だいくんい‐きっかしょうけいしょく〔ダイクンヰキククワシヤウケイシヨク〕【大勲位菊花章×頸飾】
【大勲位菊花章頚飾】(だいくんいきっかしょうけいしょく)
Collar of the Supreme Order of the Chrysanthemum
日本における勲章のうち、最高位の勲章。
1888(明治21)年の勅令で制定され、現在においてもその格は変わっていない。
日本における勲章で唯一の頚飾すなわち首飾りであり、唯一全ての構成部品が純金製で副章(純銀)をあわせると約0.5kgほどの重量になる。
このため原価も非常に高い。
外国元首などへの儀礼叙勲を除けば、この勲章の叙勲を受ける人間は、1ランク下の「大勲位菊花大綬章」の叙勲を受け、さらに卓越した功績を残した人間に限るため、天皇・皇族を除けば現在まで13名と少なく、さらに生前に叙勲を受けた人間は6名と少ない。
戦前で叙勲を受けた日本軍人
※皇族を含む
氏名 | 階級 | 受賞年月日 | 備考 |
有栖川宮熾仁親王 | 陸軍大将 | 1895(明治28)年1月16日 | 皇族 没後受勲 |
小松宮彰仁親王 | 元帥陸軍大将 | 1895(明治28)年8月5日 | 皇族 |
北白川宮能久親王 | 陸軍大将 | 1895(明治28)年11月1日 | 皇族 日清戦争中マラリアで戦病死。薨去と同時に受章 |
大山巌 | 元帥陸軍大将 | 1906(明治39)年4月1日 | 第4・6代参謀総長、満州軍総司令官 など |
山県有朋 | 元帥陸軍大将 | 第3・9代内閣総理大臣 など | |
有栖川宮威仁親王 | 元帥海軍大将 | 1913(大正2)年7月7日 | 皇族 没後受勲 |
桂太郎 | 陸軍大将 | 1913(大正2)年10月10日 | 第11・13・15代内閣総理大臣 など 死没数時間前で叙勲 |
伏見宮貞愛親王 | 元帥陸軍大将 | 1916(大正5)年1月19日 | 皇族 |
閑院宮載仁親王 | 元帥陸軍大将 | 1921(大正10)年9月24日 | 皇族 |
東伏見宮依仁親王 | 元帥海軍大将 | 1922(大正11)年6月27日 | 皇族 没後受勲 |
東郷平八郎 | 元帥陸軍大将 | 1924(大正15)年11月11日 | 第3・4代連合艦隊司令長官 など |
久邇宮邦彦王 | 元帥陸軍大将 | 1929(昭和4)年1月27日 | 没後受勲 香淳皇后の実父 |
山本権兵衛 | 海軍大将 | 1933(昭和8)年12月9日 | 没後受勲 第16・22代内閣総理大臣 |
伏見宮博恭王 | 元帥海軍大将 | 1934(昭和9)年4月29日 | 皇族 |
梨本宮守正王 | 元帥陸軍大将 | 1940(昭和15)年4月29日 | 皇族 |
菊花章
大勲位菊花章
大勲位菊花章は、我が国の最高位の勲章であり、明治9年に大勲位菊花大綬章が制定され、同21年に大勲位菊花章頸飾が制定されました。勲章のデザインは、国旗である「日の丸」を象徴する日章を中心に光線(旭光)を配し、回りに菊花と菊葉を配したもので、鈕※1(章と綬の間にあるもの)には菊花を用いています。
また、頸飾は制定の元号である「明」「治」の二字を古篆字※2で飾り、菊花と菊葉が配されています。
【参考】 旭光のデザインは「旭日昇天」の意気を示すものと言われています。
※1 紐・・・ちゅう
※2 古篆字・・・こてんじ
大勲位菊花章頸飾
Collar of the Supreme Order of the Chrysanthemum
Grand Cordon of the Supreme Order of the Chrysanthemum
大勲位菊花章頸飾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/26 10:04 UTC 版)
大勲位菊花章頸飾(だいくんいきっかしょうけいしょく、英: Collar of the Supreme Order of the Chrysanthemum)は、日本の勲章の一つで、その最高位に位置する。また、日本の勲章では唯一、頸飾(けいしょく、ネックレスの意)の形状をとる。
注釈
