紅州
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 17:24 UTC 版)
州牧:劉志美(『紫闇』にて中央に異動)、荀彧(『骸骨』より)州尹:荀彧(『骸骨』にて州牧に昇格)紫州の東に位置する杜の都。紫州との境の多くは天険な山岳地帯で、東坡の大渓谷は第一の要衝。藍州との間にも龍頭山脈があり、行き来を困難にしている。白州との間に紅山がある。紅州の関塞は山岳地帯と沃野を併せ持ち、一つ残らず難攻不落。李と梨が同時期に咲く。夏の終わりから秋の初めまで高温多湿、霧も出る。その後は乾燥し、雨も滅多に降らなくなる。秋に風と土の卦が強まることで実り豊か。秋の終わり、数日気温が上がり霧が出た後、数日紅風と呼ばれる強い木枯しが紫州まで吹く。冬でも雪は珍しく専ら雨。肥沃な土壌と何本もの大河により国一番の穀倉地帯で、1割だけで碧州の数年分に相当する。白黒両州から何度も侵略された経緯もあり、毎年冬になって行き来が難しくなるまで多くの食糧を輸出している。本編までの数十年は蝗害が起きていなかったが、旺季派の神器破壊により碧州から飛蝗の群れが流れ込み、収穫量の6割が壊滅した。それ以後も度々起こっているものの、小規模に留められている。穀物に隠れがちだが、石炭の埋蔵量は国随一で、良質な木炭も取れる。燃える油と鉄も豊富。紅一族秘蔵の大量製鉄技術、地形、紅州男児の馬術と合わせ、戦に長けた土地柄。州境を閉鎖しても何ら支障はなく、紅家が王家に対し強気でいられる一因になっている。近年、生活水準と出生率が上がっている。紅州人は自分優先主義で身内意識が強く高飛車、何かあれば城門の上を大勢の庶民が占拠して歩哨が埋もれる程に傍若無人。底無しにいい加減な為に適応力が高い。大地と世界に生かされていることを忘れず、天災で農作物が駄目になろうと黙って田畑の回復に務める。紅州男児は飽き性で好きなことしかせず、収穫期に祭りで騒げなければ鬱憤が溜まり、珍事があれば今している作業は放り投げて飛び付く。州官も例に漏れず、高慢ちき、自信家、意固地で、自分より下の者は認めない。国試の成績が良くなかった志美には、平時には徒党を組み、あらゆることで対立する。一方で恐懼状態にあっても彼以外に不安は見せず、取り乱したことを指摘されれば渋々自省する官吏の矜恃を持つ。紅黎深の性格は彼らの気質によるところも大きい。この気質故にか、藍州人とは気が合わない。 梧桐(ごどう) 紅州の州都。その名は鳳凰の宿木を指す。必要以上に人の手を加えず、自然の美しさを活かした景観。紅家の策謀と他者への無関心の恩恵で、千年以上戦から守られて来た。州城から城壁まで、馬でもかなりの時間がかかる程の広さ。 紅山(こうざん) 藍州九彩江に匹敵する、紅州の秘境。「五岳から帰来して山を見ず、紅山から帰来して岳を見ず」と謳われる天下一の名峰。大渓谷には年中霧が立ち込め、谷から湧き出る霧と雲が雲海となって峰々を覆う。怪石、奇松、雲海、温泉は四絶といわれる絶景の至宝。梨が多く生え、玄圃梨もある。ここに生息する猿は紅家直系に懐くという。紅山神域との単語が出ているが、詳細不明。モデルは黄山か。黄泉の窟(よみのいわや) 岩山にある、垂直に近い角度の階段の上にある闇の迷路。この向こうに姫家の隠れ里がある。窟の入り口までには仕掛け階段や罠などもあって、登るだけで3日3晩かかる。旺季では入り口まで辿り着けず、紅邵可は辿り着けるが脱出は困難、紅黎深、凌晏樹、恐らく藍龍蓮と霄瑤璇は迷路を攻略可能。 東坡郡(とうばぐん) 紫州に接する郡。郡太守はかつて荀馨が務めていた。本編では子蘭だったが、凌晏樹に暗殺された為、紅邵可が引き継ぐ。同時に太守の補佐に李絳攸、東坡軍の指揮官に藍楸瑛が指名される。治め難さでは国でも五指に入る。東坡軍は紅州一の精鋭で、生半可な者では御せない。東坡関塞(とうばかんさい) 紫州との境にある関塞。関塞の外には渓谷があり、跳ね橋を渡している。紅州側に蒼梧の野、紫州側に五丞原と平野に挟まれており、ここの争奪戦が天下分け目となることが多い。この関塞に紅家当主か直系が入ることは、紅一族を上げての紅州防衛を意味する。但し平時に辺境の郡太守に当主を指名しようものなら、紅一族は州府打ち壊しにかかる。 蒼梧の野(そうごのや) 東坡関塞の紅州側に広がる紅州最大の平野。奥には地獄の針山の如き大山脈がある。 燎安関塞(りょうあんかんさい) 梧桐に近い関塞。 鹿鳴山(ろくめいざん) 梧桐近くにある山。鹿鳴山江青寺(ろくめいざんこうせいじ) 単に江青寺とも。縹家系、大社寺系列の道寺で、鹿鳴山一帯を所有する。鹿鳴山の中でも梧桐からは遠いところにある。住職は羽章。紅州の名だたる古刹で規模は大きいが、奥院は床が抜ける程の荒屋。紅州八大国宝の一つ、白仙像とそれを巻く約20畳の白布を収める。ここの高位術者が周辺一帯の「通路」を管理しているが、煩悩寺系列の不正利用には気付いていなかった。 煩悩寺八十八番、煩悩寺一〇九 #その他の地方の該当項目を参照。 河東(かとう)、西山(せいざん)、鳳翔(ほうしょう) 紅州の三大鉄産出地。旺季派によって鉄を紫州へ密輸される。 龍頭山脈 #藍州の「龍頭山脈」を参照。 紅家本邸(こうけほんてい) 山谷の中に建物が散在し、上から見ると蹲った虎のように見える。
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