特徴・品種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 20:39 UTC 版)
玉露は日本の煎茶として高級のものと考えて良いが、品評会等では一般的な煎茶とは別のものとして扱われる(煎茶の狭義と広義の説明を参照)。飲用に際して、玉露の滋味と香気の特徴を活かすには、60℃程度の低温(茶葉によっては40℃前後まで温度を下げる場合もある)の湯で浸出することが重要である。玉露はその甘みが特徴であり、高温の湯で淹れると苦味成分まで抽出してしまう。 煎茶道ではこれらの性質を踏まえ、玉露の点前において、最初に湯冷ましに注ぐなどして冷ました低温の湯を用いて甘みを出し、その後に高温の湯を用いて苦味を味わう「二煎出し」を行う流派が多い。二煎目に中間程度の湯で渋みを出す手順を加えた「三煎出し」の点前を持つ流派も存在するが、1回の点前に必要な時間が延びる・茶葉によっては二煎目までに成分がほぼ浸出しきってしまう等の問題があるため、大規模な茶会では「二煎出し」が主流となっている。用いる急須は小ぶりな後手や宝瓶(泡瓶)が用いられることが多く、茶碗も煎茶用に比して小さい。 茶木の品種についても、煎茶をはじめとする日本茶ではヤブキタを使用するものが多いが、玉露には、アサヒ、ヤマカイ、オクミドリ、サエミドリなど、個性の強い品種が使われることが多い。玉露の呼び名自体に特に規定があるわけではなく、特に茶飲料の「玉露入り」に配合されている茶葉は、棚を作らず化学繊維で茶の木に直接カバーを掛け、かつ被覆日数の浅いかぶせ茶に近い物である場合も多い。 そのため、最大の玉露産地である福岡県八女地域では特に、以下の条件を満たす茶葉について「伝統本玉露」と呼んで区別している。 茶樹の枝を剪定をせず、芽を自然に伸ばし、 稲藁で、茶の木と距離を取った棚から被覆し、 しごき摘みで一心二葉を手摘みした 全国茶品評会に出品されている高品質の玉露は、全て伝統本玉露である。
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