縹家の人間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 04:14 UTC 版)
「彩雲国物語の登場人物」の記事における「縹家の人間」の解説
神祇、異能一族の家系。蒼 遙姫に始まる。歴代当主のほとんどは女。 縹 瑠花(ひょう るか) 声:氷上恭子 璃桜の姉、大巫女。普段は絹の様な黒髪に黒い瞳、白い肌、赤い唇を持つ少女。本体は術が解けると実年齢相応に老ける。愛する弟を当主に据えるが、実質的に縹家の権力を一手に握っている。白仙を炙り出す為、西華村からの文を握り潰し、奇病で全滅させるがままにした。邪仙教の黒幕でもある。珠翠に呪術をかけた。 過去に璃桜とともに黒仙と会ったことがある。父殺しの宿星を持ち、父に何度も殺されかけた過去を持つ。彼女自身はその宿命に抗い、父も幽閉するだけに留めた。縹家の腐敗を無くすため、多くの人間を粛清し、以来80年に渡って大巫女として縹家を支え続けてきた。すでに寿命は短く、神力も衰えてきている。 かつては、縹家の使命である「弱者救済」のため気高い誇りをもって采配を振っていたが、その強すぎる異能と親しい者が離れていく孤独に耐えきれず、次第に精神が壊れ、弟に恋着し出した。弟の愛を手に入れるため、秀麗の体を狙う。 縹家に帰ってきた珠翠を「時の牢」に閉じ込め、縹家に来た秀麗に憑依するが、迅と楸瑛が持ってきた双剣に阻まれる。その後秀麗と対峙し、最後に残った「白い子供」の少女の体を使って生きるかどうかを問う。凌晏樹から黒仙からの仕事と旺季に関しての口封じの為に命を狙われるが、藍楸瑛と司馬迅に助けられる。その後縹家の系列の寺社に救援を乞うていた秀麗とリオウの前に現れ、蝗害への対策を出来る限り講じるよう命じた。 紫戩華の息子として紫劉輝に反発しており、旺季が王になることには消極的賛成だった。縹珠翠を劉輝から引き離し、李絳攸を昏睡に陥らせるなどの形で旺季に手を貸していたが、秀麗にその半端さを指摘されてからは中立の立場を取る。 幼くして時の牢から自分を助け出した羽羽に璃桜に向けるものとは違った愛情を抱いているが、本人はその想いを認めていない。 晏樹の策略により本体の首を落とされるが、魂魄となって秀麗の元に飛び、彼女の身体を借りて、羽羽・英姫とともに結界の修復作業を行った。結界を完全修復させるため、羽羽とともに人柱となった。 縹 璃桜(ひょう りおう) 声:関俊彦 縹家当主。生来怠け者であるため当主の仕事はほぼすべて放棄している。見た目は金を一雫垂らしたように光沢のある銀髪を緩く編み、黒い瞳を持つ青年。満月の月下彩雲紋を付けた、縹色の衣を纏う。薔薇姫と珠翠を奪った邵可とは憎み合っている。秀麗と影月が茶州州牧だったとき、秋祭りのときに占い師に化け、春姫に暗示をかける。 不老長命で、髪色だけ年相応。元は白い子供で産声一つ上げず、父から自分の次の体にと目を付けられていた。10歳頃、薔薇姫を一目見た時から自発的に行動する様になり、彼女を得る為に姉の代わりに父を殺した。60歳頃に邵可に薔薇姫を連れ去られる。本編まで薔薇姫が既に世に居ないことを知らなかった。秀麗を見付けた当初は彼女の死と薔薇姫との再会を望んでいたが、いつからか薔薇姫の望みに反することだと気付く。秀麗が縹家に来てからも手を出すことはなく、最後まで生き続けることを許した。80を過ぎて初めて落涙した。 長命で誰とも死に分かれる運命にあり、自衛の為に特定の誰かに情を傾けない様にしている。瑠花も例外ではないが、大巫女へ敬意を表して父殺しを代行し、当主を引き受けた。彼女が死ぬ時には二胡で葬送曲を弾いた。なんとなくリオウの隣に座ったり、飛燕の言葉を思い出したり、羽羽の瑠花への台詞を薔薇姫との会話に応用したりと、多少なりと他人への関心も見せている。不老長命ではあっても、異能は持たない。統計的に寿命は約150年と見られていたが、本編から約30年後の短編「冬の華」では死去している。 縹 漣(ひょう れん) 声:矢口アサミ 瑠花の息子で、リオウの従兄弟。『光降る』時点で15、6歳ほどの見た目。