特徴・基本仕様
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「IMI タボールAR21」の記事における「特徴・基本仕様」の解説
ステアー社で設計されたAUGの初期型のストックにハンドガードを追加し、なおかつ「ごつく」したような、イスラエル製らしい外見をしたブルパップ方式のスタイルである。トリガーガードと一体化したグリップ上部にはバレルを冷却させるための通風孔がある。肩付けする部分のバットプレートは開閉可能で、内部にあるボルトを取り出して掃除することが可能である。コッキングハンドル(手で操作して弾を薬室に送り込むための可動式取っ手)部分はバレル冷却用の通風孔を兼ねている。このコッキングハンドルは独立式であり、ボルトの動きとは連動しないため、射撃中に動く事はない。バレルがレシーバー以外の部位には直接接触しない「フリーフローティング方式」を採用し、射撃時の命中精度の安定化やフルオート射撃時のバレル加熱によるストックの溶け出しを防止している。 外観のストックにはAUGと同様のセンサテック(合成樹脂)を採用し、内部パーツにはセンサテックとアルミニウム合金を多用している。これにより後述するスタンダード仕様・TAR-21では約2,800g(全オプションパーツ無し)という、アサルトライフルでは1、2を争う軽さを誇り、腐食にも強い。主要機器があるストック後部に重量を集中させることで、即座に銃身を持ち上げ構えて戦闘態勢へ移りやすくしているが、バランスが後方寄りになりやすく、人によっては構えた時の安定性が悪く感じる問題も残されている(ただし、これについては後述のバイポッド(二脚)、M203 グレネードランチャー、フォアグリップなどを取り付け、前方への重量を増やせば若干改善できる)。 外部デザインに関する問題として、特にブルパップ方式でのショルダーストック部分は主要機器の集約する場所だけあって大きくなりがちで、見た目としても重く感じてしまう。そこで開発総責任者のシェベスは、ストック全体に段差やラインを多めに彫り込んだ独特なデザインで、ライフル自体を小さく見せて視覚的に解決する事とした(それでも実際に後方寄りな重量バランスのため、ユーザーの判断により前述の方法を取られる事もある)。 現行モデルのハンドガードには、握りやすさを改善するための盛り上がった線が六本追加された他、軽量化対策や握りやすさの改善策としてトリガーガード/グリップにも溝を彫り込んでいる。最近のモデルではピカティニー・レールを標準装備した改良型ハンドガードが供給されている。TAR-21、CTAR-21、STAR-21、GTAR-21のタボールのストックは共通だが、X95のみ様々な条件を前提とするため別デザインの物となっている(後述するX95の項目を参照)。 作動機構は、AK-47をほぼそのままコピーしたガリルとは異なり、新規設計のガスオペレーション/ロングストロークピストン/ロテイティングボルト・システムを採用している。これは、AR-18の機構をアレンジした物で、オリジナルとの違いはショートストローク式ピストンをロングストローク式ピストンに置き換え、ボルトロッキングラグを他には見られない大小4個の特異なデザインに変更した点にある。このため、AR-18やM16系で採用されている7個のマイクロロッキングラグよりもボルト作動の確実性やクリーニングの容易さを高めたものとなっている。 工作精度や製造ノウハウの安定していない最初期の試作モデルでは、ガリルより粉塵に弱いとされるM4A1と比べても作動不良が続出したらしく、一度は1998年に行われたイスラエル軍新規制式突撃銃トライアルにおいて落選してしまった。しかし、テストの結果を反映させ、また、工作精度やノウハウそして生産ライン確立の過程で徹底的に改良され、2003年頃にようやく完成した量産モデルの性能がイスラエル軍に認められて採用された(ちなみに、このような完成までの経緯はウージーやガリル、ネゲヴなど、IWI社製銃器全般に共通する事柄である)。 口径5.56x45mm(SS109)系列の弾薬を使用し、基本的にはM16系(STANAGタイプ)の30発マガジンを使用するが、アダプターを併用することにより、ガリル用の35発マガジンも流用できるなど、既存アサルトライフルとのマガジンの共通性を図っている。理論的にはM16用100発ドラムマガジンや、ガリルARM用50発ロングマガジンも装着することは可能ではあるが、ブルパップ方式のデザイン上、構えや安定性が悪くなるため推奨されない。 同様にブルパップ方式のデザイン上、アイアンサイト(金属式照準器)で照準を付けることが難しいので、タボールにはドットサイト(光学式照準器)が標準装備としてバーチカル・グリップ上部の通風孔の上に装着可能であるが、後に非常用アイアンサイトも追加された。これらについては後述する。ブルパップ方式は基本的に薬莢の排出方向で右利きか左利きかで改造を施さなくてはいけないが、タボールはコッキングハンドルを反対側に付け変え、排出しない排莢口を塞ぐといった最小限の改造で両利き対応としている。なお、コッキングハンドルの無い部分にはピカティニー・レールが装着可能で、様々なオプション機器を取り付け可能である。同様にセレクタースイッチも利き手により変更されるほか、イスラエル軍において広く扱われるM16系突撃銃のスイッチの位置と合わせており、移行した際の違和感を少なくしている。 他に、構えた射手の顔面にチャンバーが存在するため、シェベスは万一の弾薬の異常燃焼事故に対処すべく、高圧ガスを前方へ逃がして被害を最小限に食い止めるメカニズムを新たに開発した。このタボール独自のメカニズムには特許が下りている。また、最終弾の発射後にはチャンバーを開いたままとするボルト・ホールドオープン機構も備えている。 フラッシュハイダー(消炎器)にはライフルグレネードやサウンド・サプレッサー(サイレンサー、減音器)を装着可能で、銃身には銃剣(バヨネット)装着用のアタッチメントを取り付けて銃剣戦闘も可能としている。ハンドガードは取り外し可能で、取り替えて専用のオプションを取り付けることができる。 なお、2009年度のIWI社の大規模な方針転換およびカタログリニューアル計画の一つとして、タボールの一種として開発されたが特異な位置付けにあったマイクロ・タボールMTAR-21をX95に改称、派生の別モデルとして完全に独立させた(後述)。
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特徴・基本仕様
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「IMI バラクSP-21」の記事における「特徴・基本仕様」の解説
現代において旧式化したジェリコ・ピストルシリーズの後継として開発された。完成は2001年であり(販売は2002年から)、時系列的にIWI社となる前のIMI小火器部門が最後に新規設計した銃器でもある。 ジェリコより丸みを持たせつつもイスラエル製らしい「ごつい」外観を持つ。後述のグリップ部分はワルサーP99にも似たデザインである。 基本的にはジェリコの構造が元ではある物の、幾つかの新機軸が盛り込まれた新設計の拳銃であり、特に同社設計のデザートイーグルの影響を受けていると思われる点が多数存在する。 グリップ・フレームだけでなく、幅が大きく盛り上がったスライド後半部分にもポリマーが採用されているのが外観上の最大の特徴である。正確には全体的に筒状のスライドの後半部分はポリマーで覆われた構造であり、これにより従来の金属製スライドの問題の一つであった金属が熱を持ちスライドが引き辛くなる問題が解消されている。また、ポリマー部分には一体成形のリアサイトもあり、金属(スライド)に直接滑り止めの溝を彫らずにすむため、コストダウンも兼ねた設計となっている。 ハンマーはジェリコと似たデザインである。コック&ロック機能とそれに合わせたデコッキング機能(ボタン)も存在し、下ろしたハンマーを安全に戻す事ができる。このデコッキングボタンは金属製で、スライド後半のポリマー部分とは別のパーツであり、外観上でも質感を別けている。こちらはワルサーP99の物と似たタイプである。 専用のキーを用いトリガーをロックする事もでこるが、これは、米国マーケットに対応させるための安全策であるとも言える。グリップには手に合わせて溝が彫られてあり、握りやすく設計されている。これは、ジェリコのポリマーフレームモデルには無かった要素である。内部機構の最大の特徴は、デザートイーグルの様にリコイル・スプリングが左右に分かれている点にあり、反動低減とバレル軸線の低さに貢献している。