撮影機材・放送形態とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 撮影機材・放送形態の意味・解説 

撮影機材・放送形態

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 15:41 UTC 版)

テレビドラマ」の記事における「撮影機材・放送形態」の解説

1940年4月テレビ実験放送放送された『夕餉前』(脚本伊馬鵜平)が、日本初テレビドラマとされている。当時スタジオは非常に狭く、またアイコノスコープ方式カメラ使用していたため、俳優は、時に木材や紙などを発火させるほど強い照明に耐えなければならないなど、技術的制約が多い状況だった。同年10月には実験放送第2作『謡と代用品』が放送されたが、太平洋戦争1941年12月8日勃発)のために11年中断後、1952年再開1953年テレビ本放送が始まるが、当時実用的な録画手段がなく、テレビドラマ多く生放送またはフィルム制作であったビデオは、1956年アメリカ合衆国2インチVTR開発され2年後1958年には、日本に初輸入され国産ビデオ開発された。同年6月大阪テレビ放送OTV、現・ABC)の『ちんどん屋の天使』において、日本初めテレビドラマビデオテープ使用された。そして同年10月ラジオ東京テレビKRT、現・TBS)の『私は貝になりたい』主演フランキー堺)では、本格的にビデオ録画実用化され、技術的な先駈けとなったまた、その年の芸術祭賞を受賞しそれまで電気紙芝居」と酷評されテレビドラマ初めて人を感動させたとして、テレビドラマ史上に残る重要作品位置付けられている。当初ビデオ機材ビデオテープ高価だったが、やがて普及していき、ドラマ生放送から収録する形態へと変わっていった。 1970年代までビデオテープ収録されテレビドラマ中には原盤ビデオテープ別の番組撮影使われ上書きされたことにより、映像失われたものも少なくないまた、当初撮影機材大きさと、カメラ感度低さから、照明煌々と照らしたスタジオ内で演技するより他なく、屋外情景スタジオ内でのセット再現していた。どうしても屋外でのロケ必要な場合は、ビデオでの撮影諦めて16mmフィルム撮影することもあった。そのため本編中にビデオ映像フィルム映像混在し画調画質場合によっては音質においても不連続発生することがかつては多く見られた。いわゆるホームドラマはこうした技術的制約苦肉産物でもあった。 NHKドラマNHKですべて制作していたのに対し民放では1950年代から外部制作会社制作したテレビドラマ放送した。それらは当初テレビ映画」とも称され劇場映画作ってきたスタッフ制作にあたり撮影フィルム行われた大手では1959年東映出資したテレビ局NET(現・テレビ朝日)で、さらに1962年には新東宝前身とする国際放映TBSで、テレビ映画制作進出している。東宝大映松竹など他の大手続いてテレビ進出したものの、たとえば東宝1980年に至るまで自社製作テレビ映画については、傍系東宝ビルド使ったり、傘下国際放映に孫受けさせたり、本拠地砧撮影所極力使わない差別的な姿勢を貫くなど、東映比べる本腰入っていなかった。また、特撮ものは、合成などのノウハウ蓄積されているフィルムでの撮影が主となっていた。詳しくテレビ映画参照。これに対しVTRによるドラマはスタジオドラマと呼び分けられた。 1970年代半ばを過ぎると、これまでのビデオカメラコスト技術的制約なくなりフィルムからビデオでの撮影徐々に移行することとなったフィルムが必要とする現像の手間以外だけでなく、ビデオ編集用の機材発達何よりもコスト問題で、映画会社系の制作会社ビデオ撮影採用し始め1990年代後半からフィルム撮影されドラマ激減2000年代初頭には、刑事ドラマ時代劇ビデオ撮影移行してフィルム撮影はほぼ姿を消した日本違ってフィルムへのこだわりが強い欧米では大型テレビドラマ場合35ミリ映画用カメラ使ったフィルム撮影の方が主流である)。なお、NHKのみは自社製作ということもあり、遥かに先行して1960年代からVTR製作に切り替えている。 モノクロ時代消え物料理)はそれらしく見えればいいということで、すき焼き食べているシーンなのに食べているのは出汁の味しかしない物だった、本物出てきたのはカラーになってからだった、と黒柳徹子語っている。 2005年頃から、地上デジタル放送への移行期迎えてビデオでの撮影NTSCからハイビジョン収録するものが増えた。そのため、アナログ放送放送する場合NHKドラマ全般2005年4月 - )やテレビ朝日木曜9時のドラマと「金曜ナイトドラマ」は、上下に少し黒帯の付く13:9のワイド画面放送していた。また、日本テレビ2005年7月 - )とTBS2004年10月 - )やフジテレビ2004年1月 - )などでは、上下若干黒帯付いていた(ブラウン管テレビで見えない)。テレビ朝日木曜9時ドラマと「金曜ナイトドラマ」以外については、両端カットして放送しているため、アナログ放送画角4:3画面いっぱい放送されていた。またフジテレビでは、アナログ向けとデジタル向けで別の収録テープ分けて放送していた(画角合わせてエンドロール等のテロップ位置変えてある)ため、地方局での再放送や他系列放送場合機材都合上アナログ向けとデジタル向けの2択迫られることになった前者場合デジタル放送でも標準画質でしか放送できないが、後者場合デジタル放送ではフルサイズアナログ放送ではレターボックス放送していた。 地上波民放系のドラマ番組で、唯一BSデジタルでの先行放送が行われていた「女と愛とミステリー」(テレビ東京系)は、2001年1月番組発足以来一貫して16:9ハイビジョン放送実施していたBSジャパン技術的な制約で、デジタル放送開始後も4:3標準画質収録されテープアップコンバートせざるを得なかったテレビ東京(とその系列局)では、テロップ(サブタイトル・エンドロールなど)の挿入位置およびレイアウト異なっていた。しかし、後継番組である「水曜ミステリー9BSミステリー)」に関しては、2005年4月開始時点ハイビジョン放送デジタル帯)とサイドカット処理(アナログ帯)を同時進行させるために必要な送出マスター更新完了していたこともあり、テープの「作り分け」は行われていない。差し替えタイトル(→「BSミステリー」)が入るBSジャパンサイマル放送ハイビジョン画質でも、地上波と同じ仕様収録されテープ基本的に使われているが、他系列向けに納品されているテープはその限りではなく前番組同様複数収録方式ハイビジョンSDサイドカットSDレターボックスなど)が混在している。 ハイビジョン収録普及により、プログレッシブカメラ(30pカメラなどと呼ばれる)を用いて撮影したり、シネライクガンマ(2003年松下電器産業(現・パナソニック)が開発)というデジタル補正技術画質調整したりすることによって、従来ビデオ撮影とは異なった映画フィルムのような階調映像放送される作品多くなっていった2010年代インターネット動画サイト一般に浸透した影響により、平均15分程度で終わる動画視聴慣れた世代CMなしで45分ないしは1時間分の視聴をさせるのは難しいとの指摘もある。

※この「撮影機材・放送形態」の解説は、「テレビドラマ」の解説の一部です。
「撮影機材・放送形態」を含む「テレビドラマ」の記事については、「テレビドラマ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「撮影機材・放送形態」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「撮影機材・放送形態」の関連用語

撮影機材・放送形態のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



撮影機材・放送形態のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのテレビドラマ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS