第1121小隊
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「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」の記事における「第1121小隊」の解説
第1121号要塞、通称「時告げ砦」に駐屯する戦車小隊。部隊マークはフクロウ。辺境の国境線防衛と警備のために存在してはいるが、国境線の向こうは荒涼とした砂漠が広がるノーマンズランドであることから、戦略的な価値は皆無とみなされている。人数は5名と分隊並の少人数で編成され、主な保有戦力も動かない戦車が一両のみと、おおよそ部隊の体を成していない。そのため、一部からは「ピンクの兵科(ピンクは戦車兵の兵科色)のくせにマトモに動く戦車もない」お荷物部隊とも呼ばれている。小隊長も含めて全員が成人以下の若年兵で、小隊各員が兼職している。 空深 彼方(そらみ かなた) / カナタ 声 - 金元寿子 本作の主人公。ラッパ手兼通信士(見習い)兼装填手で、階級は二等兵。15歳。 幼少期に聞いたイリアのトランペットの曲(『アメイジング・グレイス』)に憧れ、軍に入れば音楽が勉強できると思い志願した。性格は明朗活発かつマイペースでやや天然なムードメーカー。そしてちょっとだけドジ。その裏表の無い純粋で素直な性格ゆえに、本人もあずかり知らぬところで周囲に影響を与え、隊のメンバーだけでなく街の人々からも好かれている。口癖は「素敵」で見聞きする出来事に対してよく使う。信号ラッパは街の人々から苦笑されるほど下手だが、遥か遠くの音を聞くことができる程聴覚に優れ、聞いた音の音階を瞬時に言い当てる絶対音感を持つなど、音に対する潜在能力は非常に高い。「タケミカヅチ」の光学センサーで使用されているレンズの成分の含有比率を音で聞き分けることで復元作業を手伝った。 好奇心旺盛で、目に映る様々な出来事にすぐに心を奪われてしまうため、筋金入りの方向音痴ですぐに道に迷う。第13話では自動車運転技術を会得しているが、脇見運転で事故をたびたび起こしかけている。 ちなみに作中でカナタが練習していたラッパ譜は、日本軍のラッパ譜「号音ノ部」に同一。 和宮 梨旺(かずみや りお) / リオ 声 - 小林ゆう ラッパ手兼通信士で、階級は曹長。17歳。同じラッパ手としてカナタの直属の上司兼指導役、そして良き先輩として公私共にカナタを導く存在となる。 男勝りかつクールな性格で、一見何事にも動じないような芯の強さを持っているが、怪談話、ピーマン、料理が苦手な一面を持ち、酒を呑んで酔うと泣き上戸になる。出会った当初は隊長のフィリシアと対立していた時期もあったようだが、現在は良い補佐役となっている。小隊長に階級が次ぐことから、隊の実務を任されており、日常生活での指示などを出している。 日頃は身分を隠しているが、ヘルベチア共和国大公の妾の子として生まれた大公位継承権第3位保持者(リオ・和宮・アルカディア)である。姉であり、第1公女のイリアから幼少期にトランペットを教わり、ジャズ調の曲を吹けるほどの一流の腕前を持つ。病気の母親が妖しげな僧侶にはまって結局助からず死亡していることから、まじないや宗教に嫌悪感を示す。イリアが亡くなった原因から子供も嫌い。姉の形見である銀の鈴を首から下げている。 物語終盤、暫定休戦後もローマとの間にくすぶり続ける状況を変えるため、ローマ皇帝との婚約を決意して小隊を去った。第12話でホプキンスの暴走を察知して前線へ赴き、未然に開戦を阻止した後は、「戦争を止めた褒美に何でも願いをきく」という正統ローマ帝国皇帝との取引によってヘルベチアに帰還し、少尉に昇進して再び時告げ砦に着任する。 第13話では、失われた文明の飛行技術を復興させて世界中を飛んで巡りたいという自らの夢をカナタに語った。 墨埜谷 暮羽(すみのや くれは) / クレハ 声 - 喜多村英梨 ガンナー(砲手)担当で階級は二等兵(カナタと同階級だが「先任」である)。14歳。黒髪をツインテールにしている。 根は優しくて年相応に怖がりだが、それを素直に認めずに強がる性格(いわゆるツンデレ)。リオやクラウスに憧れている。