労働災害の具体例とは? わかりやすく解説

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労働災害の具体例

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 08:34 UTC 版)

労働災害」の記事における「労働災害の具体例」の解説

業務災害認められた例 自動車運転手が、長距離定期貨物便の運送業務の途上会社利用認めている食堂前に至ったので、食事のために停車し食堂向かおうとして道路横断中に折から進行してきた自動車はねられ死亡した昭和32年7月19日基収第4390号)。 上司の命により従業員無届欠勤者の事情調査するため、通常より約30早く自宅公用外出」として自宅出発自転車欠勤者宅に向かう途中電車はねられ死亡した昭和24年12月15日基収第3001号)。 「明日午前8時から午後1時までの間に、下請業者実施する隣町での作業指導監督する」よう出張命令を受け、翌日午前7時過ぎ、自転車自宅出発し列車乗車すべく進行中踏切列車衝突し死亡した昭和34年7月15日基収第2980号)。同人乗車しようとしていた列車通常の通勤場合にも利用していたものであるとしても、通勤災害ではなく業務災害認められる勤務時間中に作業必要な私物眼鏡自宅忘れた労働者が、上司了解得て家人届けてくれた眼鏡工場の門まで自転車受け取りに行く途中で、運転を誤り転落して負傷した昭和32年7月20日基収第3615号)。 配管工が、早朝に、前夜運搬されてきた小型パイプ事業場資材置場乱雑に下しされていたためそれを整理していた際、材料小型のため付近草むら投げ込まれていないかと草むら探し入ったところ、その草むら中に棲息していた毒蛇に足を咬まれ負傷した昭和27年9月6日基災収第3026号)。 道路清掃工事日雇い労働者が、正午からの休憩時間中に同僚作業場内の道路面したにもたれ休憩していたところ、道路走っていた乗用車運転操作誤って柵に激突した時に逃げ遅れ、柵と自動車挟まれ胸骨骨折した昭和25年6月8日基災収第1252号)。 戸外での作業開始15分前に、いつもと同様に同僚ドラム缶投じて暖をとってい労働者が、あまり燃えないため、若い同僚機械掃除用に作業場置いてあった石油持ってきてにかけて燃やした際、火が当該労働者ズボン燃え移って火傷した昭和23年6月1日基発第1458号)。 建設中クレーン未曽有の台風襲来により倒壊するおそれがあるため、暴風雨のおさまるのを待って倒壊を防ぐ応急処置を施そうと、監督者労働者16名に、建設現場近くの、山腹谷合の狭地にひな壇式に建てられ労働者宿舎待機するよう命じたところ、風で宿舎倒壊しそこで待機していた労働者全員死亡した昭和29年11月24日基収第5564号)。 以前にも退勤時に10分間意識失ったことのある労働者が、工場の中の2の場所で作業している合間に暖をとるためストーブ近寄り急な温度変化のために貧血起こしてストーブ倒れ込み火傷により死亡した昭和38年9月30日基収第2868号)。 C会社大型トラック運転して会社荷物運んでいた労働者Dは、Eの運転するF会社トラック出会ったが、道路の幅が狭くトラック擦れ違い不可であったため、F会社トラックその後方の待避所後退するため約20メートルバックしたところで停止し徐行に相当困難な様子であった。これを見かねたDが、Eに代わって運転台乗り後退しようとしたが運転を誤り道路から断崖墜落し即死した昭和31年3月31日基収5597号)。 乗務員6名の漁船が、作業終えて帰港途中に、船内夕食としてフグ汁出された。乗組員のうち、船酔い食べなかった1名を除く5名が食後中毒症状呈した海上のため手当てできず、そのまま帰港し直ち医師の手当を受けたが、重症の1名が死亡した船中での食事会社給食として慣習的に行われており、フグ給食慣習になっていた(昭和26年2月16日基災発111号)。 川の護岸築堤工事現場土砂切取り作業をしていた労働者が、土蜂に足を指され、そのショック死亡した蜂の巣は、土砂切取り先約30センチメートル程度の土の中にあったことが後でわかり、当日は数匹の付近飛び回っており、労働者使用者もどこかに巣があるのだろうと思っていた(昭和25年10月27日基収2693号)。 