- ^ 栄典制度改革までは、「大勲位」という勲等に叙した者に対して「菊花章頸飾」という勲章を授与するという形式で、「勲等」と「勲章」に分けられていた(他の勲等・勲章についても同じ)。しかし、栄典制度改革により、「勲等」に叙するという形式を省略し、「勲章」を授与する形式に改められた。なお、制度改正までの受章者は、引き続き勲等・勲章とを分けた状態で有しているものと扱われる(平成14年改正政令附則2項「この政令による改正前の規定により授与された勲章及び平成十五年十一月二日以前の日付をもって授与される勲章については、改正前の規定は、なおその効力を有する」)。また、大勲位菊花章頸飾については「大勲位ニ叙セシ者ニ特別之ヲ賜フ」と定められている(宝冠章及大勲位菊花章頸飾ニ関スル件2条1項)ことから、引き続き「大勲位」という勲等は存続しているものとも解される。
- ^ 制定から数年間は金位900の地金で製造されていた。また宝冠章も1940年代頃の物までは金製であった。
- ^ 宝冠大綬章(旧勲一等宝冠章)も、正章に108個、副章には209個もの天然真珠を使っているため、大勲位菊花章頸飾と並んで高価な勲章であり、ほぼ女性の皇族・外国王族用である。
- ^ 明治の制定初期のみ、箱の表記が「大勲位菊花頸飾章」となっていた。
- ^ 皇太子時代の大正天皇や韓国皇帝純宗などの写真には、菊花章頸飾に菊花大綬章の正章を佩用した例も見られる。
- ^ a b 即位に際し、内閣から譲与。
出典
- ^ a b c 1928年(昭和3年)、国立公文書館所蔵(請求番号:寄贈02115100)。
- ^ 宝冠章及大勲位菊花章頸飾ニ関スル件 - e-Gov法令検索、2019年8月14日閲覧。
- ^ 各種勲章及び大勲位菊花章頸飾の制式及び形状を定める内閣府令 - e-Gov法令検索、2019年8月14日閲覧。
- ^ 川村晧章『勲章みちしるべ』青雲書院、1985年、p.135
- ^ a b 大勲位菊花章頸飾(大隈重信) - 早稲田大学図書館、2019年8月18日閲覧。
- ^ 『大勲位菊花章頸飾ヲ有スル者ハ略鎖ヲ以テ略章ヲ喉下ニ佩フルヲ得ル件』 - 国立国会図書館デジタルコレクション、2019年8月14日閲覧。
- ^ 勲章の授与基準 (PDF) 、2003年(平成15年)5月20日閣議決定。
- ^ “令和元年5月1日(水)午前”. 首相官邸. 2019年5月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月2日閲覧。
- ^ “政府、新天皇陛下に勲章譲与”. 時事ドットコム. (2019年5月1日) 2019年5月2日閲覧。
- ^ 大勲位菊花章頸飾(西園寺公望) - 国立公文書館、2019年8月18日閲覧。
- ^ 川村皓章『勲章ものがたり 栄典への道』、p. 220
- ^ 大勲位菊花章頸飾(佐藤栄作) - 国立公文書館、2019年8月18日閲覧。
- ^ 『官報』第168号8頁 令和2年1月14日号
- ^ "中曽根氏に従一位、大勲位菊花章頸飾を授与". 産経ニュース. 産業経済新聞社. 27 December 2019. p. 1. 2019年12月27日閲覧。
- ^ 『官報』第776号8頁 令和4年7月14日号 (2022年7月14日). “叙位・叙勲”. 官報. 2022年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月14日閲覧。
- ^ 安倍元首相に大勲位菊花大綬章と大勲位菊花章頸飾を授与へ,読売新聞オンライン,2022年7月11日
- ^ “安倍氏に従一位、大勲位菊花章頸飾を授与”. 産経ニュース. (2022年7月11日) 2022年7月11日閲覧。
- ^ a b c d e f 君塚直隆著『女王陛下のブルーリボン ガーター勲章とイギリス外交』、NTT出版、2004年(平成16年)
- ^ a b 外交史料Q&A・大正期、外務省外交史料館。
- ^ 『官報』第1251号8頁 令和6年6月26日
- ^ 外国人叙勲受章者名簿・平成26年、外務省。
- ^ 外国人叙勲受章者名簿・平成22年、外務省。
- ^ a b 外国人叙勲受章者名簿 平成29年 - 外務省、2019年8月18日閲覧。
- ^ アブドッラー・ヨルダン国王訪日に際しての日本・ヨルダン共同プレス・ステイトメント、外務省。
- 1 大勲位菊花章頸飾とは
- 2 大勲位菊花章頸飾の概要
- 3 受章者一覧
- 4 脚注
大勲位菊花章頚飾と同じ種類の言葉
頚飾に関連する言葉 | 頚飾(けいしょく) 菊花章頚飾(きくかしょうけいしょく) 大勲位菊花章頚飾 |
固有名詞の分類
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