b "重畳遠近法 ... 物体の重なり方(上下関係)で遠近を表す." p.1 より引用。姉川, 正紀 (2014). "遠近法とボケの関係". 日本美術教育研究発表会. 2014: 1–7.
  12. ^ "奥行き手がかりとして ... 次のようなものがある (cf. Howard & Rogers, 2000).大小遠近法 (大きいものは近くに,小さいものは遠くにあるように感じる)," (後安美紀 et al. 2015, p. 34)
  13. ^ "大小遠近法 大きさを変えただけでも奥行き感が生じる。(市川翼 2014)
  14. ^ "1777(安永7)年に記された日本初の西洋画論である『画法綱領』と『画図理解』が残されており,... 大小遠近法について「人目之視物埃近者大遠キ者ハ小ナルハ此レ其ノ常也」39)と述べている。(清田哲男 2017)
  15. ^ "線遠近法以前にどのような奥行き表現が考えられるだろうか。... 佐藤康邦の分類 xiii) を参考に次にまとめる ... (5)大小のみで表す" (金子 et al 2013, p. 58)
  16. ^ "これは「かくれた次元」エドワード・ホール日高敏隆,佐藤信行訳の付録からの引用をもとにジェームズ・J・ギブソンの「視覚ワールドの知覚」を参照した。... 2 大小遠近法 ... 遠くに行くにしたがって大きさが減少する。"(金子 et al 2013, p. 63).
  17. ^ a b "空気遠近法では、遠景にあるものほど形態をぼやかして描いたり、色彩をより大気の色に近づけるなどして、空間の奥行きを表現します。" 武蔵野美術大学 2007c より引用。2024-07-21 閲覧.
  18. ^ "空気遠近法 ... 例えば戸外の風景を眺めてみると、遠景に向かうほどに対象物は青味がかって見え、また同時に、遠景ほど輪郭線が不明瞭になり、対象物は霞(かす)んで見えます。" 武蔵野美術大学 2007c より引用。2024-07-21 閲覧.
  19. ^ "前に突き出した腕を正面から描く場合,数十センチの長さをもつ腕は,どうしても短く描かざるを得ない。いや,短く描くからこそ,そこに遠近感が醸し出される。このように,実際の長さを短縮して描き,そこに遠近感を生じさせる技法が,短縮法なのである" (野村幸弘 2005, p. 83)
  20. ^ 柿沼範久 石塚久郎・鈴木晃仁(編)「フライト・シミュレーターのヴィジョン」『身体医文化論:感覚と欲望』 慶應義塾大学出版会 2002年、ISBN 4-7664-0924-8 pp.421-433.
  21. ^ a b c 辻茂 著 『遠近法の発見』 現代企画室 1996年 ISBN 978-4-7738-9615-2
  22. ^ a b "壁に描かれた動物の絵 ... ショーヴェ洞窟 ... いまから3万年前の、人類最初の芸術作品 ... 遠近法 ... など、いまだかつて発見された中で最も古い絵画技法のあとも残されています。" 以下より引用。France.fr編集部 (2015年3月4日). “ポン・ダルクの洞窟:アルデシュのショーヴェ洞窟を再現”. フランス観光開発機構. 2025年2月7日閲覧。
  23. ^ a b "ポンペイでは ... 前2世紀頃から壁画が描かれていました。火山の噴火により地中に埋没する西暦79年まで ... 建物の外観を模した立体的な装飾が特徴の第1様式。遠近法を駆使して巨大な建築物をだまし絵のように描いた第2様式。" 以下より引用。名古屋市博物館. 特別展 日伊国交樹立150周年記念 世界遺産 ポンペイの壁画展. 2024-07-24閲覧.
  24. ^ Hoffmann, Volker (2010) "Giotto and Renaissance Perspective", Nexus Network Journal, 12-1, pp.5-32, Basel: Springer.
  25. ^ Elkins, James (1991) "On the Arnolfini Portrait and the Lucca Madonna: Did Jan van Eyck Have a Perspectival System?", The Art Bulletin, 73-1, pp.53-62, College Art Association.

参考文献

関連項目

外部リンク


パースペクティブ

出典:『Wiktionary』 (2021/08/06 16:37 UTC 版)

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パースペクティブ

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