育手
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 10:19 UTC 版)
鱗滝 左近次(うろこだき さこんじ) 声 - 大塚芳忠 演 - 高木トモユキ 天狗の面をつけた鬼殺隊の元水柱。前線を引退してからは次代の鬼殺隊員候補を育てる育手を担う。教え子には炭治郎や義勇の他、手鬼に殺された錆󠄀兎や真菰を含めた13人の子供達がいる。 「水の呼吸」を用いた剣術を教えている。炭治郎と同じく鼻が利き、彼の真摯過ぎるゆえに非情になれない性格を嗅ぎ分け、当初は彼を弟子とすることに難色を示していた。課題を突破した弟子には「厄除の面」としてその弟子に合わせた狐の面を贈っている。しかし、これが最終試験において手鬼への目印になってしまい、これまでの弟子達は義勇と炭治郎を除き13人全員が彼に殺されてしまっていた。 訪れた炭治郎が試練を突破したことで彼を弟子と認め、1年間殺意さえ感じるスパルタ訓練を施す。また、炭治郎の訓練期間と最終選別の間、長期の睡眠に入っていた禰豆子に「人間はお前の家族だ、守るべき命だ」という暗示をかけ続ける。鬼になってしまった禰豆子が人間の血に対する欲求を抱えながらも人間を守ろうとするのは生来の優しさによるものと家族思いのためだが、左近次がかけ続けた暗示によってその守るべき対象が炭治郎だけではなく一般人全員に拡大した。 炭次郎には最終選別の前に、教えた技術を使って大岩を斬る課題を課す。この課題は、これ以上弟子を死なせまいと炭治郎に剣士になるのを諦めさせるために無理を承知で課していた。 竈門兄妹の仔細を産屋敷に報告する手紙の中で、禰󠄀豆子が人を襲った時には義勇と共に腹を切って詫びる覚悟であることを表明し禰豆子の助命を訴えていた。 当初は面を付けていない普通の老人だったが、担当から「インパクトが無い」と指摘され天狗の面を付けることになった。素顔の設定はあるが、吾峠以外には初代担当の片山しか見たことがないという。 桑島 慈悟郎(くわじま じごろう) 声 - 千葉繁 演 - ※星賢太 鱗滝と並ぶ元柱の育手。左目の下に大きな傷跡があり、右足は義足となっている老人の男性。嘗ては雷の呼吸を極めた鳴柱(なりばしら)として活躍していたが、35歳の時に前述の右足の負傷で引退する。その後は桃農場を経営しながら弟子の育成も並行して行っている。アニメのクレジットでは「善逸の師匠」だが、小説版および単行本17巻にて姓名が判明している。 修行が遅々として進まず、その過酷さからたびたび逃げ出していた善逸に対して非常に厳しい態度で接し、荒療治とも言える手段にも出ていたが、反面、その才能を誰よりも評価しており、彼を決して見捨てず、一つの技を極め抜くことを教え続けた。己を「師範」と呼ぶよう再三言うが、実際には彼から「じいちゃん」と慕われるのも内心満更ではない様で、善逸から好意を示された際には照れた表情を見せるなど、何だかんだで弟子への愛情は深い。 弟子の獪岳が鬼になったことを詫びて切腹する。善逸が獪岳を倒して死にかけていたとき、三途の川らしき場所で姿を見せ、涙を流して称賛した。 煉󠄁獄 槇寿郎(れんごく しんじゅろう) 声 - 小山力也 演 - 細見大輔 杏寿郎・千寿郎兄弟の父親。先代の炎柱。作中で唯一、日の呼吸の存在を知る人間でもある。 歴代の炎柱の書から日の呼吸の存在を知り、それに対する無力感から気力を無くしていた所に最愛の妻・瑠火の病死も相俟って酒に溺れた生活を送っていた。杏寿郎の訃報には「大した才能もないのに剣士になるから死んだ」、「愚かな息子」と切り捨て、残された千寿郎にはつっけんどんに当たっており、炭治郎に対しても彼が付けていた日輪の耳飾りを見て、日の呼吸の使い手と思い込み、更に辛く当たるが、怒った彼から頭突きを食らって倒れる。その後、突き放してきた自分に恨み言一つ言わず、自分の身体を大切にする様、気遣った杏寿郎の遺言を聞いたことでそれまでの自分の行動を涙ながらに悔い、炭治郎宛の手紙で先述の無礼を詫びた上で本心を明かした。その後は気概を取り戻し、無限城戦では鱗滝・宇髄とともに産屋敷輝利哉を護衛する。最終決戦の後は炭治郎と病室で再会し、杏寿郎の鐔を付けて戦った事に感謝の言葉を述べる。 柱時代には幼少の伊黒小芭内を救っている。 継国 縁壱(つぎくに よりいち) 声 - 井上和彦 「始まりの呼吸の剣士」。日の呼吸の使い手で、戦国時代に現在の鬼殺隊の基盤を作った鬼狩り。