両親(父は撤退戦で活躍した軍人、母は衛生兵だったとクレハは聞かされている)は現在、日本に暮らしている。 小隊メンバーの中では常識人を自負しており、ことあるごとにカナタの天然気味な言動や緩みがちな隊の雰囲気に対してツッコミを入れてはいるが、結局はそのペースに巻き込まれてしまっている。 物語終盤、憧れのリオが小隊を去った後は、自らがリオに代わって隊を律しなければならないという気負いから、ホプキンスに反旗を翻したフィリシアや、開戦を止めるために軍規を逸脱して行動を起こそうとする小隊のメンバー達に最後まで苦言を呈した。しかし、隊を愛し隊を守りたいという思い故に自ら憎まれ役を買って出たその姿勢をフィリシアに優しく抱き止められた時、抑えていた感情が爆発し大粒の涙をこぼした。 酒を飲んでも酔わない体質(いわゆるザル)であり、それが災いして番外編7.5話では周囲が泥酔して大騒ぎする中一人だけ素面という散々な目に遭っている。第13話にて将来の夢は「沢山の人命を救える軍医」と語っている。 BD&DVD2巻に収録された特典CDドラマ<1>では、時告げ砦の前身である学校の女子高生(の幽霊)に取り憑かれたことがある。 寒凪 乃絵留(かんなぎ のえる) / ノエル 声 - 悠木碧 メカニック(機械整備士)兼ドライバー(操縦士)。階級は伍長。左利きの15歳でボク少女。 普段は寡黙で表情の変化も乏しいが、聞かれたことには応え、突発的に冗談も口にする。トラウマを負っている隊長のフェリシアを気に掛ける心優しい面ものぞかせている。小隊の配備戦車「タケミカヅチ」の研究や復元を担当しており、それに情熱を注ぐあまり生活のリズムが不安定で常に寝不足。そのため、昼間に突然所構わず眠ってしまうこともしばしば。 かつては幼少ながらも軍のアカデミーに在籍し、史上屈指の天才少女と言われた。その才能を軍に利用され、旧時代の施設である生物兵器の開発プラントを復元してしまった自らの過去と、それを虐殺に使ったホプキンス大佐に恐怖している。ホプキンス大佐の突然の来訪に加えアーイシャに自身の過去を確認されたことで錯乱、砦中に響き渡る奇声をあげたうえに隠れ場所から飛び出すなど暴走してしまいホプキンス大佐に自身とアーイシャの存在を確信させてしまう。 酒に酔うと性格が豹変し、いつものおとなしい表情も一変して好戦的になる。 フィリシア・ハイデマン 声 - 遠藤綾 第1121小隊の小隊長でコマンダー(戦車長=小隊指揮官)。18歳で階級は少尉。 常におっとりとした印象であまり指図がましいことはせず、日常生活で隊のメンバーが互いを階級で呼ぶことを禁止したり、自らが率先して軍規に緩い雰囲気を作ろうとしたりと、おおよそ軍人らしからぬ優しい立ち振る舞いが多い。しかし、表情一つ変えずにくじに細工して意図的にリオを街の祭りに参加させたり、ギャングの芝居を打って笑顔で余所者を排除したりと、劇中のクレハの言を借りれば「黒い」ところがある。雷が苦手。 4年前の戦争では第1147小隊の新米戦車乗り(装填手)として参戦したが、ビネンラント戦線で乗っていた戦車アラクネーが被弾して大破し、乗員のうちフィリシア1人だけが生き残った。その時の経験がトラウマとなっている模様。 金髪のロングヘア。眼鏡を掛けた美人。特典CDドラマ<1>によると「幽霊が見える人」らしい。第1147小隊壊滅直後の階級は曹長、第12話では大尉に昇進している。 シュコ 声 - 悠木碧 小隊宿営地に迷い込んできたメスのアフリカオオコノハズク。 第1話でリオの鈴をかすめ取って、結果としてカナタが遭難する遠因を作る。第2話では砦の廃墟に隠れていたため、幽霊騒動を起こす。クレハの発砲の結果、怪我をして保護され第1121小隊のマスコットになる。なお、彼女に「シュコ」と名付けたのはフィリシアである。普通の鳥類にあらざるところもあり、第7・5話にてカルヴァドスを呑むなどの行動も見せている。 リオやフィリシアが配属される以前から時告げ砦にいたようで、本編ではイリアの肩に停まっている写真がある。
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