業務災害認められなかった例 自動車運転手Aは、道路工事現場砂利運搬するよう命ぜられ、その作業従事していた。砂利敷き終わり、Aが立ち話をしていたところ、顔見知りのBが来て、ちょっと運転をやらせてくれと頼んで運転台乗り、運転を続けたがAは黙認していた。Bが運転している際、Aは車のステップ台に乗っていたが、Bの不熟練のために電柱激突しそうになったので、とっさにAは飛び降りようとしたが、そのまま道路外側跳ね飛ばされ負傷した昭和26年4月13日基収第1497号)。この災害はAの職務逸脱によって発生したのであるため、業務災害とはならなかった。 会社休日行われている社内親睦野球大会参加推奨されているが任意である)で労働者転倒し負傷した平成12年5月18日基発第366号)。 炭鉱採掘仕事従事している労働者が、作業中泥に交じっているのを見つけて拾った不発雷管を、休憩時間中に針金でつついて遊んでいるうちに爆発し、手の指を負傷した昭和27年12月1日基災収第3907号)。 企業所属して労働契約に基づき労働者として野球を行う者が、企業代表選手として実業団野球大会出場するのに備え事業主定めた練習計画以外の自主的な運動をしていた際に負傷した平成12年5月18日基発366号)。この場合の「自主的な運動」は、労働契約に基づく運動競技練習には該当しないものであり、業務上としては取り扱われない。 会社人員整理のため、指名解雇通知行い労働組合はこれを争い使用者裁判所に被解雇者の事業場立入禁止仮処分申請行い労働組合裁判所協議約款違反による無効確認訴訟提起し併せて解雇者の身分保全仮処分申請していたところ、労働組合裁判所決定待たずに被解雇者らを就労させ、作業中に負傷事故発生した昭和28年12月18日基収4466号)。この場合作業であっても業務外として取り扱われる通勤災害認められ例 会社からの退勤途中で美容院立ち寄り、髪のセット終えて直ち合理的な経路復したのちに災害遭った昭和58年8月2日基発第420号)。理美容のために理髪店美容院立ち寄る行為は、「日用品購入その他これに準ずる日常生活必要な行為」に該当するとされた。 商店閉店した後は人通りがなくなる地下街入口付近の暗い所で、キャバレー勤務労働者勤務先からの帰宅途中に、暴漢後頭部殴打され財布取られた(昭和49年6月19日基収第1276号)。 午前勤務終了し平常通り会社から約300メートルところにある自宅昼食済ませた労働者が、午後からの勤務に就くため12時45分頃に自宅出て県道徒歩勤務先会社に向かう途中県道脇に駐車中のトラックの脇から飛び出した野犬下腿部をかみつかれ負傷した昭和53年5月30日基収第1172号)。 マイカー通勤をしている労働者が、勤務先会社から市道挟んだところにある同社駐車場に車を停車し徒歩職場到着しタイムカード押した後、フォグライト消し忘れ気づき徒歩駐車場へ引き返すべく市道横断する途中市道走ってきた軽自動車はねられ負傷した昭和49年6月19日基収第1739号)。 通勤災害認められなかった例 業務終了後に、労働組合執行役員である労働者が、事業場内で開催され賃金引き上げのための労使協議会6時間ほど出席したのち、帰宅途上交通事故にあった昭和50年11月4日基収第2043号)。労使協議会への出席労働組合役員としての職務解され、また「6時間ほど」の時間社会通念就業帰宅との直接的関連失わせるほど長時間であることから、通勤災害認められなかった。 勤務終えてバス退勤すべくバス停向かった際、親し同僚一緒になったので、お互いによく利用している会社の隣の喫茶店立ち寄りコーヒー飲みながら雑談し40程度過ごした後、同僚乗用車合理的な経路通って自宅まで送られ労働者が、車を降りようとした際に乗用車追突され負傷した昭和49年11月15日基収第1867号)。「喫茶店40程度過ごした行為上述ささいな行為」とも「日用品購入その他これに準ずる行為」とも認められなかった。

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