無能で、瑠花からはまともに認知されていない。母の愛を得ようと学問も武術も磨いたが無駄に終わった。女尊男卑である縹家に辟易しており、男性の社会的地位が高い外の世界を羨んでいる。同じ無能であるリオウとは親しくしており、彼が自分だけの名前すら持たないことを哀れんでいた。 瑠花に命じられ、縹家の術者の力で華眞の遺体を乗っ取り、奇病事件を煽ることで紅秀麗と杜影月を誘い出す。しかし瑠花としては秀麗誘拐で双玉、紅藍両家、中央がどう動くかを見る為の捨て駒でしかなく、最後には本体の首を術者に切断された。リオウに切断された自らの首を示されて、母の愛への未練を断ち切り、己の死を認めて華眞の体を手放す。 旺 飛燕(おう ひえん) 璃桜の妻で、リオウの母。旺季の一人娘。外見年齢は20歳余り。本編の十数年前、縹家を変えるために旺季が送り込んだ。また縹家に保管されていた蝗害に関する情報を、旺季に対して送っていた。 リオウを生んだ後、産褥で死に逝く前に瑠花によって『棺』に入れられ、命を永らえていた。朔洵の魂から秀麗の命を返還させるための「巫女」として働き、自決しようとする旺季をリオウとともに説得した。名の由来は趙飛燕か。 縹 リオウ(ひょう りおう) 声:甲斐田ゆき 璃桜と飛燕の子。名前は父と同じで、片仮名表記で区別される。『光降る』時点でシュウランとさほど変わらない年格好とされるが、『蒼き』によると実際には10歳余り。黒髪、黒い瞳を持つ。奇病事件の時に石榮村に居て、秀麗達と行動を共にしていた。邪仙教の本陣に踏み込んだ際は、縹家の手の者によって切断された漣の首を持って登場。その後、茶州から姿を消す。 羽羽に仙洞省長官・仙洞令君として招聘され、『緑風』から朝廷に現れる。劉輝とは府庫でたまたま知り合い、茶飲み友達になる。当初、劉輝は彼の身元を聞いていなかったが、これはリオウを幽霊と思い込んでいたから。羽羽のことは一寸じぃさんと呼び、老齢を気遣ってか、よく彼を背負って歩いている。読書(かなり本を読むのが速い)と父親の話し相手と占いが趣味。 『黒蝶』にて経済封鎖を解除するべく勅使となった秀麗とともに紅州に向かうが、寿命が近づいたために衰弱した秀麗を縹家に連れて行く。 縹家は「裏の王家」ともいうべき血筋であるため、王位継承権も持つ。旺季の孫で、血統における王位継承権では第2位。『紫闇』で劉輝の養子になった。上治15年には紫州州牧になっており、重華の治世には宰相となる。 縹 珠翠 詳細は珠翠の項目を参照。 蒼 遙姫 詳細は蒼 遙姫の項目を参照。 奇跡の子 本名不詳。瑠花と璃桜の父で、前縹家頭首。璃桜と似た顔立ち。本編の120年以上前、瀕死になっていたところを紅仙に癒しの力で救われる。この癒しの力が過剰に注がれ、元々異能を持たなかったところ、「奇跡の子」の異名を得るまでになった。その力を使い縹家の権力を強固なものとし、暗黒の大業年間に入る原因となった。100年以上前に癒しの異能の枯渇を防ぐために紅仙を呼び出して幽閉した。一方で最後に残った理性で、彼女を解き放っても世界が滅びない仕掛けを施した。父殺しの宿星を持つ瑠花を恐れ何度も殺そうとしたが、瑠花に幽閉され璃桜に殺された。 薔薇姫 詳細は薔薇姫の項目を参照。 立香(りっか) 神域修復のため術者が出払った縹家で、瑠花の世話役を務めていた少女。異能持ちではないため縹家の巫女としての力はなく、それでも瑠花を敬愛しており、瑠花の次代の体にはなれないことを悲しんでいた。 瑠花を思う心を晏樹に付け込まれ、独断で彼女への情報を遮断したり、晏樹に神器の情報を流したり、瑠花が封印した朔洵の「抜け殻」を外へ出したりと動いていた。瑠花にその行いが露見して投獄されるも脱獄し、最後は朔洵の「抜け殻」が使えなくなった晏樹の手で殺され、魂をとどめた死体を利用される。
※この「縹家の人間」の解説は、「彩雲国物語の登場人物」の解説の一部です。
「縹家の人間」を含む「彩雲国物語の登場人物」の記事については、「彩雲国物語の登場人物」の概要を参照ください。
- 縹家の人間のページへのリンク