生まれつき額から目元まで炎の様な痣を持ち、「透き通る世界」にも物心付いた段階で入っていた。日輪が描かれた花札風の耳飾りを付けている。日輪刀の刀身の色は漆黒(炭治郎よりもはるかに黒い)で、戦闘の際は赫刀となる。拵は四ツ木瓜型鍔、出鮫式柄、黒鞘。 他者の目を眩ませるほどの剣才を持つ一方で、その生涯は苦悩に満ちた不遇なものだった。武家・継国家に双子で生まれるが、当時双子は跡目争いの原因となるため不吉とされ、さらに生まれつき痣があったことから父に気味悪がられ、母の抗議の末に10歳で出家する事を条件に、忌子として兄・巌勝とは待遇に明確に差をつけて育てられた。巌勝からは母の左脇にぴたりとくっついている姿を哀れまれつつ、父の見ていないところでは部屋に訪ねてきた巌勝と遊んだり手作りの笛をもらったりしていた。7歳になるまで一言も話さなかった事から、巌勝や母親からは耳が聞こえないと思われていた。この国で一番強い侍になることを望む巌勝に対して、自分は二番目に強い侍になると語り、巌勝の稽古を見ていたが、巌勝からはその立場と母親をみればすぐにしがみつきに行く姿から無理だと判断されていた。しかし、指南役に戯れに袋竹刀を持たされた際に持ち方と構え方を口頭で軽く伝えられただけで、指南役に4発叩き込み失神させる。兄が危機感を覚えるほどの剣才の発露であったが、縁壱自身は人を打つ感触に耐え難い嫌悪感を覚え、侍になりたいとは言わなくなった。時を経ずして母が身罷り、これを機に7歳で出奔する。母の左脇にしがみついているように見えていたのは病で左半身が不自由になっていた母を支えるためであった。 出奔後、家族を流行り病で失ったうたという少女と出会い、山中の家で共に暮らすようになる。十年後にうたを妻に娶るが、うたの出産に備えて産婆を呼ぶために家を空けていた時に鬼にうたとお腹の子を殺される。10日間妻子の亡骸を抱えながら呆然としたところに鬼狩りの剣士と出会ったことをきっかけに鬼狩りとなる。剣士たちに呼吸法を教え、巌勝も合流し順調に成果を挙げる中で、鬼舞辻󠄀無惨と珠世に遭遇する。 無惨と出会った瞬間、「私はこの男を倒すために生まれて来たのだ」と悟り、闘いの中で無惨が複数の心臓と脳があることを見て日の呼吸の型を完成させる。かすり傷でも死に至るであろう攻撃を受けずに無惨を追い詰めたが、無惨の奇策により仕留め損なう。無惨討伐に失敗したこと、珠世を見逃したこと、鬼になった兄が裏切りお館様を殺したことなどの責任を追及されて自刃を要求されるも、新たな当主となったばかりのお館様によって要求は止められ、縁壱が鬼殺隊から追放されることで場を収めた。 うたと共に暮らしたあばら家に立ち寄った際、新たに住んでいた竈門炭吉と出産間近の妻・すやこを鬼から救ったことで夫妻と友人となる。自らの人生を炭吉に語り、自分の失敗を責め続ける心情を吐露するも、二人の娘であるすみれが抱き上げられた際に無邪気な笑顔を見せた事で見失いかけていた自分の守りたかったものを思い出し、涙する。餞別として日の呼吸の型を炭吉らに見せ、別れ際に耳飾りを渡した。痣の代償で早死にする事すらなく、60年後に老いた身で黒死牟(兄・巌勝)と再会、彼の変わり果てた姿に涙を見せるが全く衰えぬ剣技で死を覚悟させるも、寿命で力尽きる。 高い実力を持ちながらも非常に謙虚で、剣技を伝える才ある者がいないと嘆く兄に対し、次世代がすぐに現れるだろうと前向きに回答している。 母親に似て争いを好まないおっとりした性格であり、他人が幸せそうにしていると嬉しくなる素直で素朴な人柄。うたは縁壱の感情を表情以外から読み取ることができた。生涯でうただけを愛し、死別後も独身を貫いたため直系の子孫はいない。兄からもらった笛を、うたの着物から作った袋に収めて持ち歩いていた。日の呼吸 始まりの呼吸法。技の名前は太陽や炎にまつわる物となっている他、戦国時代においては唯一、鬼の再生能力を阻害する赫刀を発現させていた。炭治郎のヒノカミ神楽(ヒノカミかぐら)の源となった型。拾参ノ型 縁壱が無惨戦で完成させた最強の技。縁壱は一瞬にも満たない速度で拾参ノ型を繰り出し、無惨を死の寸前まで追い詰めた。 透き通る世界 相手の体内が透けて見え、筋肉や骨格の動きから次の動作を予測できる技術。縁壱は物心付いた段階で既に会得していた。
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