作動・閉鎖システムは一般的なティルト・バレル方式のショート・リコイル、閉鎖時はスライドとチャンバーを直接噛合わせて固定するブローニング改良型である。トリガーはシングル/ダブルアクション。使用弾薬は9x19mm(9mmパラベラム)、.40S&W、.45ACPの三種類。それぞれ16発/12発/10発の装弾数だが、北米用モデルは規制で全種類10発固定の装弾数となっていた。 バレル長は99mm。ライフリングは9x19mmクラスの拳銃では珍しい6条右回りのポリゴナルタイプであり、ここでもデザートイーグルの影響を受けている様である。マズル部分はラッパ状で、スライドと一体化するデザインとなっている。 9x19mmと.40S&Wモデルのフレーム自体には互換性があり、スライド、リコイル・スプリング、バレル、マガジンの交換で口径のコンバージョンを可能としている。ちなみに、ジェリコ、デザートイーグルでもほぼ同様の行程で口径を変える事ができる(前者は9mm/.41AE、後者は.357マグナム/44マグナム/.50AEなど)。 全長190cm、重量は9x19mm/.40S&Wは735g、.45ACPは765g(どちらも装弾時)。
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特徴・基本仕様
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「ツルベロ ラプター」の記事における「特徴・基本仕様」の解説
R4シリーズの後継・発展型として開発されたため、内部機構などはガリルやその他AK系と基礎こそ変わらないものの、変更点が見受けられる。 作動閉鎖システムはガリルとAK系に準じたガスオペレーテッド/ロングストローク/ピストンヘッド/ロテイティング/ボルトだが、オリジナルが2個のボルトロッキング・ラグを使用する事に対し、ラプターではM16系に準じた6個のボルトロッキング・ラグとなっている。 コッキングハンドルはボルトに直接取り付けられており、右側面のエジェクションポートからはみ出た格好となっている。近年製作されるアサルトライフルのようにコッキングハンドルを左側面に取り付ける事は出来ない。 口径(使用弾薬)は基本の5.56mm×45と、AK系の口径7.62mm×39の二種類となっている。口径5.56mm×45のライフリングは6条・7インチ右一回転、口径7.62mm×39は10インチ右一回転である。 マズル・コンペンセイターは従来のR4向けの物と、ライフルグレネードの装着に対応するNATO互換型を選択出来る。 マガジンは、口径5.56mm×45モデルでは従来のガリル向けマガジン及びそれと互換性のあるセンサテック(合成樹脂)製のマガジンを使用する。5発・10発・20発・30発・35発・50発のバリエーションがあり(35発が基本)、これもツルベロ社から生産・供給される。他にM16系STANAG マガジンもアダプター併用で流用可能とする。口径7.62mm×39モデルではAK系マガジンを流用し、装弾数は30発とする。 レシーバー部分は金属製であり、削り出しで製作される。近年のセンサテックを大幅に用いたライフルと比べると重量のあるモデルに分類される(インファントリー・モデルでは4.6kg)。側面には大きくTRV (口径名) Raptorと刻印が打たれている。 ストックはFN FALのバットストックを伸ばした改良型ストックを通常装備とする。このストックは従来のR4向けの品の中央部に支柱を設けた改良品となっている。近年のモデルではM4系に準じたテレスコピック(伸縮式)ストックにも交換可能で、ユーザーの幅広い要求に応えられる仕様としている。 キャリングハンドル装備のレシーバー上部やハンドガード部に4つのピカティニーレールを装備し、ドットサイトでの照準を前提とする。アイアンサイトも存在し、リアサイト部は折りたたみや微調整可能な非常用だが、それとは別にレール取り付け型のリアサイトも存在する。ドットサイトはエイムポイント社製照準器が標準で付属する。 なお、R4シリーズをベースとしてはいるが、あくまでツルベロ社オリジナルの開発であるため、IWI社のガリル及びそのライセンスとは一切関係なく、ツルベロ社の製品として販売されている。
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