紫州
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州府の長は王が兼ねる。不在時には王家の血筋にある者が代理を務める。『骸骨を乞う』ではリオウが紫州州牧になっている。寒冷な気候で、冬には雪が積もる。春が過ぎると大雨の季節になる。貴族の大荘園が点在しているものの、国試派には官給田を放置している者も多い。官給の現金で支払われる割合が増えたことで、田畑の崩壊が進み、自給率は6割を切っている。蝗害により4割は切り捨てることになる。 貴陽(きよう) 紫州州都で王都。名は鬼妖からとられている。碁盤状に区画整理されている。非常時には羽林軍も出動する為、他の州都に比べても治安がいい。紫州饅頭が名物で、紫州団子も土産に売られている。 結界が張ってあるため、妖怪狐狸の類はほとんど存在しない。呪術も他の州に比べ格段に効果がない。但し大巫女の遠隔での暗示や呪殺、最高位術者の現地での封印修復、気候操作は有効である。地震もほぼ無縁だが、旺季派の数々の神器破壊により群発地震が起こる。 公子争いの時は不作続きの上、貴族や下官で買い占めが起き、人口流出、餓死が多発した。彩七区(さいななく) 王城の周辺を7つに区分したもの。更に大貴族の邸宅が並ぶ高級区画などに分かれる。貴陽の彩七家の別宅がある地区で、彩七家関係者は家名と同じ名の区に住む。紅邵可邸は紅南区、葉棕庚の診療所は紅東区、黄奇人邸は黄東区にある。藍家別邸(らんけべってい) 藍邸とも。彩七区一の大邸宅で、藍区の一等地にある。何年にも亘って工匠、庭師らに磨き抜かれ、国宝級と謳われる。庭院には全国からの草花を植えている。藍楸瑛が勘当される迄、住んでいた。 紅家別邸(こうけべってい) 主に紅邸と呼ばれる。小さな森が丸々入る広さ。庭院の片隅には紅家本邸と別邸にしか根付かない薔薇が植わっている。紅黎深が天邪鬼な為に李は1本も生えていない。家人は黎深に付き合える人格者揃い。李絳攸は別に自宅を持っているが、正月の切り盛りをするなど付き合いは深い。 紅邵可邸(こうしょうかてい) 紅邵可が紅家に与えられた邸で、紅南区にある。黄奇人邸や欧陽玉邸より広く、維持だけで邵可の禄の半分以上が消えている。毎夏、瓦が吹き飛ばされるのも家計に少なくない打撃を与えている。本編序盤では邸の大半が廃墟になっていた。金500両を手にいれて一度は雨漏りを撲滅したものの、紅秀麗らが茶州に赴任している間に逆戻りした。庭院には池もあるが、魚は飢饉で食べ尽くした。樹木も根まで食べて花も咲かなくなったが、紫劉輝から桜、紅黎深から李の植木を贈られた。ひぐらし山の山神が与えた枝垂れ桜も後に花開いた。 黄奇人邸(こうきじんてい) 黄奇人の邸で、黄東区にある。裏手の山には石斛が生えている。 碧珀明邸(へきはくめいてい) 家主が吏部所属の為、公休日でもまず留守。門番の口は余り堅くない。碧歌梨一家の宿泊所第一候補。 欧陽玉邸(おうようぎょくてい) 家主の人柄を表すように、できうる限りの彫り細工、飾りが施されてジャラジャラしている。色彩感覚はばっちりで、築造は伝統と流行を調和させ、庭の造りも絶妙。門番の服装すら手を抜かず、金額にして秀麗達の半年の生活費を賄えるほど。碧歌梨一家の宿泊所第二候補。 茶家別邸(さけべってい) 茶鴛洵が死去してからは放置されていた邸。茶克洵が当主として訪ねるも、荒れていた上、外交上の文が山と届いていた為、逃げ出した。 全商連貴陽支部(ぜんしょうれんきようしぶ) 彩七区の外にある、全商連の支部。近くには良質な店が揃う。 姮娥楼(こうがろう) 貴陽でも一二を争う名妓楼。格式高く、チンピラ程度では近づくことも許されない。店のあちこちに大旦那のお眼鏡に適った美術品や骨董品が飾られており、これも貴陽一と謳われる所以になっている。1階の中央は一等地で、趣味人は必ず目を留め、一流の文人はここに自作を飾って欲しいと切望する。名前の由来は嫦娥か。 松濤河(しょうとうか) 貴陽を流れる川。水門により、時間によって水かさが増減し、放水は貴陽の名物のひとつ。西施橋(せいしきょう) 松濤河に架かる橋。紅邵可邸から姮娥楼までの間にある。榛蘇芳が橋桁に居て流された。 龍山(りゅうざん) 柳晋が遭難した山。山菜、薬草が豊富。中腹には墓が点在している。奥まったところに紅薔君の簡素な造りの墓石がある。その周りには季節折々の木が植わり、見晴らしも良い。紅邵可邸より黄奇人邸の方が近い。 ひぐらし山 小さな山だが距離感があやふやになる。きのこはあっても桜はない筈だが、異空間に枝垂れ桜の森がある。山神の少年が居て、神隠しが起きる。 砂恭(さきょう) 崔里関塞の紫州側にある街。旅人、商人らが一息つく場で、夜でも賑わっている。古書店、器楽屋などが並ぶ。全商連紫州支部砂恭地区の拠点は、無駄を排した数階建ての建物で、最上階には区長室だけがある。区長は加來。 五丞原(ごじょうげん) 紅州に接する平野。八州に通じる街道が8本ある。旺季の領地に近く、隠れ村は視認できる距離。毎年3月2日未の刻を過ぎた辺りで豪雨になる。モデルは五丈原。
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